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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

プレミアリーグ2018-19シーズン総括 (2)監督ランキング

マンチェスター・シティのプレミアリーグ連覇&史上初の国内トレブル達成で幕を閉じた2018-19シーズン。リーグ監督協会(LMA)が選出した最優秀マネージャーは、ペップ・グアルディオラでした。優勝監督以外で候補に挙がっていたのは、プレミアリーグをわずか1敗で終えたリヴァプールのユルゲン・クロップ、ウルヴスをトップ7に引き上げたヌーノ・エスピーリト・サント、4シーズン連続のCL出場権獲得を成し遂げたスパーズのマウリシオ・ポチェッティーノ。今季の監督を素晴らしかった順に並べるなら、彼らをTOP4とすることに異論をはさむ方は少ないのではないでしょうか。

4人の共通項は、持てる戦力を活かしきったこと。1年前に前人未到の勝ち点100を達成したペップについては、今季の采配をより評価しています。シーズンの半分はケヴィン・デブライネを欠きながら、レッズを上回る98ポイントとは…!最終盤のプレミアリーグ14連勝は圧巻でしたが、苦しみながらも勝ち切った5つの1-0が光ります。2年連続で長期離脱となったバンジャマン・メンディの穴はジンチェンコでフォローし、ガブリエウ・ジェズスの不振はスターリングの戦術理解度を高めて乗り切りました。補強ゼロのスパーズが話題になったシーズンですが、新戦力はマフレズひとりだったペップも素晴らしいチームづくりを見せてくれました。

最後方にアリソンを据え、プレミアリーグNo.1の堅守を築き上げたクロップ監督も、ペップに負けず劣らず見事なマネジメントでした。昨季のロバートソンと同様に、ファビーニョはゆっくりフィットで戦力化。ジョー・ゴメスを失いながら、CBもうまくやりくりしました。惜しむらくは、後半戦でシャキリのパフォーマンスが落ちてしまったこと。3月のマージーサイドダービーで、0-0の終盤にピッチに送り出したのがシャキリでもナビ・ケイタでもなくララナだったのが、彼らの限界に見えました。スコアレスドローで2位に転落したレッズは、マン・シティをかわすことなくシーズンを終えることになりました。

【プレミアリーグ2018-19シーズン・偏愛的監督ランキング】
1位/ペップ・グアルディオラ(マンチェスター・シティ)
2位/ユルゲン・クロップ(リヴァプール)
3位/ヌーノ・エスピーリト・サント(ウルヴス)
4位/マウリシオ・ポチェッティーノ(トッテナム)
5位/ハビ・ガルシア(ワトフォード)
6位/マウリツィオ・サッリ(チェルシー)
7位/ブレンダン・ロジャース(レスター)
8位/ラルフ・ハーゼンヒュットル(サウサンプトン)
9位/ウナイ・エメリ(アーセナル)
10位/ラファエル・ベニテス(ニューカッスル)

30試合以上先発した選手が9人。レギュラー固定で戦った「ポルトガル・コネクション」のウルヴスは、ビッグ6相手に4勝4分4敗と互角に渡り合う大健闘。FAカップでもリヴァプールとマン・ユナイテッドを倒してベスト4に進出しており、昇格クラブとは思えない戦績でヨーロッパリーグ出場権を獲得しました。ジョッタ、ルベン・ネヴェス、デンドンケル、アダマ・トラオレ、モルガン・ギブス=ホワイトといった若い選手たちがさらなる成長を遂げれば、2019-20シーズンも上位を困らせる存在になりそうです。速攻とサイドアタック主体のフットボールは適材適所で一貫性があり、後半戦はホームで1敗と安定感は抜群でした。

ポチェッティーノ監督もまた、負傷者に悩まされた指揮官のひとりでした。先発が30試合を超えたのは、ロリス、アルデルヴァイレルト、エリクセンのみ。中盤は野戦病院状態で、ハリー・ウィンクスとシソコでしばらくは耐えていたのですが、8番がいなくなった最終盤は別なチームになってしまいました。ハリーといえば、ケインの負傷も痛かったのですが、ウィンクスの不在のほうが影響は大きかったと思います。とはいえ、補強ゼロで2月まで優勝争いに食い込んだのは、指揮官のやりくり術のなせる業。ジョレンテをうまく活用して勝ち抜いたCLのマン・シティ戦、アヤックス戦の采配は最高でした。4位フィニッシュ&CLファイナリストという戦績には、レヴィ会長も大満足でしょう。

最後は力尽きたものの、ウルヴスとともにリーグを盛り上げたワトフォードもいいチームでした。ドゥクレ、カプェ、ロベルト・ペレイラ、ウィル・ヒューズと中盤の軸を明確にしたハビ・グラシア監督の手綱さばきが健闘の要因でしょう。就任以降5勝2分3敗とレスターを立て直し、アーセナル、マン・シティ、チェルシーに引けを取らなかったブレンダン・ロジャースもリスペクトしたいマネージャーです。14節まで1勝で降格ゾーンにいたセインツを預かり、8勝6分10敗まで戻したハーゼンヒュットルも成功した後任監督。レドモンドをゴールに近い位置でプレーさせ、ウォード=プラウズの攻撃センスを引き出したのが、オーストリア人指揮官の手柄です。

5位に終わったエメリ監督は、最後に崩れなければもっと上に置きたくなったはずです。エジルやルーカス・トレイラなど中盤の選手のポテンシャルを活かしきれなかったことと、最終ラインのレベルを上げられなかったのがマイナス評価ですが、好みの選手を増やして戦える新シーズンに期待しましょう。ニューカッスルを率いたベニテス監督は、失点48という堅い守備を評価したいのですが、最初の10試合未勝利がとにかく残念でした。続投となれば、次のシーズンはTOP10フィニッシュが狙えるチームになると思われます。

個性派揃いのプレミアリーグに、来季はフランク・ランパードが加わるかもしれません。エメリとスールシャールは楽しみな2年め、ロジャースやベニテスがロケットスタートを決めてくれたら、いきなり混戦模様となりそうです。スパーズとブルーズは、新しい監督を招聘することになるのでしょうか。来季の陣容が何かと気になりますが、その前にチャンピオンズリーグとヨーロッパリーグでしたね。2週間以上のインターバルは、さすがに長すぎます…。

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“プレミアリーグ2018-19シーズン総括 (2)監督ランキング” への4件のフィードバック

  1. ペップの街 より:

    シティ、レッズの両監督と同等か、それ以上に評価したいのがポチェッティーノです。補強ゼロで、しかもシーズンの殆どを借りもののスタジアムで戦ってこの成績は凄いです。
    勿論選手の頑張りがあってこそですが、よくぞモチベーションを維持したと思います。
    レアルを率いるべきは彼ではないでしょうか。

  2. タムコップ より:

    ウルヴズのヌーノは、上位対決の成績も含めて光りますねー。
    確か今シーズン19人の選手だけでやり繰りしたということでしたが、補強を上手く進めることが出来れば来季は大物食いだけでなく、より怖い存在になりそうです。要注意!

  3. プレミアリーグ大好き! より:

    補強無し、W杯出場による選手の疲労、怪我人多数、おまけに終盤までホームなしと酷い状況ではありましたがリーグ4位でCL決勝進出とポチェは来季に繋がる結果を得ていると思います。
    彼が去るとは思えませんので、最近の退団話はレヴィ会長から資金を引き出すための方便と信じたいです…笑

  4. シティふぁん より:

    いつも通り結局はビッグ6が上位を占めると思いますね

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