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「Our No.1 target」…エヴァートンの新監督に、ロナルド・クーマン就任決定!

「Blues Appoint Koeman」。エヴァートンの公式サイトが、サウサンプトンのロナルド・クーマン監督と、2019年までの3年契約を締結したことを発表しました。当初は「私はサウサンプトンの監督だ。契約が1年残っていることはみなさんも知っているだろう」と、噂を否定していたクーマン監督。夏のマーケットにおいては、ときどきご本人のコメントがアテにならないことがありますが、この話もまたそのひとつ。噂に火がついてから決まるまでに2週間もかからない「電撃移籍」でした。セインツの指揮官については、「BBC」「デイリー・メール」「デイリー・ミラー」「リヴァプール・エコー」といったイギリスメディアがこぞって「エヴァートンと交渉中。すぐにでも決まりそう」と伝えており、この結果自体に驚きはありませんが、プレミアリーグ6位に食い込みEL出場権を獲得したクラブから、11位で無冠のクラブへの転身には、ちょっとしたモヤモヤ感が伴います。

サポーターの強力な支持があり、居心地は悪くなかったはずのセインツを離れ、北の名門に移る決断をしたクーマン監督の心を動かしたのは何だったのでしょうか。歴史と伝統か、停滞するクラブを立て直すという新たなチャレンジへの魅力か、年間700万ポンド(約10億5000万円)といわれる高額のサラリーか。少なくとも、エヴァートンからの熱烈なラブコールが、決め手のひとつとなったのは間違いありません。選手としても監督としても、アヤックス、PSVアイントホーフェン、フェイエノールトのオランダTOP3で過ごした経験がある唯一の人物について、エヴァートンのビル・ケンライト会長は「our No.1 target」と表現しています。バレンシアではうまくいかなかったものの、ベンフィカ、フィテッセ、AZなど強豪から中堅まで幅広い指導歴があり、セインツにおいては2年連続で主力をトップクラブに抜かれながらもプレミアリーグ7位、6位と着実に強化してきた監督を、エヴァートンが最も適任とするのは理解できます。

アヤックスで4シーズンを過ごしたのが最長の監督にとっては、ロメウ・ルカクやジョン・ストーンズがクラブを離れる可能性があり、最終ラインの高齢化が進んだクラブを抜本的に改革するプロジェクトが、より魅力的だったのでしょうか。選手の補強については、エヴァートンのほうが多くの選択肢があるのは確かです。クラブの格、自分に対する評価、ミッションに対するやりがい、自由度の高い環境…クーマン監督にとってはこれらすべてが理由であり、自ら勝ち取ったヨーロッパリーグ出場や2年で培った周囲との信頼関係は、「残る理由」にはなりえなかったのかもしれません。公式サイトには、新しい仕事が始まるのを心待ちにしている指揮官のコメントが紹介されています。

Everton is a club with a great history and real ambition and it is a proud feeling for me to be part of what we want to go and do, together with the Chairman and Farhad Moshiri.I am looking forward to meeting everyone at the Club and to preparing for a big season in the Premier League.(エヴァートンは、偉大な歴史と現実的な野心を兼ね揃えたクラブで、私はその一員として、会長やファハド・モリシ氏と一緒に目標に向かって歩めることを誇らしく感じています。クラブでみなさんと顔を合わせ、プレミアリーグのビッグシーズンに向けて準備を進めるのが今から楽しみです)」

2016-17シーズン、クーマン監督のセインツがヨーロッパリーグでどこまでやれるのかを観たかった者としては、残念な気持ちを鎮めるための時間が少々必要です。しかしこのうえは、不本意な成績に終わりロベルト・マルティネス監督が解任となったエヴァートンをクーマン新監督がどう立て直すのか、その手綱さばきに注目したいと思います。そしてもうひとつの興味は、セインツの新指揮官です。マンチェスター・シティを追われたマヌエル・ペジェグリーニ監督か、あるいは…。昨季後半は攻め勝ってきたチームなので、ミカエル・ラウドルップ監督など、おもしろいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。来季はいよいよプレミアリーグ4位以内が目標となる魅力的なクラブの人選と交渉には、さほど時間はかからないでしょう。こちらも、興味津々です。

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“「Our No.1 target」…エヴァートンの新監督に、ロナルド・クーマン就任決定!” への2件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    クーマンセインツのELでのゲーム観たかったですね。残念な気もしますが、エヴァートンが非常に魅力的なオファーしたのでしょうかね、、、。クラブの建て直しはセインツ時代に実証しているので、来シーズンどこまでチームを引き上げるか見ものでありますが、エヴァートンとセインツ両チームとも選手の引き抜きがあるでしょうから補強後の布陣が楽しみですね。今のプレミアは資金は豊富ですからエヴァートンの補強はアッと言わせるかもですね。

  2. makoto より:

    Mackiさん>
    エヴァートンは、主力に離脱の噂があり、最終ラインが老朽化しているので立て直しは大変そうですね。来季のセインツに期待していたので半分残念、半分期待です。

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