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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

公式戦3連勝!指揮官と新戦力がマンチェスター・ユナイテッドにもたらした7つの変化【後篇】

「公式戦3連勝!指揮官と新戦力がマンチェスター・ユナイテッドにもたらした5つの変化【前篇】」より続きます。前編では、「SBの攻撃」「ゾーンディフェンス」「カウンター対応」について紹介しました。この後篇では、「ストライカーの動き」「ポグバ効果」「モチベーション」「ズラタン効果」について触れさせていただければと思います。

攻撃面の最大の変化は、「サイドからクロスが上がる際に、必ずストライカーがゴール前にいてくれる」ことです。2月にラシュフォードが現われるまでは、マンチェスター・ユナイテッドの最前線にはこれがありませんでした。ルーニーはムラがあり、ストライカーとしてのポジショニングではないこともしばしば。右からのクロスをファーで仕留めることが多かったマルシアルのプレイは、左サイドの選手のものです。一方、今季加わったイブラヒモヴィッチは、必ずワンタッチで打てるところに入ります。あれだけ1対1に強いストライカーが、DFが嫌がるポジションにきっちり入ってくるからこそ、ウェズ・モーガンやフォンテが呆然とさせられた超絶シュートが決まるのだと思います。

プレミアリーグ復帰戦のポグバは、マタよりも視野の広いゲームメイクでボールを動かし、ズラタンやルーニーにタイミングよく速いパスを当てて前への推進力をもたらしていました。シュートやパスの瞬間、相手の読みを外すフェイントも秀逸で、右足で中にクロスを入れると見せかけて、左に流れてきたマタに左足で浮かしたパスは絶品。マタのヘディングを受けたズラタンの右足がもうワンテンポ早ければ、ゴール右上にスーパーバイシクルが決まっていました。中盤に3人もゲームメイカーがおり、しかも全員が最終ラインの裏に飛び出してくるチームは、相手にとってはやりにくいでしょう。昨季プレミアリーグで11ゴールだったマルシアルは、ポグバやイブラヒモヴィッチのフォローを受けて、さらに数字を伸ばしてくれるはずと期待しています。

そして最後に、メンタルの変化として、モチベーションの高さと「ズラタン効果」を挙げたいと思います。キャリア最後に最高の監督と評価するモウリーニョさんとタッグを組むことができたズラタン、「ずっと獲得したいと思っていた選手が、今は私のそばにいる」と指揮官がベタ惚れの主将ルーニー、請われてプレミアリーグに舞い戻ってきたポグバは、監督のためにという気持ちが強く、チームの結束力は上がっているのではないかと思われます。ズラタン効果については、「BTスポーツ」が報じたモウリーニョさんのコメントを紹介するのがいいでしょう。

「私は彼のことをよく知っているから驚かないが、おそらく選手たちは驚いているだろう。それは、単純なクオリティの話ではない。彼のクオリティについてはみんな理解しているはずだからね。驚くのは『責任感』と『モチベーション』だ。彼は、若い選手たちにとって素晴らしいお手本となっている。とりわけラシュフォードにとっては、彼と過ごす時間はギフトだ」「イブラヒモビッチはいいヤツだ。彼は外にはああいう打ち出し方をしているが、それは彼という人間を表していない。彼はいつも、周囲を楽しませる。キットマン(用具係)とも仲がよくて、こないだ『神の汗を拭うタオルをくれ』と彼が頼んだときは、とにかく爆笑の渦さ」(ジョゼ・モウリーニョ)

7月15日にロサンゼルスで会食をしたポグバとは、インスタグラムで絡んでいます。入団が決まった際に、自分とプレイしたくて来たんだろうと11歳年下のMFを挑発すると…

「俺のユニフォームがアイツを連れ戻した(Finally my shirt brought him back. )」(イブラヒモヴィッチ)
「この男は有名になりたいんだろう。僕と写真を撮ってね」(ポグバ)
「俺がオマエを有名にしてやってるんだよ」(イブラヒモヴィッチ)

と、いかにも体育会系のじゃれ合い方で盛り上がっておりました。新しい選手たちがマンチェスター・ユナイテッドとプレミアリーグに早くフィットするために、同じ新戦力のズラタン・イブラヒモヴィッチが大きな役割を果たしているのかもしれません。

マンチェスター・シティやリヴァプール、チェルシーが戦力増強とモデルチェンジを敢行しているなか、モウリーニョ監督のチームがプレミアリーグ優勝にどれだけ近づいたのかは、直接対決をひととおり済ませてみないとわかりません。しかし、ここまでの戦いぶりの評価に今後の伸びしろを加味すると、最後まで優勝争いに食い込み続けるぐらいの健闘を期待していいのではないでしょうか。サポーターとしては、いちばん怖いのは負傷者です。とりわけプレミアリーグとヨーロッパリーグ制覇のカギを握る「神」と「史上最高額プレイヤー」が、シーズンを通じて元気であることを祈っております。(ズラタン・イブラヒモヴィッチ 写真著作者/Илья Хохлов)

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“公式戦3連勝!指揮官と新戦力がマンチェスター・ユナイテッドにもたらした7つの変化【後篇】” への5件のフィードバック

  1. シティふぁん より:

    makotoさんの嬉しさが、期待感が滲み出てますね笑
    ファーガソン監督時代の憎たらしいほど勝つユナイテッドが見られるかもしれませんね
    まだ2試合ですし昨季開幕5連勝して最終的にギリギリ4位のチームがありました
    先のことは誰にもわかりませんが優勝しそう勢いがありそうです

  2. mufc7 より:

    リーグ戦2試合目にしては良いチームですが、4節にはマンチェスターシティとの勝負が待っています。かつてモウリーニョとペップの両雄がいたスペインではレアルが悪役でバルセロナが正義のようなイメージがついてしまいました。我々のユナイテッドもそんなイメージがつかないか心配になります。ペップを相手にするといつも子供のような態度にでてしまうのをユナイテッドではやめていただきたいですね。彼に長期政権は望めないだろうと思っていますが、若手の起用は忘れないでほしいです。ここまでベンチにラッシュはいるだけで途中交代もないですからね。彼が最初にいった言葉、全てを勝ち取りたい。若手だって起用してきたって言葉を信じています。スターを使って勝利はどの監督にだって出来ます。望むユナイテッドの監督はスターと生え抜きのコンビネーションで勝ち続けるユナイテッドです。もう一段、二段上のステップの監督だけが出来る所業で過去に出来たのはファーガソンだけでしょう。モウリーニョにならできると信じています。

  3. プレミアリーグ大好き! より:

    モイーズでもファンファールでもイブラがいれば強かったよという声がツイッターなどではちらほらありましたが(笑)イブラやバイリーがモウリーニョだから来たと言ってたりで、そこからもう監督の差は出てきてるということでしょう。

    怪我人が一番の不安という意味では、モウリーニョはシーズン通して怪我人を少なくすませるコンディショニングにおいてはトップの監督なのでいいかもしれませんね。

    おそらくカップ戦ではイブラを休ませ先発するであろうラッシュフォードがいやイブラ怪我しても全然大丈夫でしょという位のインパクトを見せる期待があります。

    ペップバルサとモウリーニョマドリーはその激しい軋轢ふくめ私には最高のエキサイティングな戦いで、悪役イメージだとかは全く個人的にはどうでもよく、歴史上史上最高チーム候補に挙げられるペップバルサを、唯一リーグで引きずりおろしたのがモウリーニョマドリーで、その恐ろしく難しい仕事のために本当にあらゆる手を使った姿は、「あの男は勝つためには何でもする男だ」とたたえるイブラをはじめとして支持する人も少なくない。
    そしてペップにリーグ戦で土をつけた唯一の監督がいまだにモウリーニョ一人しかいない、そこで今年はどうか?ということも今年のプレミアをさらに面白く見せてくれる要素ですね。

  4. リバサポ より:

    対戦相手としてモウリーニョの何がキツイかというとセットした守備もしっかりしてるのもあるんですが、ネガトラが上手く設計されてるのがキツイんですよね。
    じっくり攻めても崩すのが難しい+ロングカウンターを考えると面倒くさいので、じゃあトランジション勝負だ!ってなってもどうにもいかない…あの感じがつらいんめすよね。
    チェルシー黄金期みたいにドログバクラスのFWもいますし、守備に加え、セットした攻めを確立されると。もう本当に面倒くさい相手だなぁと。愚痴が出ますよ。

  5. makoto より:

    シティふぁんさん>
    厳しい時期はどのクラブにもくるので、昨季みたいな大スランプに陥らないことが重要だと思います。マン・シティもチェルシーも強そうなので…。

    mufc7さん>
    「ペップを相手にするといつも子供のような態度にでてしまうのをユナイテッドではやめていただきたい」→同感です。若手については、まだ2試合ですので長い目でみようと思ってます。今は新しい戦力の融合と、戦略・戦術の熟成を進めていただければいいか、と。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    最初のマンチェスターダービーは、あちらも新チーム構築中につきチャンスですので期待しています。ヨーロッパカップもあるので、スタメンの選手をうまく休ませながら戦ってほしいです。次節はムヒタリアン先発、後半からラシュフォード登場か、と。

    リバサポさん>
    2014-15前半戦のチェルシーのように、攻撃にキレがありつつリードするとゆったり畳めるチームを築いていただければと思ってます。

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