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ベイル獲得、ディ・マリア放出…マンチェスター・ユナイテッドの大型補強報道にモヤモヤする理由

スペイン語が話せず、ロッカールームで孤立していると報じられているガレス・ベイルと、マンチェスターの街になじんでいないといわれているディ・マリア。「デイリー・ミラー」をはじめ、複数のイギリス紙が報じているマンチェスター・ユナイテッドのベイル獲得話は、パリ・サンジェルマン移籍といわれているディ・マリアとともに、どうやら現実味を帯びてきているようです。仲間にパスを出さない、献身的なプレイを見せてくれない、守備に戻らないとサポーターからも散々な叩かれ方をしているベイルですが、今季のリーガ・エスパニョーラでの30試合13ゴールは、払った移籍金を1年で回収しようと考えなければまずまず。それなりにアシストはあるとはいえ、プレミアリーグ26試合で3ゴールのディ・マリアと比べれば、9100万ユーロ(当時のレートで約118億3000万円)のウェールズ代表MFのほうが、直近1年のコストパフォーマンスは高かったといえるでしょう。しかしこの話、どうも気分が乗りません。マンチェスター・ユナイテッドのサポーターとしては、「早まらないでほしい」のひとことです。

マンチェスター・ユナイテッドにおける現在のサイドのレギュラーは、左にアシュリー・ヤング、右にマタ。インサイドハーフにはフェライニとエレーラが起用されることが多く、プレミアリーグのスタメン起用が20試合に満たないディ・マリアは、控え選手の扱いです。ワールドカップでメッシとともにアルゼンチン代表を決勝に導いた選手が輝かない最大の理由は、ファン・ハール監督の細かいオーダーを消化しきれていないからではないでしょうか。しかし、現在抱えている問題さえ解決すれば、クロスも前線へのフィードも正確なディ・マリアは、他クラブにとって相当脅威なのではないかと思われます。少なくとももう1年、プレミアリーグでチャレンジし、真価を発揮していただきたい。このクラブのサポーターが、背番号7を付けた選手に期待しないことはありえません。

一方で、ベイルもまた、現在の自らのプレイもスペイン国内での評価も不本意に感じているのではないかと思われます。ユヴェントスとのチャンピオンズリーグ準決勝セカンドレグで、再三訪れたイージーなシュートチャンスをことごとく外していましたが、サポーターやチームメイトからの信頼を感じている選手は、ああいったシーンで集中できるものです。ディ・マリアがしばしば強引なドリブルを奪われたり、フリーで上げたクロスがGKの正面にいってしまうように、ベイルの逸機も焦りによるところが大きいのではないでしょうか。英語が話せるマンチェスター・ユナイテッドに加入し、ファン・ハール監督のスタイルにスムーズに溶け込めれば、彼は鮮やかに復活するでしょう。とはいえ、「ベイルが欲しいか」と問われれば、それはまた別の話。われわれには、アンヘル・ディ・マリアとメンフィス・デパイがいるからです。

結局のところ、気になっていることは2つ。ディ・マリアに対する消化不良感と、これらの売買が損な取引に見えることです。ポンドが高騰したとはいえ、現地で微妙な評価になっている選手に8000万ポンド(約150億円)は高すぎます。まずは絶対額を下げていただき、レアル・マドリードがチチャリートを残したいと考えているならばトレードの形にするなどして、さらに安くしてほしいものです。一方で、私がディ・マリアに諦めがつくとすれば、ご本人がどうしてもイギリスを出たいといっている場合のみ。彼自身が、来季もプレミアリーグでのプレイを望んでいるのであれば、ベイルの話をご破算にして、キャリックの後釜やDFラインの整備に投資してほしいところです。念のために添えておきますが、絶対的守護神デ・ヘアをベイル獲得の材料に巻き込むのは勘弁願えればと思います。世界一をノイアーやクルトワと争うスーパーGKは、心情的にはベイルの倍ぐらいの値段を付けたい選手ですから。

「サンデー・エクスプレス」の記者が、ベイルの移籍交渉について、「正直にいえば、その話はほぼ完了だ。私は、ガレス・ベイルに近しい人物を知っている。みんなは本当のことを知らないんだ」と語っています。このコメント、かなり怪しげですが、発言があった場がマンチェスター・ユナイテッドのオフィシャルTV「MUTV」となると、さすがにスルーできません。ファン・ペルシのイタリア行き、ディ・マリアのフランス行きとともに、ベイルの高額獲得は決まってしまうのでしょうか。うーん、モヤモヤします。私が「これなら成立やむなし」と思う条件をまとめると、こんな形になります。

⇒ご本人の意向ありき。ディ・マリアがプレミアリーグを出たがっており、ベイルはプレミアリーグに戻りたがっている
⇒チチャリートとのトレード+金銭にするなど、悪くない条件でベイルを獲れる
⇒ディ・マリアを納得感のあるプレイシングでパリに渡せる
⇒つまり、ディ・マリア、ファン・ペルシ、チチャリートの売却額と「ベイル+デパイ」の獲得額を並べた時に、納得感のない大きなマイナスにならないということ
⇒「どさくさにまぎれてデ・ヘアまでいただき」はやめてください…。

最後に、もうひとつだけ。もしガレス・ベイルが来たら、声を枯らして応援します!

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“ベイル獲得、ディ・マリア放出…マンチェスター・ユナイテッドの大型補強報道にモヤモヤする理由” への5件のフィードバック

  1. Uボマー より:

    発表されている条件でベイルを獲って、ディマリアを放出するならユナイテッドの経営陣は相変わらず取引下手だと思いますね。ただディマリアの現状は確かに物足りない感じがしますし、またファンハール監督は高額で獲った選手でも容赦なく控えにできる証明になったともいえます。ディマリアがファンハールの下でやっていく自信が無いなら、マンチェスターの街が好きでないなら、監督は出ていくことを希望しても止めないでしょう。それがこの一年ではっきりしたことですから。

  2. にわかスパーズファン より:

    更新お疲れ様です。
    ベイルにはマドリーで頑張ってほしいです。
    というよりスパーズサポから見れば、赤いユニホームなんか着て欲しくないというのが本音です。
    ベイルネタはスパーズサポの方がユナイテッドサポよりモヤモヤしながら見守っているのではないのかな。。。

  3. より:

    ユベントス戦のベイルはかなり良かったと評価されてますよ。
    逆にイージーチャンスはミドルのロングシュートくらいしかなかった。あとらはユベントスのDFが身体や足を全て出してくるしシュートコース消すから難しい。
    ポストに当てるシュートするしかないくらいでした。
    ヘディングもエブラが身体を入れているためベイルは身体を反らしてヘディングしたから外れるのも仕方ない。それだけユベントスの守備堅い。
    ベイルのイージーチャンスはほぼなかったですよ。

  4. makoto より:

    Uボマーさん>
    おっしゃるとおりです。取引下手な着地になりそうなのが、私が感じている不安のタネです。

    にわかスパーズファンさん>
    確かに、スパーズサポーターの方は複雑かもしれません。ガナーズサポーターのセスクに対するアクションが、拍手とブーイング半々だったのを思い出しました。

    鬼さん>
    うーん、評価が分かれているのでしょうね。サポーターは、過去経緯も加わっているのでしょうがブーイングが多く、「素晴らしいシュートはあったが決められなかった」「周囲との絡みは今ひとつ」という理由で低評価としているメディアもありますので。私も、試合直後のレポートで低く評価しました。

    枠内シュート1本では、総合的な評価としてそんなに高くはできないのではないかと思っていたのですが、「シュートがよかった」ではなく、「全体的によかった」というメディアもあったのですね。ヘディングシュートのシーンでは、エヴラはベイルがボールにコンタクトした後に接触しているので、決めなきゃ!と思いました。前半の、マルセロのクロスをフリーでふかしてしまったヘッドも、ファーポスト際を狙って枠に入れてほしいシュートだったと思います。

  5. より:

    アレッグリの戦術は1レグはラモスをフリーしてラモスにボール集まるようにした。
    要するにラモスから危険なパスは来ない。

    2レグではベイルをフリーしてベイルに集まるようにした。勿論ベイルからも怖いパスは来ない。
    逆にレアルはCBボヌッチとピルロとマルキージオがボールを持つと精度のよい前パスが来るからCBキエリーニをあえてフリーにした。
    ベイルは一部のファンから存在自体を批判されている可能性が高いですね。

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