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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

そこまでいっちゃいます!?プレミアリーグの監督たちの「ライバルリスペクト」発言集!

2年ほど前までは、プレミアリーグの名物のひとつに「監督の舌戦」がありましたが、ヴェンゲル監督が挑発に乗らなくなり、モウリーニョ監督はひと頃の元気を失い、最近はずいぶん雰囲気が変わりました。ジョーク大好きクラウディオ・ラニエリ、とにかく明るいユルゲン・クロップ、情熱的なアントニオ・コンテ、スマートなペップとポジティブ系キャラが一気に増え、彼らはマスコミが水を向けてもあっさり受け流します。ベニテス監督のニューカッスルがプレミアリーグ復帰を果たせば、若干空気は変わるかもしれませんが、今後はよほど大きなトラブルでも起こらない限り、彼らの応酬がタブロイド紙を賑わすことはなくなりそうです。

急激な空気の変化には、もの足りなさもありましたが、慣れればこれはこれで悪くありません。むしろ最近目立つのは、指揮官がライバルのクラブや選手をリスペクトする発言です。エヴァートンのクーマン監督にはびっくりしました。

「エヴァートンの監督が発言することではないのかもしれないが…。プレミアリーグ優勝の本命について語るのは時期尚早だが、リヴァプールに感銘を受けた。彼らはとてもいいサッカーをしており、トップレベルだ。多くのゴールを決めているのは、成功するチームすべてに必要なことだと思う。彼らには優勝するチャンスがある。唯一の優勝候補ではないけどね」(ロナルド・クーマン)

このコメントの後、直近のプレミアリーグで5-0で惨敗したチェルシーについても強いと語っているのですが、ご本人も認めているとおり、ガチンコのライバルをわざわざ名指ししての最上級のリスペクトです。サポーターの気持ちを考えると、ドキドキします。吉田麻也のバックパスミスやマネの遅刻を真っ向から咎めるなど、元より率直な方なのですが、いさぎよすぎる発言にはこちらが感銘を受けました。率直といえば、この方も健在です。オトナの安定感を醸し出しているクーマン監督と比べると、天然度は抜群に上です。

「最も好きなスタジアムは、アンフィールドだ。最大のファン・ベースがあり、常に熱い声援が飛び交うアンフィールドには、特別なバイブを感じる。You’ll Never Walk alone、クラブの歴史、そして、スタジアムそのものが素晴らしい。…ハイバリーはよかった。魂があった。試合を取り巻く環境は、30年前と変わらない」(アーセン・ヴェンゲル)

「BeinSport」の質問に答えた御大は、昨季の終盤、エミレーツに退陣を要求する弾幕やプラカードが掲げられたときも、「われわれにはサポートが必要なんだ。彼らのフラストレーションはわかるが、一緒に戦わないといけない。リヴァプールのサポーターが、いい雰囲気を作り出しているようにね」とコメントしてらっしゃいました。アンフィールドが好きなのはわかりますが、エミレーツについてはどうお考えなのでしょうか。レッズサポーターに対する称賛よりも、ハイバリー云々のほうが気になります。

そして「ライバル礼賛指揮官」の3人めは、選手に対しての愛情がハンパないと評判のクロップ監督です。こちらは、リスペクトというよりフォローですが、最近タブロイド紙をヒートアップさせているあの事件について、ダービーを戦う相手のキャプテンを擁護する発言をしています。

「私は、選手たちに同情する。彼らも人間だからね。われわれが尊敬するレジェンドたちは、悪魔のように酒を飲み、狂ったようにタバコを吸っていたが、素晴らしい選手だったのは間違いない。今は誰もやらなくなったけどね。…この話は、そんなに目くじらを立てることじゃない」(ユルゲン・クロップ)

いや、ありがとうございます。日頃から「マスコミは大騒ぎした後、すぐ忘れる」と嘆いているクロップさんは、ウェイン・ルーニーが泥酔したなどという他人事は、てっきりスルーするのかと思っていました。彼の人に対する接し方やサッカーに対する情熱には、選手たちからのあまりにも熱い称賛が集まっており、チームの雰囲気のよさはレッズの好調要因のひとつだと思います。余談ではありますが、主力選手の声を紹介しましょう。

「クロップは、すべての人に深い敬意を払い、良好な関係を築いている。どこへ行ってもみんなから好かれている」(ロベルト・フィルミーノ)
「クロップ以上の先生はいない」(ジョーダン・ヘンダーソン)
「これまで多くの監督と出会ってきたけど、クロップと過ごすシーズンは別物だ」(ルーカス・レイヴァ)

話を戻しましょう。どの監督も、熱くて率直でいいですね。そろそろ、ラニエリ監督やモウリーニョ監督にも名文句を飛ばしていただきたいところです。ああ、モウリーニョ監督は、アーセナル戦の前のプレスカンファレンスで「ヴェンゲル監督が尊敬を集めているが、結果を出していなくてもリスペクトされるべきだろうか」とおっしゃっていたのは聞きましたが、できればポジティブ方面、あるいはおもしろ系でお願いできますでしょうか。「今のマンチェスター・ユナイテッドは、ミルクが必要な仔馬だ」的な…。

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“そこまでいっちゃいます!?プレミアリーグの監督たちの「ライバルリスペクト」発言集!” への3件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    なんだか皆さんリスペクトしまくりで、いささか変な気分になってしまいますね。プレミアの面白さは監督間の舌戦や揺さぶりだと思うのですが、急先鋒であったモウがここ最近元気がないのと、ヴェンゲルのスルーやラファがいないなどもあるかもしれませんが、、、。

  2. NA28 より:

    舌戦もはたから見れば面白いんですが、応援してるチームが関わってしまうとあまりいい気分がしないことも多いので、この状況に落ち着きを感じています笑

  3. makoto より:

    更新お疲れ様です。

    私も舌戦ばかりではちょっと落ち着かなく、クロップやペップの参入を待ち望んでいましたが、モウを筆頭にヒール組がこんなにおとなしくなってしまうとは思いませんでした 笑。
    それにしてもクーマンの発言には驚きです。
    もっともフレンドリーなライバル関係ではあるもののエヴァトニアンとしてはどうなのでしょうか・・・?
    誉め殺しの末の自滅を期待されているのでしょうかね 笑。

    —–
    Mackiさん>
    大陸から別なカルチャーが押し寄せてきた感じですね。モウリーニョさんの元気のなさは、とても気になります。

    NA28さん>
    私もそっち派です。サポーターの代理戦争は、見ていてあまり気分のいいものではないので。「自チームには一喜一憂、ライバルクラブの素晴らしいサッカーはすべからくリスペクト」が基本姿勢です。

    nyonsukeさん>
    クーマンさんには、私もびっくりしました。スペインでは苦労されてましたが、プレミアリーグに来てからはキャラが変わりましたね。あのピュアな雰囲気で、実はほめ殺しだったら天晴れです。

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