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【速報】未来なき戦いにピリオド。マンチェスター・ユナイテッド、モイーズ監督解任発表!

ガーディアン、タイムズからミラー、テレグラフ、スカイスポーツ…。高級紙から大衆紙まで、昨日からイギリスのメディアが軒並み同様の記事を載せているので、有力なニュースソースからの情報なのだろうとは思っておりました。概ね、書かれていることは同様で、「オーナーであるグレイザー一家の信頼を完全に失った」「発表は今週中、早ければ22日」「当面の代理監督はコーチ兼任でもあったライアン・ギグス」「来季監督の候補はファン・ハール氏かユルゲン・クロップ氏」。エクスプレス紙に至っては、「香川真司、ファン・ぺルシとウェルベックは、モイーズ解任で移籍を思いとどまる」(Welbeck, Kagawa and Van Persie put Man Utd exit plans on hold with Moyes set to be sacked)という具体的な見出しまでつけていたぐらいです。そして先ほど、ツイッターアカウントで正式に広報があったようです。4月22日、マンチェスター・ユナイテッドは、デヴィッド・モイーズ監督の退団を発表。ニュアンスを汲んで「解任を決定」と読み替えても齟齬はないでしょう。

あらためてはっきりしたのは、前任者が27年プレミアリーグで戦い続けたサー・アレックス・ファーガソンだったからといって、モイーズ監督に長期的に任せるという話がデフォルトだったわけではなかったことと、ヨーロッパリーグ出場権という「クラブにとって取るに足らない価値」を獲れるかどうかは関係なかった、ということでしょう。大局的にいえば、モイーズ監督が未来図が描けず、51通りのスターティングメンバーに象徴されるように、ポリシーや一貫性すらも明示できなかったことが最大の原因。直接的なトリガーは、存外、エクスプレス紙が主張している「選手の流出話が深刻化していたこと」なのかもしれません。選手の獲得や流出阻止において、チャンピオンズリーグに出られないのはもちろん大きな痛手ですが、現在チームにいる選手にとっては、監督の方針や起用に対するストレスや、来季のプレミアリーグでチームも自分もよくなると思えないことのほうが大きいでしょう。

この時期に監督を代え、しかも代理監督は選手兼任かもしれないという状況は、そこだけとれば不細工極まりないですが、ひとつだけ、いいことがあります。来季の監督候補へのコンタクトは、同様にトップ交代がささやかれているトッテナムやバルサより迅速でしょう。…この10ヵ月のことは、あれこれいいませんので、少なくとも次の監督は、欧州で戦えるだけの経験があり、マンチェスター・ユナイテッドのサッカーを意志をもって進化させられる人材にしていただきたいと思います。残念ながら、今日のニュースが今季のプレミアリーグでいちばんうれしいニュースでした。マンチェスター・ユナイテッドの経営陣のみなさん、私は今回の決断を全面的に支持します。このうえは、来季の巻き返し計画をよろしくお願いいたします!

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“【速報】未来なき戦いにピリオド。マンチェスター・ユナイテッド、モイーズ監督解任発表!” への8件のフィードバック

  1. Uボマー より:

    モイーズは必ずしも悪い監督ではなかったと思います。ただビッグクラブを率いるには器が足りなかった。個人的には戦術云々よりも、ビッグネームの選手のコントロールができないことが問題だったと思います。またビッグクラブであることを意識しない発言も意味不明でした。クラブ全体を掌握していたファーガソン前監督を追い求めるには元々無理だったんでしょう。今後はユナイテッドも分業制が進むのかもしれません。そうでないと後任も厳しい立場に追い込まれてしまうんではないでしょうか。

  2. londres nord より:

    モイーズに違約金が1億5千万£って本当でしょうか? だけど、1年目の途中解任は礼を失した行為だと思います。
    ユナイテッドの昨日の終値が17.72$ですが、解任で株価は急騰でしょうね。

  3. makoto より:

    うーん 解任ですか…
    「切ってあげる」タイミングはいくらでもあっただろうに
    何でここまで引っ張ったんでしょうね…
    ユナイテッドのブランドにもモイーズのキャリアにも傷がついてしまったのでは?
    どうにもモイーズ氏が可哀想に思えてなりません(涙)

    —–
    エバートンで安定した成績を残してもビッグクラブでの仕事はマネジメントやプレッシャー、選手との接し方などがまるで違ったのかもしれません。ファーガソン云々ではなく。
    後任監督のアンケートでクロップが断トツだったみたいです。
    その期待にフロントが答えられるかどうか!
    もし就任されたら、異国の地での挑戦になり、プレースタイルも違う中での挑戦になると思いますが攻撃的なスタイルを貫いて欲しいですね!応援します!
    就任したらの話ですが^ – ^

    —–
    Uボマーさん>
    おっしゃるとおり、モイーズ氏は、ビッグクラブの監督としては足りないところが目立ちましたね。いいといわれながら、上位に勝てなかったエヴァートン時代も、やっていたのは「中の上、ぐらいのサッカー」であり、プレミアリーグを勝てるような戦略・戦術ではないと思います。

    分業に関しては、ヴェンゲル、モウリーニョは分業せずにやっており、プレミアリーグには「全権監督」、もしくはそれに近い立ち位置が多いので、分けることありきで考えなくてもいいのでは?と思います。分業がきっちりしているところは、それこそ「船頭多くして…」というような、別な悩みがありますから。

  4. makoto より:

    londres nordさん 釜元杉山さん>
    個人的には、もっと早く解任していれば、プレミアリーグ4位は狙えたのではないか、と思ってます。「礼を失した」「可哀そう」という考え方は、それはそれであるのかもしれませんが、私はプロスポーツにおいて、結果を残せない監督はいつクビになっても仕方がない(=それも含めた契約・サラリーであるという前提)と考えているので、解任のタイミングについては「クラブにとっていいタイミング、いい代え方なのか」がすべてだと考えます。

    可哀そう、は、「早く代えられて可哀そう」「中途半端に代えられて可哀そう」「終盤までがんばったのに可哀そう」と、いつクビになってもいえてしまうような気もします。「礼を失した」ということでいえば、状況が厳しい場合は、「コーチや選手への礼」「サポーターやスポンサーへの礼」のほうが重要になる場面もあると思います(むしろ、そちらが大事なケースも!?)。

    私は、出来が悪いと一発で切られ、二度とオファーがもらえないような仕事をしてますので、ドライに考えがちなところもあるかもしれません。おふたりを「間違い」というつもりはありません。気に障ったらすみません。

  5. makoto より:

    クロップさん>
    クロップ監督がいいと思いつつ、ドルトムントのスタイルをどこまで貫き、どこからはプレミアリーグ用にカスタマイズするのかは難しいだろうな、とも思います。

    それでもクロップさんがいうように、ドルトムントの監督がいらっしゃるならば、攻撃的スタイルを貫いてほしいですね。私がモイーズ氏に失望したのは、負けたからとかサッカーがオーソドックスだから、というよりも「フラフラして何がやりたいんだかわからず、まったく未来が見えなかったから」です。秋口に少し持ち直していた時期は、わりと無邪気に応援していたんですけどね…。

  6. リバサポ より:

    londres nordさん 釜元杉山さん>
    ちなみに、昨季のロジャース監督がクビになっていたら、「それはないんじゃないか」といっていたと思います。マンチーニがクビになったときも、FAカップでウィガンに負けては仕方ない…という気持ちが半分ありつつ、「その解任は厳しいな」と思ってました。彼らには、めざすスタイルがあり、来季巻き返せるという期待感があり、(あくまでもクラブとしてではなく「一般的に」ですが)許容できるレベルで踏みとどまってましたから。

    モイーズ氏の今季の実績とサッカーの魅力のなさは、クラブとしてもサポーターとしても、許容できる範囲を超えてしまった、という認識です。

    —–
    これでユナイテッドやスパーズにまともな監督が就任にし、アーセナル、リバプール、エバートンが来季さらに補強すると、かなりカオスなリーグになりそうですね。

    —–
    モイーズさんお疲れ様でした。
    さて、今回の記事ですが。モイーズの後任に誰をたてるのか全くはっきりしてませんね。これは、AVBを解任した時のスパーズと同じではないでしょうか?
    さらに心配なのが、やりたいサッカーを中長期的に明示できる監督は、なかなかすくないのではという疑問です。
    私はそのことをここ数年のリバプール人事で学びました。さらにいうと、ファン・ハール以外に名前が上がってい監督を引き抜けるのか?という問題もありますし、最善の策としては、モイーズを今季いっぱいで、水面下で中長期的なプランを練れる監督と仮契約することだと思います。
    このままでは、スパーズと同じ轍を踏みそうな気がします。

  7. makoto より:

    リバサポさん>
    私も「不細工極まりない」と書きましたが、ギグス代理監督という流れは、昨季のマンチーニや今季のヴィラス・ボアス解任同様、いい形ではありませんね。

    次期監督選びをする際に、「モイーズに解任を告げず、オープンに広報をしないまま」水面下でやってしまうと、今季マンチーニが内情暴露をしたような、ネガティブな話になりかねません。マンチェスター・ユナイテッドとしては、不細工を甘受し、来季の欧州チケットを諦めるというマイナスを覚悟しながら、「次期監督候補への、フェアで素早いアクション」を重視したのではないかと推測します。

  8. makoto より:

    あああさん>
    来季のトップ4はどうなるんでしょうね。いずれにしても、おもしろくなったことだけは間違いなさそうです。

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