イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

どうなるマン・シティ!? 「BBC」の名物記者がCL出場禁止処分による影響をレポート!

「マンチェスター・シティがFFP違反で2年間のチャンピオンズリーグ出場禁止処分」。UEFAが発表した今季プレミアリーグ最大のニュースを即時で伝えた現地メディアが、次々と新たなレポートを配信しています。「BBC」のサイモン・ストーンさんは、「What could this mean for the club?」と題した記事で、今回のペナルティがクラブやプレミアリーグに及ぼす影響をQ&A形式で検証。「ペップの去就」「選手の流出」「経済的な損失」「プレミアリーグの対応」「欧州におけるポジションの喪失」「マン・シティの未来」「CL出場権の行方」といったテーマを掲げ、それぞれに対して見解を示しています。

前提として置かなければならないのは、マンチェスター・シティは今回の処分に納得しておらず、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に上訴すると明言していることです。2018年にEL出場禁止処分を受けたACミランは、CASによって処分取り消しとなっており(翌年に再度ペナルティを受ける見通しとなり、EL出場を辞退)、昨季プレミアリーグ王者にも同様の裁定が下る可能性はゼロではありません。昨年の春に書いた「FFP違反と契約違反…国内トレブル目前のマンチェスター・シティが問われる2つの疑惑!」というレポートで、違反の内容と調査の経緯について触れているのですが、マン・シティは現在に至るまで見解の相違というスタンスを崩していません。この姿勢が厳罰につながるか、中立的な機関の理解を促すかは定かではありません。

「インディペンデント」「BBC」は、「プレミアリーグがポイント剥奪を検討」「リーグ2(4部相当)への降格の可能性もある」と報じていますが、既に議論が始まっている国内のペナルティは、CASのジャッジの後に発表される見通しです。4部落ちという厳罰が取り沙汰されているのは、EFL(イングリッシュフットボールリーグ)の規定に則ればというお話で、プレミアリーグが最大級の悪質事案と判断しない限りはそこまでいかないでしょう。マン・シティは、CAS上訴で処分を1年に軽減し、プレミアリーグにおけるビハインドを最小限に抑えられればまずまずと考えているのではないでしょうか。

出場停止2年という最悪のペナルティが確定すれば、サイモン・ストーンさんのレポートが現実となる可能性が高まります。ペップ・グアルディオラは次の夏で契約を解除…⁉ 契約期間の残りが2年以下のアグエロ、サネ、ジョン・ストーンズ、オタメンディが移籍を選択する可能性があり、2022年以降もプレイすることになっている主力も、身の振り方を検討し始めるかもしれません。2500万ポンド(約35億7000万円)の罰金を払うクラブは、CLから弾き出されれば1億5000万ポンド(約215億円)の損失があるといわれています。

3年後に欧州に復帰しても、クラブランキングの低下によって不利なポッドを余儀なくされます。クラブの未来は…「BBC」のスポーツジャーナリストの見解は「プレーヤーとのサインが多少難しくなっても、再建は可能。オーナーのシェイク・マンスール氏とハルドゥーン・アル・ムバラク会長に対する評判のダメージのほうが問題」。なるほど。資金力があるクラブゆえ、ビッグ6といわれる水準はキープするはずですが、ロンドン勢やマン・ユナイテッドが強化に成功すれば、今までのようにCLの常連ではいられなくなるかもしれません。デブライネ、ベルナルド・シウヴァ、スターリングらが残留するかどうかが、リスタートの成否のカギとなるのは間違いないでしょう。

最後に、ライバルクラブのサポーターたちの関心事についても触れておきましょう。「来季のCL出場権はどうなるのか?」。ルールでは、プレミアリーグ5位が繰り上げ出場となるため、シェフィールド・ユナイテッドがプラスワンのポールポジションとなります。アーセナルがニューカッスルに勝てば、5位との差は5ポイント。苦しい季節を過ごしたアルテタ新監督が、CLへのチケットを手に入れたら盛り上がります。どうなるマン・シティ、そしてプレミアリーグのTOP4争い。裏金によって赤字を隠し、UEFAを欺こうとしたと報じられた事案で処分取り消しを勝ち取れるとは思えないのですが…。

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“どうなるマン・シティ!? 「BBC」の名物記者がCL出場禁止処分による影響をレポート!” への11件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    弱い方のマンチェスターが帰ってくる
    二度とこういうクラブが出ないように徹底的に処罰してほしい

  2. エミリー より:

    いやあ、衝撃のニュースでした。
    なんにしても、愛するクラブを純粋に応援してたファンの方々が気の毒です。
    金満オーナーがズルしてたのがFFPで咎められ、なにやら揉めているらしい。程度しか知らなかったのですが、こんな厳しい裁定になるとは。
    上訴した結果がどうなるかは分かりませんが、軽減は期待出来ないかもという記事ばかりを目にします。
    これでまたライバルであるリヴァプールの偉大さを、引き立たせてしまうことになりましたね。
    健全であることの大切さを、再認識するニュースでした。

  3. プレミアリーグ大好き! より:

    記事にもあるように、最大の問題はイメージの悪化
    オーナーがシティを買って強くした事自体、アブダビの金と企業に対する悪いイメージを改善することにあると言われてますからね
    マリノスなど世界中のクラブとの提携も、シティフットボールクラブの網に乗せてスポンサーであるアブダビ企業の影響力を世界中に波及させるという思惑があるようですし
    こうなった以上、イメージ改善という目的を喪失したわけですから、オーナーがクラブを手放す可能性も…

  4. プレミア より:

    正直シティのやり方はいかにも金満クラブという感じであまり好きではなかったので、今回のFFP違反もやっぱりなっていう結果ですね。
    ただ一方で、ペップやシティの選手達、スタッフなどの現場の人間はかわいそうだなという思いがあります。契約があるとはいえども、今後シティに残るのか出るのか、選手の意思を最大限に尊重してほしいですね。
    後はFFP制度って本当に必要なのだろうかっていうところも疑問には思いました。現状は明確なルールである以上、シティが処罰されるのは当然だとは思いますが、FFPは古くからあるビッグクラブに有利すぎる制度な気がします。FFP制度の見直しは必須なのではないかと一人のサッカーファンとしては感じています。

  5. プレミアリーグ大好き! より:

    ビッグ6の中では推しチームの次に好きだったチームだけに残念です。
    CL権停止が1シーズンだけなら何とかなるのでしょうが、2シーズンとなるとなかなか難しそうですね。
    今期のチェルシーのように若手が活躍すると良いのですが。

  6. プレミアリーグ大好き! より:

    まあ 言い訳はできないレベルではありますよね 誤魔化そうとしてる訳だし 2年間の出場停止のまま処分されても驚きはありません
    ある意味関係がないと言える現場はかわいそうですが ただ、穿った見方をしちゃうと 2016年までの調査でこれならそれ以降もやってたのでは?って思っちゃいますね
    まあ、いずれシティのFFP違反はなにか処分が下ると思ってましたがこんなに重いとはとは思いますね

  7. YU より:

    リヴァプールファンとしては複雑です。
    昨季の悔しさは晴らせそうだし、今の最強のチームは、ペップシティという最強のライバルの存在があったからこそでしょう。
    ただ、13-14。あの時のタイトルにも不正によって得られた強さが関与していたとしたら…ジェラードの無念を思うと言葉が出ません。
    来季についても、恐らく戦力はダウンするのでしょう。しかしこちらもサラーの東京五輪、ANCなどの不安要素を抱える中、国内に専念されたら厄介です。

  8. アイク より:

    いつも気になる話題の深掘りありがとうございます。
    そうでした、昨年春の記事では補強禁止の可能性まで報じられていましたね。もし本当に欧州出禁との二重苦となれば、監督や選手には昨夏のランパードを上回るクラブ愛が求められますが…。
    これまでの成功にケチがつき、すべて資金の「ドーピング」によるものだったと見做す向きもあります。逆風の中でクラブが求心力を保てるかどうか。
    ペップのもたらした素晴らしいフットボールが失われないよう祈ります。

  9. アイク より:

    続けてすみません。
    シティが凋落を防ぐには、経営陣とサポーターの皆様の総力をあげてペップを慰留するほか無いように思います。
    今クラブ最大の強みはペップ・グアルディオラがいることです。来季以降の制裁の影響も、彼が残留するかどうかで戦術面や求心力が全く違ってきます。少なくとも今年CLを勝たなければクビなどという悠長な選択肢は今や有りません。
    PLの向上の為にも、ぜひとも残っていただきたいです。

  10. プレミアリーグ大好き! より:

    FFP自体プレミアさんおっしゃるように政治的なルールなので、
    今回のシティは単純に対応が稚拙で、資金力にふさわしい政治力を持っていないことを責められるべきと思いました。

  11. プレミアリーグ大好き! より:

    気になるのが殆どのメガクラブで似たような噂があることです。実はルール違反ではないのか?と。今回の一件もいきなり出てきた訳ではないですからね。
    他のクラブにも波及しなければよいのですが。

エミリー へ返信するコメントをキャンセル