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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

いよいよ最終節…欧州上位進出で63試合のリヴァプール、59試合のマン・シティに喝采を!

サッカー大好きリヴァプールは63試合、マンチェスター・シティは59試合。3月にキャピタルワンカップの決勝をPK戦まで戦い、チャンピオンズリーグとヨーロッパリーグでプレミアリーグ最後の砦となった両チームは、大量の負傷者を出しながらもここまでよく戦いました。ペジェグリーニ監督のチームは、チャンピオンズリーグの出場権を失うかもしれない状況で最終節を迎え、リヴァプールはヨーロッパリーグ出場権を自力で獲得できない順位に留まっており、プレミアリーグでは思うような戦績を残せなかったところも共通しています。それぞれ、印象的だった試合をひとつずつ挙げろといわれれば、リヴァプールは大逆転でベスト4進出を決めたヨーロッパリーグのドルトムント戦。マンチェスター・シティは、全員足してもプレミアリーグ出場わずか2試合の若手5人を起用して、5-1で無残に敗れたFAカップ5回戦のチェルシー戦です。

各ポジション2名ずつを基本としたスカッドで戦うペジェグリーニ監督が、スタンフォード・ブリッジのチェルシーという難しいゲームでここまで勝負を諦めた布陣で戦うのを初めて見ました。ナスリ、サバレタ、クリシー、デルフ、ダヴィド・シルヴァらをシーズンを通じて満足に使えず、デブライネやアグエロを欠いた時期もあった指揮官にとっては、本当に苦しい1年だったのだと思います。今季のプレミアリーグは、中堅クラブの戦力底上げが著しく、今までのようにメンバーを落として勝てる試合が激減しました。最終節を前に、今季の戦いを振り返ったペジェグリーニ監督の言葉は、負け惜しみでも泣き言でもなく、「冷静な本音」なのでしょう。

「(プレミアリーグ優勝を逃した)ひとつめの理由は、レスターが最高のチームだったことだ。ふたつめは、われわれの方が遥かに多くの試合を戦ったこと。そして3つめは、チャンピオンズリーグでセミファイナルまで勝ち上がったことだ。これ自体は望ましいことではあるものの、両方の戦いを意識することになり、プレミアリーグで4位以内をめざすのが難しくなる。今季のわれわれが、レスターよりも17~18試合ほど多く戦ったことは考慮すべきだろう。欧州で戦うビッグクラブは二重のチャレンジを強いられており、それもわれわれが首位に近づけなかった理由のひとつだと思う」(マヌエル・ペジェグリーニ)

チャンピオンズリーグ準決勝、対レアル・マドリードのセカンドレグは、勝ちたい気持ちが足りなかったのではないかと思わせる内容ではあったものの、スペインの強豪相手の2試合でディフレクションによる不運なゴールしか許さず、主将コンパニを失いながらも最後の1分までサポーターに夢を残したぎりぎりの敗戦でもありました。一方で、年明け以降、チャンピオンズリーグ直後のプレミアリーグで2勝1分3敗と停滞。開幕から5連勝とロケットスタートを決めた優勝候補の苦戦は、ウインターブレイクのないスケジュールで、欧州と国内を行き来するトップクラブが今後も苦しみ続けることを示しているのかもしれません。最下位でも年間100億円以上のテレビ放映権料を得られるようになったプレミアリーグは、急激に変化を遂げているのだと思います。

イングランドで3年を過ごしてきたペジェグリーニ監督にしてみれば、「あれだけの補強費を使ったのに、この成績はないだろう」「チャンピオンズリーグとプレミアリーグを両立させなければいけないのは、アタリマエじゃないか」などといった批判があるのは百も承知でしょう。それでも、すべての大会で勝ちにいくのは難しいと語った指揮官の声には、苦しい状況をくぐり抜けてきた当事者ならではの切実さが感じられました。あらためて、ペジェグリーニ監督には、「3年間、おつかれさまでした」といいたいと思います。

ユルゲン・クロップ監督にとっては、先日のチェルシー戦が、早くも就任後50試合めでした。チェルシー戦の試合前にこれまでの49戦について問われると、こちらもまた「厳しい戦いだった」と答えています。

「われわれは6位に入ることができる。クラブにしてみればこれまで最高の成功ではないけれど、リヴァプールに関心を持っているすべての人にとって、いい兆候を感じられるはずだよ。そして、われわれはそれをベースにして改善しなければならない。私は、できると確信している。 いいシーズンにするためには、多くの物事を完璧に進めなければならない。私は来シーズンを楽しみにしているんだ。プレシーズンからね。(10月に就任してから50試合めだといわれて) キツかったね。ただ、同時に楽しんできたよ。自分が思っていたよりも早く時が過ぎていった」(ユルゲン・クロップ)

プレミアリーグでは8位と、マンチェスター勢だけではなくウェストハムやサウサンプトンにも上にいかれましたが、若手の成長を促しながら、2つの大会でファイナル進出を果たしたのは収穫でした。リヴァプールの本丸はもちろんヨーロッパリーグ制覇&チャンピオンズリーグ出場権獲得ですが、最後の最後で7位以内に入ってヨーロッパリーグ出場権をキープできるでしょうか。オジョやスチュワートなど、若手が台頭してきている状況を考えれば、戦うステージが多いほうがチーム全体の成長を促進しやすいでしょう。とはいえ、休みなしで年間63試合も戦う環境まではいらないのかもしれませんが…。

心情的には、欧州を本気で勝ちにいった2人の監督のチームが、プレミアリーグ最終節でそれぞれCLとELの出場権を手に入れて終わってほしいと思っています。WBAと戦うリヴァプール、スウォンジーのマン・シティとも、敵地でのゲームではあるものの、ぜひここは勝ち点3をゲットしていただき、有終の美を…と結べればきれいなのですが、マンチェスター・ユナイテッドサポーターとしてはそうもいっておられず。スウォンジーのグイドリン監督が、ユーロ直前だからアシュリー・ウィリアムズやシグルズソン、ファビアンスキを休ませるといったとかいわないとか。てっきり、本気でTOP10フィニッシュを狙いにいってくれるとばかり思っていたのに、マジすか!?…すみません、取り乱してしまいましたが、本日のゲームは、ヨーロッパリーグ決勝を控えたクロップ監督が、来季の出場権が懸かった最後の試合まで若手シフトするのか、スウォンジーがどんなメンバーでホーム最終戦を戦うのかに注目したいと思います。いやー。

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“いよいよ最終節…欧州上位進出で63試合のリヴァプール、59試合のマン・シティに喝采を!” への2件のフィードバック

  1. Macki より:

    近年、プレミア勢のCL,ELで上位進出するチームが減りつつある中でシティ、リヴァプールの奮闘している姿はユナイテッドファンですが非常に尊敬しました。
    できることならリヴァプールにはEL制覇を成し遂げて欲しいです。

    —–
    更新ご苦労様です。
    今シーズンヨーロッパの舞台ではイングランド勢の結果を求められたシーズンだったと思います。
    シティのCLベスト4は立派だと思います。レアル戦はいけると思ったんですけどね、、、。あとはイングランド勢最後を飾るELファイナルのレッズを期待します。

  2. makoto より:

    yutoさん>
    ですね。敵前逃亡的な負け方も多かったので、なおさらそう思います。

    Mackiさん>
    ぜひ、勝ってほしいです。来季、CLで見たいので。

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