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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

久しぶりの挑発モード!ジョゼ・モウリーニョが愛される理由、嫌われる理由

プレミアリーグ復帰で変わったのかな…と思いきや、やはり生来のバトル好きはなかなか改まらないようです。最近は、それがプレミアリーグのライバルクラブの話であろうと、気味が悪いくらいにリスペクトしていたチェルシーのジョゼ・モウリーニョ監督が、久しぶりの挑発モード発動です。ただし今回は、売られたケンカを買っただけ。先に仕掛けたのは、エミレーツ・スタジアムに陣取ったグーナーです。

一昨日のプレミアリーグ首位対決、アーセナルVSチェルシー戦。どうしてもチェルシーに勝ちたかったであろうグーナーたちが、守備的な戦い方を選んだチェルシーを茶化すように「退屈な、退屈なチェルシー!」とチャントで煽ったのが事の始まりです。ドローで終わった試合後、マスコミからこれについてどう思うか聞かれた指揮官は、

彼らの意見には同意するよ。私は過去10回戦って、アーセナルには1回も負けていない。彼らはこの他にどう私のことを評すればいいというんだ? 「愉快な、愉快なジョゼ」か? 10戦で1度も勝ってないのに。

と痛烈なコメントを残しました。「毎回勝てなきゃ、そりゃ退屈だろうよ」というわけですね。はい。ひいき目抜きに、このちょっとしたバトルは、ポルトガル人監督の圧勝でしょう。過去10試合、5分け5敗。試合内容も、チェルシーはゴール前に引きこもったわけではなく、見事な中盤のプレスで優位に立ち、シュート数でもホームチームを圧倒。暴風雨でピッチが悪くヘディングもままならず、思うようにボールコントロールができない悪条件だったとはいえ、退屈という言葉を使うならば、それは前半シュート2本&パスミス連発のアーセナルのほうがよりふさわしいゲームでした。さすがにこの日のグーナーの挑発は、無謀なアタックだったといわざるをえません。

私はモウリーニョ監督の尊大で皮肉っぽく、かつユーモアあふれるトークの大ファンで、記者会見の映像DVDが出たら買ってもいいくらいなので、これには思わずテンションが上がってしまいました。チェルシーに復帰した喜びを「今の私はハッピー・ワン」と表現して以来、どうも分別くさいコメントが多くて、このままハッピーおじさん路線で丸くなってしまっては物足りないと思っていたところにやっと一発、入ってきました。今後も、この一言多いキャラを忘れずに、プレミアリーグを盛り上げていただければと願う次第です。「ウィリアンがウォルコットを引っかけたプレイは100%PKだ」というヴェンゲル監督のいかにも彼らしいコメントとともに、長く楽しい追加タイムを満喫させていただきました。あらためて、プレミアリーグの天王山らしい、非常に満足度の高い一戦だったと思います。

さて、そのモウリーニョ監督ですが、先日の記者会見で「チェルシーでは12年、指揮をとりたい(12年とはハンパですね。60歳までなら9年ですが)。その後は代表チームの監督をしたい」と長期政権への希望を語っておりました。過去最高は、前回チェルシーの3年強。クラブを長期的に育てる経験はしたことがありません。そこでは、同時にこんなこともおっしゃってました。

「すぐに成功できるクラブからたくさんのオファーがあった。私がマドリードを離れたのは私が望んだからで、彼らが望んだからではない。私がここに来たのは、簡単な仕事だからでも、すぐにタイトルを狙えるクラブだからでも、人生最高の契約を手にするためでもない。今の契約は過去6年で最低だ。私がチェルシーにいるのはクラブを愛しているからだよ。このプロジェクトを愛しているんだ」

…これですね、モウリーニョ監督は。人一倍クラブを愛し、選手を愛し、そしてその愛を包み隠さずストレートに表現します。レアル・マドリードで難しい人間関係に巻き込まれたきっかけも、チームへの愛が暴走して、選手にマスコミ挑発をけしかけてしまったあたりで、決して彼自身のエゴではありません。これは、チェルシーファンやチームの選手は「惚れてまうやろー!」でしょう。逆にいえば、身内への愛が強く、クラブと選手、スタッフを守るためならどんなバトルも辞さない性格なので、敵チームからすれば相当腹立たしいキャラクターで「気がつけば周囲は敵だらけ」になりがちでもあります。

「代表監督をするなら、第一希望は母国ポルトガル。次にイングランド」とおっしゃっていますが、モウリーニョ率いるイングランド代表も見てみたいですね。そしてその頃、シャビあたりがスペイン代表監督で、試合前にバチバチやってもらえたりするとうれしいのですが。…すみません。私もプレミアリーグとイングランドを愛するゆえに、どうもスペインを敵視するクセがおさまらず。ここ10年、海外はロンドン、マンチェスター、リヴァプール、サウサンプトンしかいっていないというくらい、イギリスが大好きです。チャンピオンズリーグでマンチェスター・ユナイテッドが準決勝に進出して、バルセロナやレアル・マドリードと当たるなら、初のスペイン上陸を果たしてもいいかな、と思います。そうそう、食べるものは、スペインの圧勝ですね。

おや、またも脱線してしまいました。この話は、そうですね、モウリーニョのイングランド代表監督就任後だから…また12年後にでも。

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“久しぶりの挑発モード!ジョゼ・モウリーニョが愛される理由、嫌われる理由” への2件のフィードバック

  1. チェルシー より:

    更新お疲れさまです

    久々にモウリーニョの皮肉が炸裂しましたね(笑)

    僕もチェルシーとモウリーニョが大好きなので10年以上率いてもらいたいと思ってます
    問題はモウリーニョよりアブラモビッチさんですね…

    凄い監督、凄い選手ほど好き嫌いが別れますからモウリーニョにアンチが多いのも彼が凄いという裏返しですね

    やはりスペシャルワン(ハッピーワン)は最高です!

  2. makoto より:

    チェルシーさん>
    一度別れて、いい監督はなかなかいないということが身に染みて、未練タラタラ状態からのヨリ戻しなので、以前よりはオーナーもガマンがきくのではないでしょうか。クビになるとすれば、3年連続無冠とか、開幕5試合で降格ゾーンとか、モウリーニョ自身がへくったときだけだと思います。得難いキャラなので、末永くプレミアリーグを沸かせてほしいですね。

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