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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

今すぐ中国か、夏の決断か…ベンチが増えたウェイン・ルーニーはどうする、どこへ行く?

私が今、最も怖れているのは、チェルシーの強さでもガブリエウ・ジェズスの飛び出しでもありません。短期的には移籍市場締め切り、あるいは「夏のモウリーニョ」です。…「マーケットは1月末で締まったのでは?」と疑問に思った方、失礼しました。ここでいう締め切りは、プレミアリーグではなく中国のほうです。今のところは具体的なアクションはないようですが、ウェイン・ルーニーがクラブ史上最多の250ゴールという置き土産を残して、世界で最もリッチなリーグに旅立ってしまうことを危惧しているのです。

サー・アレックス・ファーガソンなら、ギグスやスコールズのように、納得いく形でチームに残すという道もありそうですが、現在の指揮官は「去る者は追わず」のモウリーニョさんです。あれだけ関係が深かったフランク・ランパードでさえ、「彼はフリーエージェントでチェルシーを去り、自分の人生を選んだ。われわれは不満をいうことはできない。これがフットボールだ」と、あっさり後姿を見送った方です。こういった判断を間違いだとは思わないのですが、ルーニーが同じように去ってしまうのはあまりにも寂しく、2月は踏みとどまったとしても夏に何かが起こるのではないかと、ときどき不安にかられます。

2004-05シーズンに赤いユニフォームに袖を通して以来、13シーズンめでプレミアリーグ385試合出場180ゴール。これだけの実績を残した選手は他におらず、できればオールド・トラフォードで引退のスピーチを聞きたいのですが、今季プレミアリーグ17試合2ゴールは、ストライカーなら引き留めたくなる数字ではありません。急転直下で2月に別れを告げるのか、夏に去るのか、残るのか。ルーニーが「出ていく」といえば、誰も止めないでしょう。

ここからは私の願望も込めたお話ですが、ウェイン・ルーニーは、中盤センターに下りれば、スコールズのように長く活躍することができると思います。いや、笑われるかもしれませんが、マイケル・キャリックやジョーダン・ヘンダーソンのようにアンカーとしていい仕事ができるのではないかとすら思うのです。ハードなチェックばかりが中盤の守備ではありません。その昔、横浜フリューゲルス最後の年に、天皇杯の準決勝を観戦したのですが、セザル・サンパイオが相手のパスコースにすっとポジションを変えるだけで攻撃を遮断し、味方のボール奪取をサポートしていたのを見て感心しました。ルーニーは、当たりが弱くないだけでなく、こういったセンスも備えている選手だと確信しているのです。やれるはず。やってほしい。問題は、ご本人の意向がはっきりしない(ように見える)ことと、ボスの嗜好です。

アンリをウイングから真ん中にコンバートしたヴェンゲルさんや、ラームを中盤で起用してハビ・マルティネスを最終ラインに下げるなどの芸当を見せたペップなら、ルーニーの最適ポジションを探り当てることに心を砕くかもしれません。しかし、モウリーニョ監督はスペシャリストが好きだと公言しており、ルーニーは9番か10番であり、8番ではないとも言い切っています。2列めに下げるかどうかというテーマで語られているなかで、私の6番案などは、モウリーニョさんに真っ先に笑われてしまいそうです。

「ルーニーありき」ではないことはわかっています。キャリックが健在で、ポグバ、エレーラ、マタでうまくいっているチームに、ルーニーコンバートの動機がないのも承知しています。きっと私は、プレミアリーグ歴代2位の通算195ゴールを挙げ、5度のリーグ優勝に導いてくれた稀代のストライカーと、どうやって別れればいいのかがわからないだけなのでしょう。わからないまま、その日は刻一刻と近づいているようです。

2014年の夏にランパードがチェルシーを去り、翌年ジェラードがリヴァプールに別れを告げ、今年はルーニーとジョン・テリーが大きな決断をするかもしれません。2000年代のイングランド代表とプレミアリーグに心を躍らせていた人々にとっては寂しい話が続きますが、ヘンダーソンやデル・アリ、ラシュフォードの活躍を見ながら少しずつ慣れていくのでしょう。ウェイン・ルーニーの古くからのファンとして、ランパードやジェラードを慕うサポーターがそうであったように、ニュースに一喜一憂しながら心の準備を始めようかと思う今日この頃であります。

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“今すぐ中国か、夏の決断か…ベンチが増えたウェイン・ルーニーはどうする、どこへ行く?” への7件のフィードバック

  1. nyonsuke より:

    更新お疲れ様です。

    ついにルーニーにもこのような話題があがってしまうのですね。
    私の心の選手たるジェラードとの別れはあまりにも唐突でした。
    ジェラードはリヴァプールでワンクラブマンとして引退すると疑いすら抱いていなかったからかもしれません。
    今でも思うのですが、あの時監督がクロップであったなら・・・、移籍報道が出ては残留するルーカスのようにまだレッズでプレーしていたのではないか、ジェラードもサポーターも納得のフィナーレを迎えられたのではないかと思うのです。
    だからこそ、管理人様の心配は痛いほどわかります。
    またもしルーニーが移籍した場合、マン・ユナイテッドの象徴たるプレーヤーがいない状況にサポーターはチームはどのようになってしまうのか・・・。
    ライバルクラブではありますが、それ故にスコールズもギグスもルーニーもいない、そしてレッズにはキャラガーもジェラードもいないダービーを誰が盛り上げてくれるのでしょうか。
    レッズはヘンダーソン、コウチなどジェラードとともにプレーした選手達が魂をもってプレーしてくれると信じています。
    マンチェスター・ユナイテッドは・・・、ルーニーはまだチームに必要な選手ではないかと思います。

  2. makoto より:

    nyonsukeさん>
    そうなんですよね。クラブのシンボルと呼べる選手がいなくなってしまうのです。キャリックはいぶし銀、ラシュフォードとリンガードはこれからの選手、スモーリングに絶大な信頼はなく、デ・ヘア…? 心配です。

  3. トト より:

    一時期セントラルで活躍していたルーニーですから、ポジションチェンジで残って欲しいのはありますが、やはり監督がフォワードのルーニーとしての考えがあるならやむをやむを得内ですね。

  4. スパーズ推し より:

    正直、ルーニーのポジション問題議論が起こる度、青いユニフォームを指揮しているコンテが、赤いユニフォームを指揮していたら、と思わずにいられません
    何故ならば、その手のシステムを近年構築したのはコンテだからです、すなわちピルロシステム

    ルーニーがスコールズのようになれるというのは僕も賛同します
    そして、あのロングフィードの精度があればピルロシステムの模倣でも上手くいくと思います(流石にピルロと同じ、上空から落とすような芸術的ロングアシストまでルーニーに真似できる、とは言い切れませんが)
    ピルロの横で経験を積んだポグバがいて、前線にはテベス以上にボールが収まるイブラがいるのです
    付け加えるなら、ピルロとは違いルーニーはフィジカルコンタクトを苦手としていませんから、ピルロシステムの欠点が一つ補える訳です

    もっとも、ルーニー本人がそれを受け入れるか、そして指導者はコンテではなくモウ、ということで机上の空論に終わりそうですが……

  5. ルニキ より:

    更新お疲れ様です。

    ルーニーは大好きな選手ですが、個人的にはポジションを後ろに下げても、司令塔の役割は厳しいと思っています。
    特にこの手の話には必ず出てくるスコールズのようなプレーができるとは思えません。狙いを定めたところに精確に蹴るという、純粋なキックの精度では勝負もできるとは思いますが、視野の広さ、判断力の早さと正確性、サイドに振るだけでなく縦パスをしっかり入れながら、チームのチャンスを1から作ることもできる司令塔としての役割は、世界でも有数だったスコールズと比べてしまうと厳しいとしか言えません。

    スコールズやキャリックと比べるとゲームを作る能力が、ヘンダーソン辺りと比べると運動量が致命的に足りません。それらを本格的なコンバートで身につけられるとも思えませんし、ユナイテッド退団は避けられない気がしてます。
    そんな考えは愚かだったと思わせてくれればいいのですが…

  6. プレミアリーグ大好き! より:

    左右にロングパスみたいなセンターハーフはもう必要ない気もするのでキャリックのような糸を通すような縦パス出せるかが大事だと思います。
    印象論ですが今季の攻めきれず勝ち点落とした試合にルーニーを中盤で投入したとして試合の流れが変わる感じがあまりしないような・・。

  7. MUFC より:

    今までとは明らかに違うトラップの質、判断の悪さ、体に鉛でも付けているかのような重く鈍いプレーを見ていると中盤でも難しいのではないかと思います。偉大なプレイヤーなのは十分に分かっていますが不調な選手をベンチに置いていれば他の選手にもいい影響を及ぼすとは思えません…悲しい別れが近いかもしれませんね。ファーガソンはこうも言っていますね「no player is beggar then the club」彼は偉大ですがマンチェスターユナイテッドはもっと大きく偉大なクラブなんです。

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