イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ヤヤ・トゥレ、フェルナンドは当確⁉ グアルディオラ体制で放出されると噂の選手たち

さすがはマンチェスター・シティの経営陣。今季の数字と選手の顔ぶれを見ると、グアルディオラ監督就任のタイミングは適切なのだとあらためて思います。チェルシーと並ぶ優勝候補と目されながら、プレミアリーグ4位と満足いく順位に立てていないチームの問題のひとつは、上位との直接対決に勝てないこと。マンチェスター・ユナイテッド、ウェストハムを含むTOP6の戦績を見ると、首位レスターは3勝3分1敗でアーセナルにしか負けておらず、マンチェスター・シティ、トッテナムに対しては1勝1分と勝ち越し。3位アーセナルは3勝1分1敗と勝率No.1。2位トッテナムと6位ウェストハムは2勝2分2敗、マンチェスター・ユナイテッドは不本意な戦績ながらも上位同士では1勝3分1敗とイーブンでここまできています。

マンチェスター・シティは…7回戦って、何と3分4敗と勝利なし!1戦2戦ならいざしらず、これだけの試合数を勝てなかったという結果を、偶然で済ませるわけにはいかないでしょう。原因は、彼らが弱体化したというよりは、引いて中央を固めてカウンターで逆襲する「マン・シティ対策」が定着したからというほうが妥当でしょう。7試合続いた戦術に対して、処方箋を用意できなかったところに、自分たちのスタイルを貫こうとするペジェグリーニ監督の限界があるのではないでしょうか。プレミアリーグ4位以内に入り続ければよしとするなら、現指揮官継続でも問題はないと思われますが、さらに上をめざすなら、違うアプローチをする監督にチームをまかせたほうが早そうです。冒頭で「適切」と述べたのは、ライバルに研究されて従来のような強さを見せつけることができなくなってきた今季が、ひとつの潮目のようにみえるからです。

戦い方もさることながら、もうひとつ気になるのは、主力の高齢化です。デミチェリスの35歳を筆頭に、カバジェロ34歳、サニャは日曜日に33歳となり、ヤヤ・トゥレは5月に33歳、サバレタは31歳。フェルナンジーニョ、クリシー、ヘスス・ナバス、コラロフ、ダヴィド・シルヴァが30歳で、コンパニも4月に大台に乗ります。10人が30代となるチームは、段階的に若返りを図らないと、どこかでしゃがむことになるでしょう。2010-11シーズンにダヴィド・シルヴァとヤヤ・トゥレが入団したことを機に始まったマンチェスター・シティの第1次黄金期は、そろそろ曲がり角を迎えます。このタイミングで新しい監督を迎え、改革を行うという判断には「ですよね」と大きくうなずくしかありません。

さて、大物監督の就任発表があると、どこかのメディアが必ずやる企画が「移籍か、残留か」。このたびのグアルディオラ監督就任発表を受けて、「ESPN」はヤヤ、ボニー、サニャ、ナスリ、フェルナンドを売却候補として報じ、「デイリー・メール」は、10日付の記事で「ペップが夏のクリアランスセールの準備中」という見出しを掲げて、デミチェリス、クリシー、サニャ、サバレタ、コラロフ、ヤヤ、フェルナンドの名前を挙げています。2紙の重なりは、ヤヤ・トゥレ、フェルナンド、サニャ。33歳になるサニャは、サバレタ不在の穴を埋めてマンチェスター・シティで総走行距離トップの選手ですが、高齢に加えてグアルディオラさんの好みではないかもしれず、スピードが衰えしばしば失点の源となっているデミチェリスとともに放出候補となるのは致し方ないでしょう。そして、「走らないヤヤ」と、「攻めないナンド」。先日、イギリスメディア「スカイスポーツ」が、今季のヤヤ・トゥレがいかに走らないかをデータで示していました。

プレミアリーグにおける1試合あたりの走行距離では、デルフが11.7km、ヘスス・ナバスが11.6km、デブライネが11.4kmに対して、ヤヤは1km以上短い平均10.4km。スプリントの回数はより顕著で、デルフ79回、フェルナンジーニョの45回に対して、ヤヤは平均26回しかなく、運動量、攻守の切り替え、チェンジオブペースが求められるポジションの選手としては、もの足りない数字が残っています。

フェルナンドは、今季のマンチェスター・シティの無得点試合6試合のうち5試合に先発しており、ヤヤとフェルナンドがスターターの試合は3勝3分3敗と冴えない戦績に終わっています。さらにここにデミチェリスが加わると…。今季、3失点以上を喫した2試合、プレミアリーグ7節で4-1と惨敗したトッテナム戦と、エティハドで1-4といいようにやられた13節のリヴァプール戦は、3者揃い踏みのゲームでした。マン・シティの数字を見るにつけ、グアルディオラさんの構想から真っ先に外れるのがこの3人であると聞かされても特段の違和感はありません。新監督とのバルセロナ時代の軋轢、直近の代理人のネガティブ発言、そして今季プレミアリーグでのプレイぶりと複数のカードが揃ったヤヤ・トゥレは、次の夏こそいよいよチームを離れるのかもしれません。

本日発売の「フットボリスタ」に、マンチェスター勢のチャンピオンズリーグとヨーロッパリーグのプレビュー記事を書かせていただいたのですが、デブライネが戦列を離れた今、マンチェスター・シティがチャンピオンズリーグで上位進出を果たすためのキーマンは「トップ下ヤヤ・トゥレ」なのではないかと思います。セントラルMFとしては守備が不安になってきた彼も、多彩なシュートと時折見せる馬車馬のようなドリブルは相変わらずスーパーで、前で強みを発揮してもらえればいいのではないでしょうか。負傷者続出で厳しいのは重々承知ながら、できればベスト4、あわよくばファイナル進出を!夏の去就がどうあれ、残された時間がそう多くないヤヤ・トゥレには、自らの活躍でチャンピオンズリーグの上位に食い込んでグアルディオラ監督の来季のノルマを上げるという意地の張り方を見せていただければと期待しています。

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“ヤヤ・トゥレ、フェルナンドは当確⁉ グアルディオラ体制で放出されると噂の選手たち” への3件のフィードバック

  1. タカシ より:

    更新お疲れ様です。
    個人的にですがペップのシティで鍵となる選手はデルフなのではないかと思っています。
    前半戦とんでもない活躍をしていたフェルナンジーニョも息を切らしてしまい、今一番中盤で攻守に効いているのはデルフです。シティというクラブですので来季どのような補強をするか分かりませんが、中盤のどのポジションでも積極的に動けるデルフは重宝する選手だと思います。

  2. シティふぁん より:

    高給取りばかりだと思うので放出するのが難しそうだと思います
    CLを逃さなければプレミアリーグで競合した時
    シティに行きたいと言う選手が多くなりそうな気がします
    そのためにもCL権は死守してほしいですね

  3. シティズン より:

    おそらく名前が挙がっている選手はほとんど移籍することになるでしょう
    今夏大金を使っているので来夏それほど使うことは出来ないでしょうけど 2.3年でシティは大きく様変わりしてしまうでしょうね
    金満化してからのファンなので今の選手たちへの思い入れが大きく非常に寂しいですがチームにガタがきているので仕方ありませんね
    今季の尋常じゃない怪我人の数も高齢化による弊害なのも間違いないですし
    デナイヤー ロバーツ ガルシア アンジェリーノ イヘアナチョと若手に逸材が多い今 ペップが来るのは運命を感じます
    新しく連れてくるのも良いですが 若手の積極起用も期待しています

シティズン へ返信するコメントをキャンセル