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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

昨季のエヴァートンと今季のマンチェスター・ユナイテッド。成績を比べてみると…おおっ!

私も調べたかったんですよね。昨季のプレミアリーグでのエヴァートンと、今季のマンチェスター・ユナイテッドの成績比較。要は、「両者の勝ち点は変わらない。モイーズ監督はマンチェスター・ユナイテッドをエヴァートンにしてしまっただけ」なんじゃないかと思いまして。

サイド攻撃中心で、ペナルティエリア付近、いわゆるバイタルエリアと呼ばれるスペースを使えていないところや、その結果チェルシーをはじめプレミアリーグ上位クラブに全然勝てないあたり、現在のマンチェスター・ユナイテッドは昨季までのエヴァートンといくつか共通項があります。エヴァートンにロベルト・マルティネス監督が就任して、あちらのサッカーがよりコレクティブなものに変容したので、よけいにマンチェスター・ユナイテッドのクラシックなサッカーが目立ちます。

これを、先んじて「Qoly」が調べてくれていました。編集部に、私と同じようなことを考えた方がいたようですね。素晴らしい。どれどれ、さっそく数字をみてみましょうか。おおっ!

■プレミアリーグ第29節終了時点
2013-14シーズン 7位:マンチェスター・ユナイテッド=勝ち点48 
         14勝6分け9敗 得点46/失点34 得失点差+12
2012-13シーズン 6位:エヴァートン=勝ち点48
         12勝12分け5敗 得点46/失点35 得失点差+11

うーん、びっくりするくらい似てますね。勝ち点も得点も同じ。失点はたったの1点違い。負け数がエヴァートンより多い、というのは衝撃です。これが「モイーズサッカーの限界」といっては言い過ぎでしょうか。この数字を見てあらためて、あのサッカーではせいぜいここまでなんだな、という思いを強めました。

誤解のないよう、はっきりさせておきますが、私はデヴィッド・モイーズ監督は優秀な指導者だと思います。その能力は、今季になってサウサンプトンを躍進させたポチェッティーノ監督や、ニューカッスルを復活させたアラン・パーデュー監督にも決して劣らないでしょう。ただし、それはあくまでも「中位クラブにヨーロッパカップ出場権を獲らせる」「プレミアリーグ降格ピンチに陥ったクラブを踏みとどまらせる」といったことができる監督、という意味合いであって、欧州のトップクラブのチームをさらに進化させることができるわけではない、という評価でもあります。

彼が監督でいる限り、マンチェスター・ユナイテッドがプレミアリーグやチャンピオンズリーグを勝つことはないでしょう。タイトルは、獲ったとしても国内カップ。2~3年に1回、プレミアリーグの4位に食い込んで欧州に顔を出す程度のチームになってしまうのではないかと危惧しています。

希望があるとすれば、昨季、チャンピオンズリーグを制したバイエルン・ミュンヘンを率いていたユップ・ハインケスさんは、10年前は凡庸としか思えない監督だったこと。つまり、「あるとき大きく化けて、クラスチェンジを果たす監督もなかにはいる」ということです。…うーん、弱い。モイーズ監督をフォローすべく、こんな話をふってみましたが、やはりサポーターとしては、「うちの平凡な監督、そのうちひと皮剥けるかもね」と気長に奇跡を待つなどということはできませんね。あらためて問いましょう。マンチェスター・ユナイテッドの経営のみなさん、今の延長線上に、欧州トップの座があるとお思いですか?もし、ないのなら…。

※19日から20日午前中まで、コメントを書き込めなかったみなさんへ
今週、上記期間にコメント欄に不具合があったようで、書き込みができなくなっていました。不愉快な思いをさせてしまい、大変申し訳ありませんでした。おそらくもう問題ないかと思われますので、これに懲りず、今後ともどうぞよろしくお願いします。

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“昨季のエヴァートンと今季のマンチェスター・ユナイテッド。成績を比べてみると…おおっ!” への8件のフィードバック

  1. 福岡 より:

    ベンゲル監督がオーナーなら気長にモイーズの成長を見届けてくれるかもしれませんね(笑)

  2. karbyry より:

    ベンゲルさんは若手にしか興味ないのでAVBならまだしもモイーズ監督は即刻首でしょう(笑)

  3. プレミアリーグ大好き! より:

    ハインケスは90年代にマドリーでCLとってるし、バイエルンでも2連覇してるから凡庸では無いような気がします。

  4. makoto より:

    プレミアリーグ大好き!さん>
    ハインケスさんですが、CL獲った時はリーガで低迷し、「誰がやっても勝てるくらいのメンバーがいるのに、何だこのチームづくりは」とさんざんこき下ろされていたのです。私は「10年前は凡庸と思われた」と書いているので、バイエルンで2連覇した今の実績は、論旨には関係ないですね。現在は「最後に花開いた大器晩成の監督」だと思っています。

  5. makoto より:

    福岡さん karbyryさん>
    気長に成長を見届けられてるうちに、「10年ぶりにヨーロッパリーグ出場」などとなったら目も当てられません…(笑)。

  6. Uボマー より:

    ルーニー、ファンペルシが万全ならもう少し良い成績だった可能性もありますが、それにしても負け数の多さは深刻なレベルですよね…。あと気になるのはモイーズ監督のコメントがネタ扱いになるほどおかしい、という点です。対策を取られやすいサッカーを続けることに何らかの意義があるなら良いんですが、コメントからだけだと目的がわからないということが多い。あれじゃ選手は個人で頑張るしかないと思っちゃいますよね。今の低迷は選手が頑張ろうとし過ぎてチームとしてバラバラなのが原因なので、来季も続けるのなら一貫した起用方針は打ち出してほしいものです。

  7. 姫川 より:

    CLオリンピアコス戦逆転突破よかったですね
    でもこれでモイーズ監督の寿命がすこし伸びたと考えると・・・複雑です
    結果は最高ですが試合内容はなかったようなものですし
    出場した選手みなハードワークしましたが、Rvpとルーニーそしてデヘアがすごく良かっただけで
    相手がgdgdだったのとFWが調子よければ点とって勝てるといういつもどおりの戦術?でしたから
    マンチェスター・ユナイテッドのようなビッグクラブが欧州のトレンドから取り残されてしまうようなクラブになっても良いのかと考えると、、、いいわけない!!!
    このまま取り残されるようならどう考えても来季プレミアトップ4に入りCL権を得ることもできないですよね

    CL抽選会が今日夜ありますしそこでバイエルン、バルサ、ドルトムントなどの欧州を戦術面でも引っ張るクラブと当たってもイーズ監督が考え方を変えてくれるといいのですが(前監督がCL決勝でバルサに影響を受けたように)

  8. makoto より:

    Uボマーさん 姫川さん>
    まだまだ個人担保ですよね。ルーニーとRVPの調子で変わる、というような。先日の試合で、最大の発見だったのは、ギグスのゲームメイクですね。彼、もしくは他のセンターMFが、今後もああいう形で機能すれば、おもしろくなると思いました。

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