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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ラファ・ベニテスがニューカッスル監督就任。アラダイスと戦うタインウェアダービーが観たい…!

デヴィッド・モイーズ大本命と伝えられていたニューカッスルの監督人事は、急転直下、年末までマドリードにいた監督に決まりました。ラファエル・ベニテス、55歳。2004年から6年間指揮を執ったリヴァプールでは、就任初年度にチャンピオンズリーグで優勝を果たし、翌シーズンはコミュニティシールド、UEFAスーパーカップ、FAカップを制覇。2012年にはディ・マッテオ監督の後を受けてチェルシーの「暫定監督」に就任し、ライバルクラブにいた頃の経緯からサポーターに支持されない針のむしろながらもプレミアリーグで3位に食い込み、ヨーロッパリーグではクラブを初の優勝に導いています。プレミアリーグにおける経験と実績では、5本の指に入る存在。オーナーサイドと衝突したり、選手と揉めたりしなければ、戦術家として優秀なベニテスさんの評価はもっと上がっていたでしょう。

レアル・マドリード時代には、クリスティアーノ・ロナウドやセルヒオ・ラモスなど、7人の選手と不仲だと報じられました。クロップさんやラニエリさんのように選手を乗せ、信頼を伝えるのが上手ではなく、「コミュニケーションがなかった」「マスコミの前で名指しで批判するのはやめてほしい」といわれることもしばしば。プレミアリーグ19位と降格リーチのニューカッスルに足りないのが勝つための戦術であればうってつけですが、モチベーションや戦う姿勢であれば火に油となるかもしれません。ベニテス監督が期中に監督に就任するのは3回めですが、前回のチェルシーではプレミアリーグ初勝利は4戦め。指揮を執り始めて1ヵ月もしないうちに戦ったクラブワールドカップでは、本命と目されながら決勝でコリンチャンス相手に沈黙し、優勝できませんでした(なぜかこの大会には弱く、1勝2敗。過去15回で欧州が負けた3回のうち、2回はベニテスさんです)。パーデュー、シャーウッド、ポジェのような情熱家なら、すぐにチームに火をつけることができるかもしれませんが、ベニテスさんのようなタイプには、残り9試合は少なすぎるかもしれません。

「イングランドの伝説的なクラブで、プレミアリーグの残りの期間に横たわる大きな課題にコミットできることを喜んでいる。私やスタッフだけでなく、選手、クラブ、ファンにとっても挑戦だろう。全員が同じ方向に進み、心をひとつにして目標に向き合わなければならない。これこそが、私がタスクを完遂するためにトータルなサポートをお願いする理由だ」(ラファエル・ベニテス:ニューカッスル公式サイトより)

「legendary English club」とはやや大げさですが、メッセージからはベニテスさんの危機感が伝わってきます。アストン・ヴィラの最下位は確定的で、勝ち点33と9つ離されている16位スウォンジーには届きそうもない状況。プレミアリーグ上位の混戦とはうってかわって、今シーズンの残留争いは「ノリッジ、サンダーランド、ニューカッスルの3つのうち1つだけセーフ」とシンプルです。クルル、デュメ、オベルタンなど負傷者11人という厳しい状態ながらも、ミトロヴィッチ、ワイナルドゥム、シェルヴィ、セヴェ、アヨゼ・ペレス、タウンゼント、シソコ、ヤンマートが揃ったクラブが残るのではないかと思うのですが…。マクラーレン前監督は、夏も冬もクオリティの高い選手を獲得したにもかかわらず、公式戦31試合で7勝6分18敗では解任もやむをえません。

それにしても、「ベニテスとアラダイスのどちらかが降格となり、来季はタインウェアダービーがなくなる可能性大」という現状はせつないですね。3月20日のニューカッスルVSサンダーランドは、ぜひ放映していただきたいのですが、JSportsさん、いかがでしょうか。リヴァプールとトッテナムがディレイになるとすると申し訳ないのですが、この日ばかりはタインウェアダービーの直後にマンチェスターダービーという流れで、壮絶な椅子取りゲームを楽しめれば幸いです。どちらに残留してほしいか?いや、それが選べないのが、せつなさの根っこなのでありまして…。ウェズ・ブラウンはそろそろスパイクを脱ぐのかもしれませんが、デフォー、ハズリ、ラーション、オシェイは要らないなどとはとてもいえません。(ラファエル・ベニテス 写真著作者/Doha Stadium Plus Qatar)

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“ラファ・ベニテスがニューカッスル監督就任。アラダイスと戦うタインウェアダービーが観たい…!” への4件のフィードバック

  1. まーし より:

    監督決まりましたね!!モイーズかなと思ってましたが、ベニテスだとは驚きました!私も同意見で、残り試合、順位を考えると結果が出てくるのかはわかりませんが、残り試合どのようにチームを仕上げ勝ち点を稼いでいくか注目です。そして、ベニテスの戦術が浸透し結果が出てくると強いニューカッスルに戻りプレミアももっと面白くなるかもしれないので、そのことも含め、ベニテス率いるニューカッスルに私は期待してます!!

  2. nyonsuke より:

    更新お疲れ様です。

    ラファエル・ベニテス、おかえりなさいですね。
    いつかは戻ってくると思いながら、まさかニューカッスルとは思いませんでした。
    ですが、就任してしまえばなかなかお似合いかもしれません。
    しかし、管理人さんのおっしゃるようにすぐに結果を出せるか否かは現状のニューカッスルの問題が戦術かモチベーションかでしょう。
    レッズでうまくいかなくなった要因は明らかにオーナーとの衝突で、その後現存の選手をフォローすることなく獲得したい選手の名前ばかり挙げたことで、核となるシャビ・アロンソやマスチェラーノといった選手がいなくなってしまいました。
    もしジェラードとキャラガーがいなかったらリヴァプールはえらいことになっていましたね。
    しかし私にとってはイスタンブールの奇跡をみせてくれた監督でもあり、レッズ就任後はとても強いチームでジェラードとトーレスのホットラインによる競演は今でも忘れられません。
    インテル、ナポリ、レアルでの経験がニューカッスルでの手腕に活かされれば残留もできるのではないでしょうか。
    ここは現戦力を最大限に活かす戦術を浸透させることを第一として、ご自分の理想は来シーズンからとしていただければおもしろいと思います 笑
    できれば、降格しても指揮を継続するとかであれば男気を感じて選手もついてきそうなものですが…、やはりそういう契約にはなってないあたりベニテスらしいっちゃらしいですね。
    ぜひニューカッスルで成功を収めてほしいです。

  3. 新参 より:

    ニューカッスルは賭けに出ましたね。
    タウンゼントやドゥンビア、シェルビーらは皆どこかで問題を起こし、チームに加わった選手たち。我の強い選手をうまくコントロールできれば、ベニテスさんの評価も変わってくるでしょう。
    うまく残留できれば、リーグでもヨーロッパリーグ枠を争った上に、FA杯やカーリング杯らで大物喰い、ちゃっかりヨーロッパリーグに出場して、ベスト8とかしてくれそうなんで期待してます。

  4. what a hit より:

    おっとっと、レッズ戦がディレイになるのはご勘弁…っと思いましたが、ウチには最終兵器の吉田のマヤマヤがいるので(レッズちゃうやんのツッコミ待ち)、とりあえず安心しております。

    しかしレッズファンながらその2つの壮大な椅子取りゲームは是非観たいですね。
    僕としては異能の曲者ベニテスを招聘したニューカッスルに残留して欲しいです。
    クラブ経歴は凄まじいですが、本当に凄かったのはバレンシアとリバプールではないでしょうか。
    トップクラブよりもちょっと下のクラブ。
    こういうクラブを率いたベニテスが一番手強いのではないでしょうか。
    トップクラブではクセが強すぎて選手達が反旗を翻すけれど、トップの選手達よりは指示をしやすいチャレンジャーに位置する選手達をまとめ上げる。
    僕もベニテスは監督として大好きですが、プレミアのトップクラブにこの曲者を招聘するもの好きはいないと思ってましたが、ニューカッスル、良いクラブなのではないでしょうか。シェルビーをレッズに連れてきたのもベニテスだったような。
    来期からのプレミア監督達のメンツが半端じゃなくなりそうで面白いですね。
    来期の妄想ばかりしていると、試合から試合でお馴染みのシメオネに怒られそうなので、ベニテスには残留に向けて手腕を発揮して欲しいです。

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