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若手をどう輝かせるか…「スカイスポーツ」が指摘するジョゼ・モウリーニョの課題。

「彼に対して最もいいリアクションを見せるのは、彼が勝つのを助けてくれる選手ではなく、彼に勝ってしまうマネージャーたちだ」。 ポグバやラシュフォードとの確執が報じられているモウリーニョ監督について、「スカイスポーツ」が興味深いレポートをリリースしています。題して「Is the Jose Mourinho era now over? He is a victim of his own success(モウリーニョの時代は終わったのか?彼は自身の成功の犠牲者だ)」。先週末のウルヴス戦は1-1のドロー。カラバオカップのダービー・カウンティ戦は、GKロメロの退場で10人で戦うことを強いられ、1-2からフェライニのヘッドで追いついたものの、PK戦で敗れて早々に大会から去ることになりました。

ウルヴスで指揮を執るヌーノ・エスピリト・サントは、ポルト時代のモウリーニョ監督が一緒にCLを勝ち取った選手で、ダービーの監督に就任したフランク・ランパードもまた、チェルシーでプレミアリーグを連覇したときの主力メンバーです。その昔、自分に忠誠を誓ってくれた人物たちに足をすくわれ、ともにプレミアリーグを戦う現在の選手たちとは緊張感の高い状態が続いている…記事は、若い世代に対するアプローチが、モウリーニョ監督が抱える大きな課題だと指摘しています。

「かつてプレミアリーグの選手たちの食生活を改革したアーセン・ヴェンゲルがそうであるように、斬新だったモウリーニョの組織レベルも今や普通である」。ピッチを4つのグリッドに分割した機能的なトレーニングに驚愕したジョン・テリーは、「新しい選手を買ってお前の代わりに据える」と脅される屈辱を受けても、「もっとハードワークして、監督に印象を残したい」と発奮。当時の選手たちは叱咤に対して結果で見返そうとしましたが、時代は移ろい、モウリーニョ監督のメソッドもハードマネジメントも、若い選手には響かなくなってきました。

「2010年にチャンピオンズリーグを制したインテルはベテラン揃いで、ファイナルに出場した最年少の選手は25歳だった。モウリーニョが去るとき、赤ん坊のように号泣したマルコ・マテラッツィを誰も止められなかった」
「チェルシーにはテリーやランパードだけでなく、チェフやドログバがいた。彼ら4人は、スタンフォード・ブリッジでモウリーニョ第二次政権を仕切った選手たちだ。2015年の夏に2人がドレッシングルームを離れると、緊密な糸はほどけてしまった」

「スカイスポーツ」の指摘を目にして、マンチェスター・ユナイテッドもまた、ズラタン・イブラヒモヴィッチとウェイン・ルーニーを失ったのだと実感しました。「フランス・フットボール」のインタビューで、モウリーニョ監督自身が「新しい世界に適応しないと。今の若い選手たちのね」と、克服すべき課題の存在を認めています。

「理解しないといけない。23歳のフランク・ランパードは既に大人で、サッカー、仕事、プロフェッショナリズムについて考えていた。今の23歳は、キッズだ。男とはいわない。悪童だね。彼らを取り巻くあらゆるものは、人生や仕事の助けにはならないのに」
「10年前には、ドレッシングルームにスマホを持ち込む選手などいなかったけど、そんなのはもはや事件でも何でもない。ついていかないといけないんだ。戦えば対立を生むだけで、石器時代に身を置いてしまうリスクがある」

羊飼いのように、選手の後ろに立って手綱を引くラニエリ監督のようなタイプよりも、常に先頭に立って選手を引っ張ってきたモウリーニョさんのほうが、世代ギャップに対応するのが難しいのかもしれません。「改革は常に、歳を重ねたマネージャーがトップに残るための課題となる。ハイプロフィールの選手たちと仕事をするだけでなく、身をすり減らして成功を築かなければならない人物にとって、大きな問題が確実に存在している」。フットボールジャーナリストのアダム・ベイトさんは、ポール・ポグバを想起させる言葉を使いながら、稀代の名将は変わらなければならないと主張しています。

記事がいうとおり、厳しい状況が続いていますが、どうか踏ん張ってほしい。壊れないでほしい。崩れないでほしい。事態が快方に向かう最高の処方箋は、エースの活躍と勝利だと思います。嫌な予感が漂うウェストハムとのアウェイゲームですが、メディアから聞こえてくるノイズを吹き飛ばす快勝を期待しています。ポグバとモウリーニョ、どちらが正しいか、どちらを残すべきかとさまざまな声が飛び交っていますが、ひとつだけいい切れることがあります。試合に勝てなければ、両方とも敗者です。

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“若手をどう輝かせるか…「スカイスポーツ」が指摘するジョゼ・モウリーニョの課題。” への3件のフィードバック

  1. マンユナイテッド より:

    「試合に勝てなければ両者とも敗者」
    まさにその通りだと思います。
    ピッチ外のことは一旦置いておくとしてピッチ内の話についてですが、少なくともウルブズ戦に関してポグバのプレーは悪くなかった、むしろ調子は良さそうでしたが、あまりにも周りのサポートがない、遅いことが原因でボールをロストしていたし、あまりにもルカクが動かない、ポストプレーが下手すぎるのがポグバの負担を増やし、サンチェスも輝かないのかなと思います。
    個人的にはサンチェス0トップに調子が上がってきたマルシャルを左におき、ポグバ、フレッジと絡ませる方が攻撃面での改善が望める気がします。
    まあルカク外しはしないのかな…

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    >23歳のフランク・ランパードは既に大人で、サッカー、仕事、プロフェッショナリズムについて考えていた。今の23歳は、キッズだ。

    もうポグバは25歳だけど、いつまでキッズのままなのかといい加減思ってしまいますけど
    報道が正しいとも思いませんが、反モウリーニョグループとして20歳そこらの選手たちと結託してるというのは悲しくなってきますね

  3. 赤い悪魔? より:

    モウリーニョのサッカーの特徴は?って聞かれたらつまらないけど勝つことだと思います。
    とにかく結果を残して欲しい。
    応援しています。

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