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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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自分を語るモウリーニョ、選手を見つめるペップ。2人の名将の最新語録。

「リスペクト、リスペクト、リスペクト!」。オールド・トラフォードで開催されたプレミアリーグ3節のトッテナム戦で、0-3完敗を喫したモウリーニョ監督は、他の19人の数字を全部足してもプレミアリーグ優勝の回数は自分に及ばないと主張。リスペクトと6回連呼し、プレスルームから去っていきました。マスコミと指揮官は、4日前の終わり方が不完全燃焼だったのか、金曜日に行われたバーンリー戦直前のプレスカンファレンスでも同じような話を継続。かつて「スペシャル・ワン」と自らを称していた指揮官は、これまでの足跡について滔々と語り続けました。

「私は、最も偉大なクラブのマネージャーだが、最も偉大なマネージャーのひとりでもある」。マンチェスター・ユナイテッドでプレミアリーグを勝てなくても、同じように主張するのかという意地悪な質問が飛ぶと、「もちろん」と答えた後、こう問い返しています。「君は昨シーズンのプレミアリーグで3位に終わったマネージャーにもその質問をするのか?4位のマネージャーは?5位は?」。ユルゲン・クロップやマウリシオ・ポチェッティーノよりも多くの実績を残しているじゃないか、フェアに比較されているのか…1勝2敗と出遅れたマン・ユナイテッドの指揮官が、精神的にも追い込まれているのが伝わってくるやりとりでした。

「昨季は大きな成功を収めた。君たちは認めないだろうけど…。自分のことは自分自身で分析している。私にとっては、諸君の考えよりも自分がどう考えるかのほうが重要だ」
「2シーズン前にはヨーロッパリーグを制した。昨季のアトレティコ・マドリードを素晴らしいと思っただろう。チャンピオンズリーグでノックアウトされた後、ヨーロッパリーグで勝ったからね。われわれは、欧州のコンペティションで勝った最後のチームだ」
「私は8つのタイトルを獲った。イタリア、スペイン、イングランドを制した唯一のマネージャーだ。小さなタイトルでも小さな国でもない。昨季の2位は、私にとって素晴らしい結果のひとつだね」

哲学書を読んだか、かのヘーゲルは”真実は全体を捉えたなかにある”といっていると記者を諭した指揮官は、「君たちには反論する権利がある。私にとってはどうでもいいことだけど」といって会見場を後にしました。

「何度もいうけど、私はジャッジする立場にはない」。モウリーニョ監督の最近の発言について、意見を求められたペップ・グアルディオラはこう切り出しました。「もちろん、自分たちが獲ったタイトルについては別だ。いいワークがあってこそ、タイトルを勝ち取れるのだから」。モウリーニョ監督のクオリティには疑いの余地がないと前置きしたプレミアリーグ優勝監督は、指揮官の力は過去のタイトルだけでは語れないと強調しています。

「多くの優秀なマネージャーがタイトルを手にしていない。タイトルを獲得するには特別な何かがなければならないからだけど、一方でこうもいえる。勝つために必要なのは、優秀なマネージャーばかりではない。支えてくれる素晴らしいクラブと選手たちが必要なのだ、と。多くの場合、マネージャーはそれらをコントロールできない。タイトルを獲っていないからといって、彼らが優秀ではないということにはならないだろう」

私たちは常に結果で判断されると付け加えたペップは、「監督について最もよく知り、ジャッジを下せるのは選手だ」ともいっています。「監督としての姿勢を正確に把握しているのは選手たちだ。彼らはファンやメディアよりも多くの情報を持っている。普段、選手たちに対してわれわれはさまざまな判断を下しているけど、同時に彼らもわれわれが何者であるかわかっている。プレイできればいい監督だし、そうでなければよくない監督というシンプルな話でもあるかもね」。今、モウリーニョ監督からは、選手たちはどう映っているのでしょうか。最近の彼の発言について、「スカイスポーツ」で苦言を呈したスティーブ・マクマホン氏の言葉が、どうしても気になります。

Every conversation in the last 10 days has been ‘me, me, me’ and that’s the first sign of insecurity and the pressure that he has from the new type of managers like Klopp and Guardiola and Mauricio Pochettino. He can’t stand the heat.(この10日間は、すべての会話が”私、私、私”だ。これは、クロップやグアルディオラ、マウリシオ・ポチェッティーノからのプレッシャーや不安に苛まれている最初の兆候だろう。彼はその熱に耐えられないのだ)」

ヨーロッパリーグで優勝し、クラブを落ち着かせた初年度の業績をリスペクトしながら、その後の振る舞いに疑問を感じているマクマホン氏は、メディア対応についても改善すべきといっています。「トップマネージャーなら、成功したのかどうかを評価するのは他人にまかせるべき。”失礼ながら、それを語るのはあなたじゃない。あなたが話すのは、試合のことや、マンチェスター・ユナイテッドをどうよくするかだ”と誰かがいってあげたほうがいい」。…そうですね。今、大事なのは、日曜日のバーンリー戦です。過去の成果をプレゼンする指揮官よりも、「試合に集中している。彼らを信じている」と語るボスのほうが、選手たちの気持ちを盛り上げることができるでしょう。勝てば、変わるでしょうか。それとも…。

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“自分を語るモウリーニョ、選手を見つめるペップ。2人の名将の最新語録。” への1件のコメント

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    過去の実績ももっとも偉大な監督なのも事実で、一昨年、去年の成績もまあまあ良い
    直近の二試合が最低な結果だったからといって彼へのメディアの評価は正当なものだろうか
    メディアはもっと自分をリスペクトするべきという主張はごく真っ当なものだと思う
    でも「過去の実績を持ち出して見苦しくリスペクトを求めるモウリーニョ」と印象的に報じるだけでその正当性も名誉もすべてブチ壊されるんだから無敵のメディアには逆らうべきじゃない

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