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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

英語勉強中のアッレグリ招聘か?ヴェンゲル留任か?正反対のアーセナル来季監督報道!

現在、私が最も注目しているプレミアリーグのクラブは、サンダーランドに本拠地セルハースト・パークで0-4と惨敗し、ドバイ旅行をキャンセルしたクリスタル・パレスです。ファン・アーンホルト、サコ、シュルップと中盤より後ろに特化した冬の補強は的確で、ベンテケ、ザハ、キャバイェ、ロイク・レミー、タウンゼントが揃ったチームがこのまま終わったら、レスター降格に負けない大事件。アラダイス監督なら、いずれ上がってくるだろうとみているのですが、それはさておき。2番めに気になっているのがアーセナルで、注目ポイントは「アーセン・ヴェンゲル監督の去就」なのであります。

1週間前に「エクスプレス」が、ユヴェントスのマッシミリアーノ・アッレグリさんと契約交渉を始めたと伝える一方で、週末の「サンデー・タイムズ」はクラブが2年契約をオファーしたと報道。ガナーズOBのマーティン・キーオンさんが、延長の見通しと太鼓判を押しています。正反対の記事が立て続けに出る状況のなか、グーナーのみなさんも、クラブの未来にさまざまな思いを巡らせていることでしょう。

チェルシーに敗れてプレミアリーグ制覇が厳しくなった今、「アーセナルにおける自分の将来は、もうじき決まるだろう」と語っていた名将の心は、再チャレンジに向かっているのか、幕引きをイメージし始めているのか。現在、67歳。サー・アレックス・ファーガソンが引退した歳まで、まだ4年あります。2003-04シーズン以降、プレミアリーグを制覇していない監督を見切るべきとするサポーターもいれば、プレミアリーグで常時4位以内をキープし、直近3シーズンでFAカップを2度制した実績を評価すべしという意見もあります。OBのウィリアム・ギャラス氏は前者で、クラブは大きな決断をするべきだと「トークスポーツ」にコメントしています。

「今シーズンが終わったとき、大きな変化があると思う。素晴らしい仕事をしてきた彼の功績を忘れてはいけないが、シーズン終盤にヴェンゲル監督とクラブは話し合い、現状の打開策を得ることになるだろう」「アーセンは2004年から優勝していない。フットボールとは勝利であり、選手はトロフィーを望んでいる。クラブは再び優勝しなければならない」(ウィリアム・ギャラス)

チェルシーが崩れ、マンチェスター勢も停滞するなど千載一遇のチャンスだった2015-16シーズンを2月末からの連敗で逃し、新監督が多く熟成度には一日の長があった今季プレミアリーグも2位以下に甘んじるとなると、昨春のエミレーツで「Time For Change」と書かれたプラカードを掲げていたグーナーは黙っていないでしょう。名古屋グランパス時代からのヴェンゲルファンである私としては、辞任や引退の報を聞けば、仕事をほったらかして24時間号泣です(多少盛ってます)。アーセナルを美しいチームに仕上げた名将には、もう一度プレミアリーグを勝つか、欧州を制して「勇退」していただきたいと切に願っています。ただし、プレミアリーグファンという客観的な帽子をかぶれば、「アッレグリ監督を招聘できるなら、Time For Change」だと思います。アーセナルのテーマは「ヴェンゲル監督がいつ辞めるか」ではなく、「次の監督をいつ、誰にするか」だと考えているからです。

イタリア人ジャーナリストのザッザローニさんが、「アッレグリは、プレミアリーグ進出へ向けて1年半前から英語を学んでいる。今年がユヴェントスでの最後の年になるはずだ」と語り、ご本人も英語の勉強を認めたと「Goal.com」が報じたのは、1月初旬。アーセナルへ行くためではないとはいっていたものの、プレミアリーグのトップクラブで指揮を執りたければ、意図的に狙えるシートはひとつしかありません。何らかの話があるのは、間違いないでしょう。問題は、ヴェンゲルさんの意向と、それを受けたクラブのジャッジです。ACミランを混乱させた3年前ならいざしらず、アントニオ・コンテに負けず劣らずユヴェントスを強くしてからの英国殴り込みは、アッレグリさんにとってもアーセナルにとってもベストタイミングではないでしょうか。今季のユーヴェはセリエAで18勝4敗。チャンピオンズリーグで無敗、セリエAのホームゲームでも未だ負けておらず、8試合を1点差で勝っている勝負強い監督が来れば、アーセナルはマンチェスター・ユナイテッドと同じ道を歩かずに、変われるのではないかと思います。

アッレグリ監督で、ヴェンゲルさんは経営陣の一員として若手発掘、ビッグネーム獲得、育成システム整備などを管掌するのが、ベストな未来と考える次第ですが、いかがでしょうか。アレクシス・サンチェスは、高いサラリーとチーム強化への期待感があれば、おそらくOK。メスト・エジルも、ヴェンゲルさんがクラブに残るのであれば、新しい契約書にサインしてくれるのではないでしょうか。監督交代を決断する際は、くれぐれもシーズン中の発表だけはやめてください。昨季のペジェグリーニ監督とマンチェスター・シティが味わった混乱をヴェンゲル監督と選手たちに強いれば、1995-96シーズン以来の5位以下必至です。(アーセン・ヴェンゲル 写真著作者/Biser Todorov)

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“英語勉強中のアッレグリ招聘か?ヴェンゲル留任か?正反対のアーセナル来季監督報道!” への6件のフィードバック

  1. 新参 より:

    10-11シーズンから本格的にアーセナルファンとなった自分は、戦力が整っていなくとも、連携して相手を崩していくスタイルに魅せられました。それだけに、セントラルこそ戦力を欠いていたものの、ほぼフルメンバーで連携なく敗れてしまったチェルシー戦はショッキングでした。

    ベンゲル監督の率いるアーセナルがずっと好きでしたし、この名将がチームを瓦解させて退任などという最後を迎えて欲しくはありません。今期は、プレミア制覇は不可能ですが、CL・FAは残っています。ぜひともトロフィーを掲げて欲しいです。

    監督交代は主さんと同じようなことを考えておりました。ベンゲル監督にはボードメンバーに入っていただき、現場とフロントの架け橋となっていただきたいです。

  2. スパーズ推し より:

    3年前、アッレグリはミランを混乱させた訳ではありません
    混乱させたのはベルルスコーニファミリーやガリアーニです
    フロントが煩く口出しして来る上、シウバやイブラも抜けて過渡期にあったチームに、まともな補強費用も出してくれず、
    戦力的にはもはやプロビンチャと化していた難破船で、それでも出来る限りの仕事を彼はしていたと僕は思います
    今でも僕は、あの時点でセードルフを呼んで来るような暴挙が無ければミランはここまでの迷走をしなかったと信じています

    アッレグリは好きな監督の一人なので、熱く語ってしまいました(笑)
    彼のチームに守備戦術を浸透させる能力、現有戦力と相手のフォーメーションから最適なメンバーの解を導く能力は世界でも5本の指に入ると思います

    ヴェンゲルは素晴らしい監督だと思いますが、ついぞこの長期政権で守備戦術を確立することが出来ていません
    ヴェンゲルの築いたパスで崩すフットボールの基礎にアッレグリの戦術力が上手く重なり、
    フロントがまともな補強費用をアッレグリに渡してくれさえすれば、ガナーズがCLでトップ4に登ることも夢ではないと思います

    もっとも本当にプレミアに来てくれるかは話が別ですけどね(笑)

  3. D より:

    新参さん>
    プレミアリーグもさることながら、CLでいい結果を残せるといいですね。ヴェンゲルさんは経営にも首を突っ込んでいるので、うまく監督とリレーションをとりながらクラブをいい方向に導いてくれるといいと思います。それがいつになるかは、別として。

    スパーズ推しさん>
    ミランを主語にして、「混乱の元はアッレグリさん」といったわけではありません。インザーギさんとの確執があり、極度の不振に陥って指揮官の座を追われたあの頃は、呼びづらかったかもしれないというぐらいのニュアンスです。元より素晴らしい監督だと思ってます。「彼が呼べるなら、好きなヴェンゲルさん勇退もあり!?」というぐらいに。

    —–
    初コメですが2年半程前から記事を読むのを通勤時の楽しみにさせて頂いてます。

    2002年のW杯で周りが沸いていたのをきっかけに海外サッカーに興味を持って翌年にはアンリとベルカンプの虜になった程度のファン歴の浅い私にはアーセナル=ヴェンゲル監督のチームという感覚があり、アーセナルを応援する事はヴェンゲル監督を応援する事でもあるので監督が変わったら別のチームに感じてしまいそうです。

    守備に高いメンタリティのあるチームや攻撃的なチーム、育成に力を注いだりスター選手を揃えたり若手発掘好き等、特色は様々ですが選手が変わっても一貫性を強く感じるクラブにはたとえライバルでも愛着を持ってしまいます。
    アーセナルのクラブの色はある意味アーセン・ヴェンゲルだと思います。
    そうまで思える様な長期政権を築く人は今はもう本当居ないですけどそういうチームもあった方が個人的には面白いです。
    新しい監督がチームを生まれ変わらせるのも凄く楽しませて貰えますが、代わったらファーガソンさんのとき同様寂しくなるなぁ。
    理想ですがいつかはその時が来るとしても最後に大きな結果を残して勇退となって欲しい。。

  4. ヤンガナ大好き! より:

    自分もマコトさんと同じように名古屋グランパス時代のヴェンゲルさんから追いかけ続けているので、アーセナル=アーセン・ヴェンゲルさんのチームという図式が染み付いてしまっています。ですので今シーズン、チームが例え優勝を逃したとしても、アーセナルをこれからもずっと応援し続けると思います。

    ただ、冷静にチームを俯瞰して見ると、例えるなら社長が20年以上指揮をとり続けけているワンマン企業が今のガナーズなのかなと思います。オーナーも口を出しづらいほど社長がチームの裏の裏まで知りつくしている会社の後継者を考えるなら、社長自らが次の後継者を決める以外に、変化の選択肢はないのではないでしょうか。その答えは春に出ると思っていますが、本当に難しい選択ですね。

    自分は後継者としてドイツ代表監督のレーブさん押しですが、知将アレッグリさんなら文句無いですね。フットボールの場合、後継者と成りうる人へバトンタッチできるタイミングは本当に限られているので、今シーズン限りで勇退ならアレッグリさん、2年延長するならレーブさんに引き継いで欲しいです。

    その際、ボスにはGMのポジションで残ってもらい、チーム編成や若手の育成に是非とも力を注いで欲しいです。今後、アーセンのDNAを残しつつチームが進化していく事を1グーナーとして強く念じています。例え栄冠を手にせず勇退したとしても、ボスが築きあげた栄光や苦難の時代も含め、ガナーズのプレミアにおける歴史は、絶対に色あせる事はないと確信しています!

  5. ガナユ より:

    エジルはヴェンゲルの去就次第だと明言してますが、仮に勇退したとしてエジル、ファンが納得する後釜は世界に一握りですね。

    ヴェンゲルではプレミア、CLは厳しいかもしれませんがそれでも私はヴェンゲルが監督である限り応援します。レスターの優勝の確率よりは高いはずなので(笑)

  6. makoto より:

    Dさん>
    ありがとうございます。同感です。アーセナルの人気は、ヴェンゲルさんの美しさやいさぎよさに対する人気でもあったのだろうなと思います。私としては、タイトル獲って、続けていただきたいです。

    ヤンガナ大好き! さん>
    ほぼ同じ考えですが、マンチェスター・ユナイテッドは社長が同郷の後輩に託してうまくいかなかったんですよね…(第一、第二候補ではなかったとはいえ)。社長の意見を経営ボードで揉んで…という作業は重要な気がします。

    ガナユさん>
    ヴェンゲルさんがクラブに残ってエジルを口説けば、いけるのんじゃないですかね。絶対残したいですよね。彼は、これからがピークだと思います。

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