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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

プレミアリーグ、宴もたけなわ!アーセナルにマンチェスター・シティを破る秘策・奇策はあるのか?

まさにプレミアリーグ、宴もたけなわ。マラソンでいえば、35キロ過ぎといったところ。各チームとも今がいちばん苦しい季節でしょう。リヴァプール、マンチェスター・シティ、チェルシーの三つ巴となった優勝争いですが、カギを握る3つの試合を挙げるとすれば、本日のアーセナルVSマンチェスター・シティ、4月13日のリヴァプールVSマンチェスター・シティ、4月27日のリヴァプールVSチェルシーでしょう。

私は、プレミアリーグ開幕前からチェルシーが優勝候補大本命といっており、現在もチェルシーが勝つのではないかと考えているわけですが、その理由のひとつに「2月以降のマンチェスター・シティの失速」がありました。アグエロが度重なる負傷でチームを離れると、彼らの得点力に陰りがみえ、2月から3月上旬のプレミアリーグ、チャンピオンズリーグで1勝1分け3敗。このうちの2戦はバルセロナが相手だったとはいえ、2点以上奪ったゲームはゼロ。キャピタルワンカップ決勝でも55分までリードを許すという苦戦ぶりで、FAカップではチャンピオンシップ中位に沈むウィガンに完敗です。このままいくと、プレミアリーグ上位対決が続く春の決戦で、4位以下に沈む可能性すらあるのではないかと思っていたぐらいです。

しかし、チャンピオンズリーグとFAカップに敗れ、身軽になったマンチェスター・シティは、ここ3戦で復活。ハル・シティ、フラム、マンチェスター・ユナイテッド相手に得点10、失点ゼロの荒稼ぎ。アストン・ヴィラ戦で痛い敗戦を喫したチェルシーに取って代わって、再びプレミアリーグの優勝候補筆頭となっています。とはいえ、ハル・シティ戦はコンパニの退場というピンチを直後のダヴィド・シルヴァのミドルが救うという危ないゲーム。フラム戦も前半は攻めあぐみ、マンチェスター・ユナイテッド戦も攻撃が機能していたとは言い難い試合です。そこにきての、本日のアーセナル戦。快勝か?以前の「アウェイでおとなしくなる病」の再発か?ここで圧勝するようなら、彼らが大きく栄冠に近づくことは間違いありません。

一方のアーセナルですが、ヴェンゲル監督は不本意ながら、エジル、ウィルシャー、ラムジー、ウォルコット不在という大きな穴を抱えたままで、マンチェスター・シティ戦に勝たないといけません。本拠地エミレーツで戦えるとはいえ、先日チェルシーに6発浴びた綻びが目立つ守備と、センターMFの攻め上がりが期待できない攻撃陣で、果たしてマンチェスター・シティを止められるのでしょうか?この試合で大敗を喫してエヴァートンにかわされようものなら、ヴェンゲル監督の気持ちは勇退に大きく傾くでしょう。アーセナルもマン・シティも敗戦で失うものがそれぞれに大きい、スポーツの醍醐味あふれる必見ゲームです。

前説が長くなりましたが、ここから本題です。「アーセナルは、マンチェスター・シティに勝てるのか」。…普通に考えたら厳しいでしょう。ひと頃は鉄壁を誇っていたコシールニーとメルテザッカーにミスが目立つ不調のアーセナルと、アグエロがいなくてもゴールを重ねられるようになったマン・シティ。アーセナルが、バイエルン・ミュンヘンにやられたのと同じ負け方で、遠ざかるマンチェスター・シティの背中を見つめる絵がイメージできます。

では、「アーセナルに、マンチェスター・シティを破る秘策・奇策はあるのか?」これについては、2つばかりアイデアがあります。ヴェンゲル監督が自らのスタイルを崩してまで、相手のサッカーに対応する戦術を敷くことはないかもしれませんが、こんな打ち手はどうでしょう。ひとつは、「ダヴィド・シルヴァを”第3のCB”フラミニがマンマーク」、そしてもうひとつは「ポドルスキとジルーがデミチェリスを狙い撃ち」

マン・シティがハル・シティ戦とマンチェスター・ダービーを勝てたのは、ダヴィド・シルヴァの技術と創造性に拠るところ大です。ダービーでは、試合開始直後のナスリへのフィードが、ただでさえ不安定だったマンチェスター・ユナイテッドのゲームプランを無力にしたことは間違いありません。スペイン代表MFがドリブルで左右にポジションをとり、サバレタ、コラロフ、ナスリ、ヘスス・ナバスといったサイドの面々にスルーパスを通すのを防げなければ、アーセナルの守備陣は、中央でジェコと五分五分の勝負を延々と続けなくてはならなくなります。

チェルシーのようにうまく中央のスペースをつぶせればいいのですが、これは元々、そういうチームづくりをしていなければ、ある日突然できることではありません。しかし、「キーマンにマンマークをつける」という戦術なら、比較的ラクに対応可能です。今季のセリエAでは、ASローマがユヴァントス戦で「ピルロをフォアチェックでつぶしにいく」という奇策を繰り出してきました。このときはユーヴェが1枚上手で、「だったらピルロはおとりに使う」とばかりにチームのコントロールタワーをサイドに逃がし、空いたコースを使ってFWに直接パスを当てるというサッカーでローマを下しています。プレミアリーグでも、こういった策略に満ちたゲームをたまに観られるとおもしろいですね。

話を戻しましょう。「マンチェスター・シティのラストパスの供給源を断ち、仮にサイドで劣勢になってCBが引っ張られても、中にもうひとりのCBとフラミニがいてカバーできる」という形に持ち込めれば、マンチェスター・シティの攻撃力を半減させられるのではないかと思います。

一方の「デミチェリス狙い撃ち作戦」は、味方ボールになった時にジルーを左に寄せ、ポドルスキは中に絞り、ふたりを近くでプレイさせることで相手のウイークポイントのエリアで優位を築く、ということです。チャンピオンズリーグのバルセロナが、イニエスタのスルーパスからメッシが裏に抜けてデミチェリスのレッドカードを引き出した、あのコンビネーションなどはいいテキストになるのではないでしょうか。ただ漫然と攻撃すると、マンチェスター・ユナイテッドの二の舞です。待って守ると強いマン・シティには、サイドからの長いクロスは効かないと思われます。絞ったポドルスキにロシツキがすかさずパスを出し、ニアに飛び込んだジルーに合わせてゴール…どうでしょう?あってもおかしくないシーンだと思いませんか?

私としては、今季プレミアリーグの前半戦をあれだけ盛り上げ、サポーターに久しぶりのリーグ制覇の夢を見せ続けた今季のガナーズが、結局チャンピオンズリーグの出場権すら取れずにグーナーを泣かせるといった悲しい結末をみたくない気持ちがあります。また、ここでアーセナルが勝てば、プレミアリーグの大混戦の火は消えず、5月まで盛り上がり続けるでしょう。ヴェンゲル監督、いかがでしょう?勝算はあるのでしょうか。もし状況が厳しければ、手もなく追い込まれるのではなく、何かひとつでも思い切ったことをやって、「考え抜いて戦い抜いて、ベストを尽くした」姿を見せていただければと思います。そんな彼らを観られれば、それが勝利という結末でなかったとしても、私は力いっぱいの拍手を送るでしょう。本日深夜、日本時間3月30日2時30分。いよいよ、決戦です。

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“プレミアリーグ、宴もたけなわ!アーセナルにマンチェスター・シティを破る秘策・奇策はあるのか?” への3件のフィードバック

  1. ACOLE より:

    自分はチェルシーファンなんですが同じロンドン勢としてCLにガナがいないと寂しいし、なによりチェルシーのために今日の試合は期待してます!笑
    頼みますよ、ベンゲルさん!

  2. makoto より:

    ACOLEさん>
    同感です!

  3. makoto より:

    ウィルシャーもラムジーも間に合わないんですか?
    うーん 残酷ショーになりそうな気も…
    今夜はドバイワールドカップに集中しようかな…
    ジャスタウェイは勝てそうなんですよねぇ

    —–
    釜元杉山さん>
    コシールニーも欠場のようですよ。アーセナルもジャスタウェイも厳しそうです。

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