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再生か?刷新か?トッテナム新監督のポチェッティーノ氏に求められる4つの課題

トッテナムが、 サウサンプトンのアルゼンチン人監督、マウリシオ・ポチェッティーノ氏の監督就任を発表しました。契約期間は5年。41歳の指揮官にとって、トッテナムはエスパニョール、セインツに続く3つめのクラブです。来季のプレミアリーグでは、ブレンダン・ロジャース、ロベルト・マルティネス、ポチェッティーノと、1973年生まれの若い監督たちが上位を巡る争いを繰り広げることになります。いやいや、さらにおもしろくなってきました。

「素晴らしい伝統と名声を備えたクラブで監督をできることを誇りに思っている。世界中にファンがいるトッテナムというトップクラスのクラブで、いい仕事をしたい。このクラブへのサポーターの情熱もまた、素晴らしいと思う」

セインツがどうなるのかはさておき、プレミアリーグを知り、戦略構築に長けたポチェッティーノさんという選択は、今のトッテナムにはいいのではないでしょうか。昨季、ヴィラス・ボアス、シャーウッドという2人の監督は、「勝利を積み上げながら中長期的な方針を示す」という命題に答えを出せませんでした。エヴァートンに劣るとはいえない顔ぶれを揃えて、セインツやクリスタル・パレスよりも多い失点51、得失点差がたったのプラス4という着地はいただけません。ポチェッティーノさんに課せられた仕事は、「DFラインの整備」「勝ち方・戦い方の構築」「前線の強化」「若手の成長促進」でしょう。…こうして並べてみると、かなり大変そうですが。

昨季苦しんだドーソン、フェルトンゲン、カブールらの最終ラインは、メンバーとコンビネーションを固めることができず、不安定なままプレミアリーグの閉幕を迎えてしまいました。マンチェスター・シティのコンパニとデミチェリス、チェルシーのケーヒルとテリー、アーセナルのコシールニーとメルテザッカーなど、プレミアリーグ上位のクラブは、概ねCBのコンビを固定して戦っています。来季は誰を軸とするのか。あるいは足りないのであれば、どういう選手を補強するのか。カイル・ウォーカーとローズがいなくなるととたんに怪しくなるサイドも含め、DFラインを固めにいかないといけません。私はキリケシュに可能性を感じているのですが、どうでしょう。ケガから復帰してからの彼がミスが多かったのは確かですが、現状のメンバーではいちばんポテンシャルが高いのではないかと思います。

そして、勝ち方・戦い方。アデバヨルのドリブルとエリクセンのプレースキック、シグルズソンのミドルなど、ともすれば個人技依存になりがちな攻撃を、線でつながないといけません。新監督にとっては、どうやって点を獲るのかをいま一度、明確にするとともに、戦略に合う選手の獲得、合わない選手の放出も早期に取り組まないといけない仕事となります。ソルダード、ラメラ、シャドリ、カプエら、昨季獲得したものの、力を発揮できなかった選手たちを再生させるのか、見限るのかがポイントですね。

ソルダードとラメラは、プレミアリーグに合うかどうかよりも、使い方、活かし方の問題ではないかと思います。彼らとアデバヨル、エリクセン、レノン、タウンゼントをどう噛み合わせるかをはっきりさせて、ラメラやアデバヨルをソルダードの下に配置するなどすれば、イングランド代表のルーニー、スタリッジ、ウェルベックの3トップのような新しいフォーメーションも、おもしろいオプションとなるのではないでしょうか。

攻撃陣は「ソルダード&ラメラ再生計画」もいいのですが、願わくばダヴィド・シルヴァやエジル、ルーニー、あるいは下がり目でジェラード、ヤヤ・トゥレタイプのワールドクラスがひとり、ほしいですね。シャドリ、カプエ、サンドロ、ホルトビーあたりを手離すか、もしくは戦略によっては思い切ってソルダードを売って大物を獲ってくる、などとできるといいと思います。バルサがセスクを売りたがっているようですが…すみません。「因縁の対決」「見返してやる」みたいな世界が嫌いじゃないもので、ついついライバルのバトルを煽るようなことをいってしまいました。一瞬ムッとされた方、ごめんなさい、読まなかったことにしてください。私のなかでは、「第2のファン・デル・ファールトを探せ!」です。あのお買い物は、売り買いのタイミング含めて秀逸だったと思います。ハリー・ケイン、ベンタレブ、フライヤーズ、タウンゼントなど、「使って育てる」若手の育成は、ポチェッティーノさんの得意とするところでしょう。

いずれにしても、この夏もトッテナムは活発に動きそうですね。ワールドカップ終了直後から始まる、移籍市場でのトッテナムのニュースにあらためて注目したいと思います。

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“再生か?刷新か?トッテナム新監督のポチェッティーノ氏に求められる4つの課題” への5件のフィードバック

  1. londres nord より:

    良い監督がスパーズへ。来季の4位以内争いも凄いことになりそうです。
    スパーズにセスクは斬新なアイデアですね。しかし、バルサはセスクの移籍金をガナーズに対し未完済みたいですし、買戻しオプション権もありますので、いくら寛容なベンゲルでも4位争いのライバルへの移籍は阻止するかと思います。

  2. makoto より:

    londres nordさん>
    そのとおりですね。その前に、セスク本人が強烈に拒否しそうです。
    すみません。しょうもないことを書きまして。

  3. 通りすがりです より:

    いつも楽しく拝読させていただいています。
    CBのお話ですが、私はやはりフェルトンゲンを軸に相方を決めるのが良いのではと思います。しかしそうなると空中戦の強いカブール、ドーソンを使いたくなるのは仕方ない気がします。
    キリケシュ、ヤンのコンビなら攻撃時に光りそうなんですがね。
    SBは右はウォーカーとして、左はショーを連れてきてくれたりしたらいいな、なんて思う最近です。

  4. makoto より:

    通りすがりです さん>
    フェルトンゲンが軸、はありですね。その場合、ポカが多いカブールを売って、ハードマークができる相棒を連れてきた方がいいのではないでしょうか(と、似たようなことを昨年、シュクルテルについて書いたら、その後大化けしたので、来季はカブールがすごくよくなるかもしれません。ご利益にご期待ください・笑)

  5. スパーズ推し より:

    お久しぶりです
    ようやく不透明だった監督が決まったもので、まずホッとしています

    ディフェンスラインは、カブール放出は僕の中では規定路線なんですが(笑)
    それはともかく、フェルトンゲンにキリケシュを並べ、パスを繋げるチームになると
    前線のソルダードやラメラ、当然エリクセンにシャドリなども水を得られるのではないかと考えます
    この二人のCBは、守備でのイージーミスこそあれど、
    展開力に関してはプレミア指折りどころか欧州でも相当高い部類だと思いますから
    生かさないのは何とも勿体無い……

    散々叩いてきましたが、ソルダードはまだチャンスを与えてもいいと思っています
    意外に思われるかもしれませんが
    むしろ、最後の売り時なのはアデバヨルの方と考えます
    新体制がスタートする以上、個人頼みの不安定な体制からの完全脱却を目指すには
    これくらいのアクションは必要ではないでしょうか?

    補強には余り期待していません
    去年かなり動きましたし、余力は無さそうです……

    ポチェ新監督が、モイーズと同じ失敗をしないように祈ります

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