イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ヴェンゲル監督、来季続投を宣言!「君たちと来季、またここで会うだろう」

前半戦はプレミアリーグ首位を走っていたアーセナルも、ラムジーとエジルの離脱をきっかけに急降下。マンチェスター・シティ、リヴァプール、チェルシーと、プレミアリーグ上位に立て続けに大敗を喫し、一時はエヴァートンにかわされて5位に転落。チェルシーに6-0で負けた後のヴェンゲル監督は落胆しきっていて、契約延長を保留したという報道まであり、「来季のチャンピオンズリーグ出場権を失ったら退任するのではないか」と、周囲を色めき立たせていました。

ところがそこからアーセナルは、毎年恒例の「火事場の馬鹿力モード」に突入。こちらも春の恒例行事である「ライバルの自滅」にも助けられ、チャンピオンズリーグにおけるグループリーグストレートインのプレミアリーグ3位には届かなかったものの、無事に4位を確保しました。しかも、今季はFAカップファイナル進出という、近年にはない楽しみまで残っています。クラブのお財布を考えながらチームづくりをする優秀なマネージャーだけに、チャンピオンズリーグ出場権決定が相当うれしかったのでしょう。64歳のベテラン監督は、昨日、フランス人らしい言い回しで来季の続投を明言しました。

「いつもいっているが、私の言葉がすべてなんだ。君たち記者が勝手に書き続けてきたことに決着をつけよう。サインはまだしていないが、来季も君たちとまたここで会うことになるよ

ヴェンゲル監督には、グーナーのみなさんのなかでも賛否両論あるようですが、私は、クレバーでコンセプチュアルなアーセナルの人格者を支持しているので、今回の続投宣言にはほっとしました。ストライカーをひとり、CBをひとり補強して、サニャの後釜問題と不調のアルテタ問題を解決すれば、ヴェンゲル監督がもう一度、プレミアリーグの頂点に君臨するのは充分可能だと思います。ただし、悲願のチャンピオンズリーグ制覇を成し遂げるためには、ポゼッションをとれないときの戦い方と、中盤でのボールの奪い方を明確にしないと厳しいでしょうね。まずは、この夏に適切な補強ができるかに注目ですが、噂のベンゼマなど、アーセナルにはぴったりではないでしょうか。今季は夏のトランスファーマーケットで完全に出遅れたので、次回はしっかり巻き返さなければなりません。

「大事な時期に重要な選手を同時に2人も失った(エジルとラムジーでしょう)ことが悔やまれるし、アウェーでのビッグマッチで失点し過ぎてしまった」と、シーズンを振り返ったヴェンゲル監督ですが、確かに今季のケガ人大量発生は尋常じゃなかったですね。「選手をもっと休ませないと」という意見もあるかもしれませんが、他のプレミアリーグ上位クラブをみても、DF陣はほぼ固定。最終ラインに意図的にターンオーバーを敷いていたのはリヴァプールとマンチェスター・ユナイテッドだけで、中盤においてもキャリック、ヤヤ・トゥレ、フェルナンジーニョ、ヘンダーソン、ラミレス、アザールあたりは大半の試合に出場しています。SASも基本、常時起用ですしね。

ヴェンゲル監督が無理めに使ったのは層が薄すぎるFWのジルーぐらいで、1試合あたりの運動量がさほど多くないエジルは途中交代も多く、酷使というほどの状況ではなかったでしょう。フィジカルスタッフのクオリティに問題がある可能性は否定しませんが、起用そのものがケガを誘発したとは考えられません。だとすれば、来季、メンバーが揃ったアーセナルはまた、プレミアリーグの優勝争いに顔を出してくるはずです。2014-15シーズンは、トップと後ろを強化したニューモデルのヴェンゲルサッカーにあらためて期待したいと思います。

「それほどみなさんが焦らなくても、私にも最後の時間は訪れる。そのうち追い出されるから、心配しないでほしい」などとおっしゃっていますが、そんなこといわずに、ぜひ強いアーセナルを見せ続けてください。あ、それから、先々退任されるときは、引継ぎを慎重に。今季、プレミアリーグで起こったさまざまな出来事から、アーセナルが最も学習すべきことは、「長期政権の後に監督やスタッフの刷新を失敗すると、深刻なダメージを被るハメになる」ことですから。…古くからの友人には、そのへんをちゃんと伝えておいてあげたほうがいいと思いますよ。あなたしかいえる人はいないでしょう、サー・アレックス・ファーガソン様。

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“ヴェンゲル監督、来季続投を宣言!「君たちと来季、またここで会うだろう」” への6件のフィードバック

  1. ケンイチ より:

    グーナーの方は騒いでる人が多いですが、そもそもアーセナルって今の位置が普通なんじゃないですかね?
    プレミアでは4位に入れて、CLでは優勝したこともないしベスト16とか8にいけばいいクラブなんじゃないの?って思ってしまいます。
    そんなに騒がれるような成績か?と。

    —–
    私も含めて、無敗優勝を経験したグーナーは4位じゃ満足しないですよ。勿論、健全経営の中でCL圏内を維持しているヴェンゲルは凄いと思いますが!
    個人的に弱点が分かってるのに補強しないのがイランっときますね。対策打てばタイトルとれてたでしょ!ってのが何シーズンかありました。

  2. makoto より:

    あああさん ケンイチさん>
    リスクをとってタイトル獲りにいくより、CL出場権獲得のプレミアリーグ4位をキープして安定経営することを重視していたのは事実でしょう。今も、それが基本にあるのではないかと思います。

  3. londres nord より:

    健全経営といっても、7位以内のクラブに勝てたのは、スパーズとレッズのみですから、グーナーは納得いかないです。たまたま下位のクラブの取りこぼしがなかった、ラッキーな4位だから、来季の保証はなにもないです。
    ベンゲルが弱点を修正及び補強できるかが問題ですし、後継も育ててほしい。

  4. makoto より:

    londres nordさん>
    サポーターの方がクラブに厳しくなるお気持ちはわかりますが、エジル、ラムジー、ウォルコットと、主軸が3人同時に長期間離脱したのはガナーズくらい。さらにウィルシャーまで…と、傍目で見ていても大変そうでした。私はどちらかといえば、「2月まで、優勝戦線に残ってよく踏ん張ったな」という感覚の方が強いです。

  5. ひとっちゃん より:

    初コメになります。
    いつも楽しく拝見させて頂いております。
    個人的には、瀬尾君(わかる人にはわかるwww)の離脱が1番痛かったと感じてます。昨シーズンのチーム得点王にして、エジル加入の恩恵を最も得られたはずだったのに。だいぶ成熟してきて覚醒するとおもってただけに…。来季に改めて期待です。

    マンUサポで偏愛さん(文字にするとビミョーwww)ほど好感持てる方はいないっす。個々のブログの文章量も半端ないっす!これからも楽しみにしてまっす。

  6. makoto より:

    ひとっちゃんさん>
    ありがとうございます。ウォルコットの離脱は痛かったですね…。中に入っていくプレイがうまくなったな、と期待していたので、グーナーの嘆きはよくわかります。来季は、主力健在で戦い抜くアーセナルを観たいですね。

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