イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

19位のニューカッスルに指揮官解任報道。後任候補の本命デヴィッド・モイーズは成功するのか!?

サンダーランドのディック・アドフォカート、リヴァプールのブレンダン・ロジャース、アストン・ヴィラのティム・シャーウッド、スウォンジーのガリー・モンク…。12月17日に、プレミアリーグ16位まで沈んだチェルシーのジョゼ・モウリーニョ監督が事実上の解任となってから、3ヵ月は静かだったのですが、このたび6人めの退任監督が発表となりそうです。ニューカッスルで今季から指揮を執っているスティーブ・マクラーレン監督。6勝6分17敗でプレミアリーグ19位、得点28は下から2番め、失点53はあと2つでワースト。数字を見れば、フォローできる要素は見当たりません。いや、ひとつだけ新監督に同情すべきデータがありました。「Injury League」によると、ニューカッスルの負傷者たちが今季、ゲームを失った週を積算すると、何と303週!2位のリヴァプールが215週ですので、お祓いにいくことをお勧めしたくなるようなぶっちぎりの1位です。新戦力が思うようにはまらず、負傷者が続出し、元々強固ではなかった守備が崩壊したチームには、トップ交代という劇薬を打つしか手段が残っていないようです。

PSVからワイナルドゥム、アンデルレヒトからはミトロヴィッチとエンベンバ、マルセイユからフロリアン・トヴァンを夏に獲得。ニューカッスルのプレミアリーグ2015-16シーズンは、欧州は高望みとしても、TOP10なら充分狙えるものと思われていました。ところが新チームは開幕から低迷。プレミアリーグ初勝利は既に10月半ばに入った9節、6-2で大勝した相手は、こちらも現在18位と降格ゾーンにいるノリッジです。この試合で4ゴールを挙げたワイナルドゥムは中心選手として活躍してくれたものの、4節のアーセナル戦でゴールよりもレッドカードを先に記録したミトロヴィッチのPK1本を含む5ゴールという数字は物足りません。トヴァンは13試合ノーゴールと完全に空回り。2012-13シーズンにバスティアでリーグ・アンの年間最優秀若手選手賞に選ばれたチャンスメーカーは、3年前に同賞を獲得していたエデン・アザールの後に続くことはできず、1月には古巣マルセイユにレンタルされてしまいました。プレミアリーグの水が合わなかったのか、チームになじめなかったのか。新戦力が期待通りに働かないニューカッスルは、ノリッジ戦の翌週のタインウェアダービーで3-0と完敗した後も、下位に沈み続けます。

唯一光が差したのは、リヴァプール、トッテナムに連勝し、15位に上がった12月上旬。しかし、そこから調子が上がることなく年明けを18位で迎えたニューカッスルは、冬の市場でもテコ入れを図ります。スウォンジーからイングランド代表MFジョンジョ・シェルヴィ、ボルドーからセヴェとセントラルMFを強化。サイドアタッカーにはスパーズでくすぶっていたアンドロス・タウンゼント。ミトロヴィッチとアヨゼ・ペレスでは弱いと考えたのか、最前線にセイドゥ・ドゥンビアまで連れてきました。気合いの入った補強ではあるものの、いちばん欲しかったのはシーズン中に戻ってこないとわかっていたGKクルルの穴を埋めてくれる選手だったかもしれません。残念ながら、今のところは戦力充実化の成果が出たとはいえず、土曜日のプレミアリーグ29節ではセント・ジェームズ・パークでボーンマスに1-3とやられて3連敗。堪忍袋の緒が切れたマイク・アシュリーオーナーが、ついに矛先を指揮官に向けたと伝えられています。

「明日の朝には解任だ」というおなじみのチャントが本拠地に響いた後、ベニテス、ロジャース、ナイジェル・ピアソン、ハリー・レドナップと実力者の名前が飛び交ったものの、イギリスメディア「エクスプレス」「テレグラフ」は、マクラーレン監督の後任としてデイビッド・モイーズ氏が最有力と報じています。昨年の11月にレアル・ソシエダを解任されたモイーズさんが、エヴァートン時代に見せた手腕を揮えばノリッジやサンダーランドを上回って17位でフィニッシュすることはできるかもしれませんが、今のプレミアリーグは選手も監督もレベルが上がっており、カンフル剤としての指揮官交代がてきめんに効く状況ではありません。弱小チーム強化の実績を買われたスウォンジーのグイドリン監督ですら就任当時より順位を下げているなかで、目に見える成果を出すのは難しそうです。とはいえ、「やるなら今しかない」のは間違いありません。2週間後には、セント・ジェームズ・パークでの「シックスポインター」、タインウェアダービーが控えているのですから。

ニューカッスルがシーズン初めに強化するべきは、メディカルスタッフだったのでしょうね。これは決して結果論ではありません。このクラブは、2014-15シーズンも負傷者の数はプレミアリーグNo.1。選手ののべ離脱週数は、2位のマンチェスター・ユナイテッドを100週近く引き離す347週とぶっちぎりトップだったのです。プレミアリーグファンとしては、サンダーランドのサム・アラダイス監督にもがんばっていただいて、来季もタインウェアダービーの熱気を満喫したいのですが、果たして…!

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“19位のニューカッスルに指揮官解任報道。後任候補の本命デヴィッド・モイーズは成功するのか!?” への2件のフィードバック

  1. まーし より:

    今シーズン失点が多く、得点があまり取れていませんが、シソコ、ティオテ、ペレスにシセとタレント力はあり、モイーズもエバートン時代の経歴も考えると残留すると私は思ってます!ニューカッスルは好きなチームなので、頑張ってほしいです!

  2. makoto より:

    まーしさん>
    ありがとうございます。うまく仕切れば、かなり強そうなんですけどね。守備を何とかしないといけませんね。

まーし へ返信するコメントをキャンセル