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数日中って、ホント⁉ モウリーニョ氏のマンチェスター・ユナイテッド監督就任決定報道が白熱!

Jose Mourinho tells friends that his summer move to Manchester United is a ‘done deal’(モウリーニョ氏が、友人に”夏にマンチェスター・ユナイテッドに行くことが決まった”と話した)」「既に合意済み」「数日中に決定」…今季のプレミアリーグの結果に関わらず、2016-17シーズンからはジョゼ・モウリーニョさんがマンチェスター・ユナイテッドの指揮官になるということなのでしょうか。今週に入ってから、イギリス、スペイン、そしてモウリーニョさんの母国ポルトガルと、複数の国のメディアが同じベクトルの報道を続けています。スペイン紙「エル・コンフィデンシャル」は、年俸2000万ユーロ(約26億円)で2019年までの3年契約を数日中に結ぶだろうと伝えており、イギリスメディアもこれに追随。マンチェスター・ユナイテッドがトッテナムのマウリシオ・ポチェッティーノ監督と交渉しているという記事は、かき消されてしまいました。

プレミアリーグは、世界一レベルが高いリーグとはいえないかもしれませんが、欧州の主要国で最も競争が激しいリーグであり、モウリーニョさんはそこに惹かれているのでしょう。ポルト、チェルシー、インテル、レアル・マドリードで指揮を執り、それぞれのリーグの空気を肌で感じてきた名将は、先日「GQ」のインタビューに応え、彼らしい表現でプレミアリーグの魅力を語っています。

「私は競争を必要としている。毎週必要なのだ。 スペインでは、年に4つしか試合がなかった。バルセロナ対レアル・マドリード、レアル・マドリード対バルセロナ。それ以外は、4-0、5-0、5-1、6-1で勝つ試合ばかりだ。 勝つのは簡単だが、リーグ制覇は難しい。なぜなら、2つの怪物が張り合っているからだ。 私は100ポイントを獲得したときはリーグ優勝を果たし、91ポイントではタイトルを獲得できなかったわけだ。 ところがイングランドでは、75ポイントで優勝できるんだ」(ジョゼ・モウリーニョ)

2013年5月に、サー・アレックス・ファーガソンがクラブを去ったときは、その後釜にはモウリーニョさんがふさわしいと思っていたのですが、チェルシーでの第二次政権が過ぎて青のイメージがより強まった今は現実感がなく、むしろ戸惑いのほうが強くなっています。サポーターには、賛否両論あるでしょう。「プレミアリーグ優勝がめざせる」「欧州で勝てるチームを創ってくれる」「宿敵グアルディオラ監督と戦うマンチェスターダービーが盛り上がる」と期待する声。「短期政権で終わり、チームが壊れてしまうのではないか」「守備的なサッカーはもう観たくない」「ベテランと即戦力を集め、明日勝てるチームを創ろうとする監督の下では、若い選手が育たないのではないか」と危惧する意見。「OBのギグスを」という願い。私は、若手の成長という観点で今は懸念のほうが強いのですが、クラブが選んだ監督は是非もなく全力で応援すると決めています。モウリーニョ新監督が実現したとき、新体制に期待することを一文にまとめるとすれば、こんな言葉でしょうか。

主将デ・ヘアを中心にまとまり、マルシアル、ルーク・ショー、デパイ、アンドレアス・ペレイラ、リンガードが欧州トップクラスの選手に育ったチームは、2020-2012シーズン、モウリーニョ体制で2度めのチャンピオンズリーグ制覇を達成」

ノイアーやクルトワと世界一を争うGKが、レアル・マドリードで戦うよりも、元レアル・マドリードの指揮官とマンチェスターで戦う道を選んでくれたら、これ以上の喜びはありません。彼を中心とした強い最終ラインと、若手が躍動する魅力的な前線を構築していただき、プレミアリーグ優勝はもちろん、欧州の頂点への返り咲きを果たしていただければと思います。

最後に、ひとつだけ。モウリーニョ監督就任が決まり、3年という契約を全うできなかったとしても、ファン・ハール監督にはチャンピオンズリーグ出場権を獲得していただき、大変だったこの2年間を悪くない形で締めていただければと願っています。一部のイギリスメディアは、「ファン・ハールの2年間は問題だらけだった」と失敗を強調していますが、プレミアリーグ7位にまでポジションを落としたチームを就任した初年度に4位に引き上げ、チャンピオンズリーグの舞台に戻してくれたのは、ファン・ハール監督の大きな功績だと思います。1990年代半ばに、当時無敵だったアヤックスで一世を風靡した名将にとって、マンチェスター・ユナイテッドは最後のクラブになるかもしれません。契約解除という別れ方になれば、心からの感謝とリスペクトを示すのは難しくなるかもしれませんが、クラブはもちろん、いろいろあったマスコミのみなさんも、最後の最後は敬意をもって送り出していただければと願ってやみません。

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“数日中って、ホント⁉ モウリーニョ氏のマンチェスター・ユナイテッド監督就任決定報道が白熱!” への4件のフィードバック

  1. chelさぽ より:

    モウリーニョがマンUですか…脳内の青イメージが赤に変わるのはうまく馴染めそうにありません。
    やはりマンUは下部組織から上がってくる選手や若手が長年に渡り在籍し、マンU色が年々濃くなって欧州で輝く印象が拭えませんのでファギーズベイビーはファーガソンが居たからこそのものなのでしょうが、モウリーニョが就任するなら中々難しそうです。結果をなにより求める監督なので強いマンUが戻ってくるなら嬉しいことですが、どうにも言い表せないもどかしさが残ってしまいます。

  2. Uボマー より:

    モウリーニョがユナイテッドの監督になりたがってたのは有名ですし、そこまで違和感はないですね。
    そしてマタはまた眠れない日々を過ごしているでしょう笑

    —–
    戦術的にはモウリーニョとプレミアは相性が良いと思います。ポゼッションを重視するアーセナルが長年優勝から遠ざかっているのに対し、守備を優先するモウリーニョの戦い方はとても現実的です。もちろんユナイテッドとの相性も悪くないでしょう。

    問題はメンデスの存在ですかね。レアルマドリーはモウリーニョとレアルで主軸を担ってきた選手たちとの間で派閥争いが起きたのですが、その裏にはメンデスがいました。チェルシーはアブラモビッチオーナーの存在が代理人主導の選手獲得策を抑えてきましたが、ユナイテッドではどうなるか。グレイザー一族は結果重視でアカデミーを含めたクラブの将来までは関心がないように見えます。エド・ウッドワードが交渉事であてにならないのはこの2年で示されています。選手の入れ替えはプロなら致し方ないとしても、サポーターが期待する若手がレンタルに出されて、メンデス顧客の選手がレギュラーとなればOBから不満も出かねません。まあサポの一部にはロナウドが帰ってくるんじゃないかという期待を抱く人もいるかもしれませんが…。

    いずれにせよ、2代続けて劇薬となりそうな監督を連れてくる辺り、経営陣の迷走ぶりにため息が出るばかりです。

  3. queen より:

    ユナイテッドの取る道は二つ考えています。
    とりあえず短期的に、無理やりにでもタイトルを取りに行く。あるいは、長期的に腰を据えてチーム強化する。
    前者を取るなら、モウは適任でしょう。ギグスがコーチに残るなら、彼からいろいろ学べるでしょうし。
    仮にチームをじっくり強化したくても、自身のクビのリスクと天秤にかけてしまう。アーセナルは例外ですが、育成型の監督にとっては苦労の絶えない時代になりましたね。

  4. makoto より:

    chelさぽさん>
    そうなんですよね。モウリーニョさんが、マドリード時代や今季の失敗を糧にして、新しいやり方にトライできるかも重要だと思います。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    マタはクラブの走行距離No.1選手で、以前よりもしっかり守備をこなしているので、モウリーニョさんになったとしても中心選手としてがんばってほしいです。

    Uボマーさん>
    メンデス氏は、私も気になっています。モウリーニョさんの才能もリスクもしっかり理解してチーム運営をしたアブラモヴィッチさんという素晴らしいオーナーでも今季は壊れたので、経営陣が緩いマンチェスター・ユナイテッドは心もとないですね。

    queenさん>
    長期的な視点でチームづくりができる監督がいいのですが…。モウリーニョさんに決まったら、変わってくれることを期待したいです。こんなご時世でも、腹を据えてこれでもかと若手を使っているポチェッティーノ監督は素晴らしいですね。

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