イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

負傷者続出のプレミアリーグ。上位クラブの「ケガしたら代わりがいない選手」は誰だ?

プレミアリーグ開幕から3試合を消化したばかりですが、 プレシーズンのがんばり過ぎの影響からか、大量に主力を欠いたマンチェスター・ユナイテッドを筆頭に、ここにきてケガ人が続出しています。ジエゴ・コスタとスタリッジという、チェルシーとリヴァプールのエースストライカーが太ももを痛めて代表を離脱すると、ニューカッスルの中盤を統率してくれると期待されたシーム・デ・ヨングがこちらも太ももで長期離脱。ストークのオデムウィンギーは手術が決まり、ハル・シティのトップ下として期待されたスノッドグラスの6ヵ月に及ぶ不在は、移籍市場締め切りぎりぎりで補強したベナルファとガストン・ラミレスで埋めることになるのでしょう。アーセナルは毎年恒例のキーラン・ギブスと、骨折で復帰まで4ヵ月と診断されたオリヴィエ・ジルー。昨季の負傷でワールドカップを棒に振ったウォルコットは、9月に戻ってこられるのでしょうか。

マンチェスター・ユナイテッドの不振は、チームが未完成である以上に、期待された選手が次々とリタイアしたことが最大の理由でしょう。エレーラ、スモーリング、ルーク・ショー、キャリック、フェライニ、リンガード。なかでもいちばん痛かったのは、ルーク・ショーではないでしょうか。SBとして激しい上下動はお手のもので、3バックのサイドのスペースをケアできる期待の若手を失ったことで、マンチェスター・ユナイテッドのディフェンスは不安定になり、左からの攻撃に迫力を欠くようになりました。

さて、移籍市場が締まった今、ここからの主力のリタイアは、プレミアリーグ優勝を争うクラブにとっては致命傷になりかねません。上位クラブの選手のなかで、絶対に欠かすことのできない存在は誰でしょう。私が考える「いなくなれば直接、勝ち点に影響が出る選手」は、次の顔ぶれです。ラヒム・スターリング、アーロン・ラムジー、ダヴィド・デ・ヘア、クリスティアン・エリクセン

リヴァプールは、スタリッジの影響も大きいと思われますが、今季になってさらに凄みを増したスターリングの代役は、コウチーニョ、ララナ、マルコヴィッチの誰にも務まらないでしょう。スターリングは、ワールドクラスが揃うプレミアリーグのなかでも、相手の組織にまったく穴がなくても決定的なチャンスを創りだせる数少ない選手だと思います。チームの連携のクオリティが上がっているであろう来季の今頃なら、スターリング不在時の攻撃のスタイルも確立されているはずですが、ここから数ヵ月の間は、背番号31が元気であることが、リヴァプールがチェルシーやマンチェスター・シティに置いていかれないために最も重要な要素なのではないでしょうか。

同じことは、アーセナルのアーロン・ラムジーにもいえるでしょう。中盤からの強力な攻め上がりと、得点の匂いのするエリアを嗅ぎ分ける力に磨きがかかったガナーズの大黒柱は、接戦を勝ち点1に終わらせないために絶対に必要な選手です。別な見方をすれば、特定の選手の得点力にフィニッシュを依存する傾向があるアーセナルは、エジルやカソルラらがシュートを狙うパターンを築き上げて、どこからでも点が奪える体制を創らなければいけないと思います。昨季のプレミアリーグでは、ラムジーが離脱した年末以降、ガナーズは優勝争いから脱落しました。150億円を費やす大型補強を推進した今季は、1年前と同じ理由で4位争いに甘んじるわけにはいかないでしょう。

中盤センターと最終ライン中央の守備の脆弱さが、攻撃にも悪影響を及ぼしているマンチェスター・ユナイテッドは、ロホとブリントの加入で後ろは落ち着くと思われますが、GKデヘアがいなくなれば、ちょっとした綻びが失点に直結してしまうという新たな悩みが始まるはずです。トッテナムのエリクセンも大きいですね。快勝したQPR戦で、得意のFKをバーに当てていましたが、ゴール前にGKが出られないきわどいボールを送り込む、魔術のようなセットプレーがあるのとないのとでは大違いでしょう。

こうして、ケガ人発生の影響を考えると、チェルシーとマンチェスター・シティの総合力の高さが際立ちます。昨季のチェルシーであれば、不在の影響が大きい選手のリストにエデン・アザールの名前は確実に入りましたが、今季の彼らは背番号10の突破に依存せずとも、昨季以上のゴール数を挙げられるでしょう。いなくなると痛い選手を挙げれば、ガリー・ケーヒルかもしれません。ベテランのテリーが昨季よりもよくなるとは考えられないので、チェルシーの最終ラインの強度は、ケーヒルのクオリティに拠るところ大です。マンチェスター・シティも、ダヴィド・シルヴァとヤヤ・トゥレの不在の影響は、ひと頃よりは小さくなっているでしょう。強いていえば、対応が難しいのはコンパニですが、当面はデミチェリスとナスタシッチ、今後はマンガラが、確実にその穴を埋めてくれるはずです。

ジエゴ・コスタとスタリッジは大丈夫なのでしょうか。ロイク・レミー、ドログバ、バロテッリ、リッキー・リー・ランバートが控えているとはいえ、好調だったエースのリタイアは、モウリーニョ監督もロジャース監督も考えたくない話でしょう。プレミアリーグファンとしては、飛車落ち・角落ちのないガチンコ対決での優勝争いを期待したいですね。

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“負傷者続出のプレミアリーグ。上位クラブの「ケガしたら代わりがいない選手」は誰だ?” への4件のフィードバック

  1. Joe より:

    イバノビッチがいますが、確かにケーヒルは欠かせない存在ですね。ユナイテッドはなんだかんだ言っても、ルーニーが最重要かと思います。

    近年、アーセナルやユナイテッドは、負傷者も多いですが復帰も遅いように感じます。戦術やプレースタイルも影響していると思いますが、トレーナーの差が大きそうですね。

  2. ルーカスLOVE より:

    確かに今スターリングいなくなったらキツいですね!!個人的には今年のヘンドも困りますけど…
    まぁ誰も離脱しない(スターリッジが怪我しましたが)ことが一番良いので怪我人が出ないように祈っておきます。

  3. リバサポ より:

    個人での局面打開能力だとスターリングを超える選手はいないですね。ただ、これからは試合数が増えていくにつれて彼を休ませる試合もあると思うので、そこをどう補填するのかも楽しみです。ララナ、コウチの挽回に期待しています。

  4. makoto より:

    来夏かそれ以降、クリロナがマンUに帰ってくる可能性わりとあるんですね!
    それはさておき、スタンリッジの怪我は残念です。彼のキレは本当に凄い。プレミアを観てると、イングランド代表を応援してしまうという管理人さんの気持ちが分かってきました!
    ウィルシヤーやっぱ上手い!大成してくれー

    —–
    ラムジーとデ・ヘアはいなくなると厳しそうですよね。
    エリクセンはこないだの試合観てて、何か今期は少し元気が無いように思えました。まだたった3試合ですけどね。

    それよりも、レッズサポの自分よりもスターリングの評価が凄く高いのが驚きました。
    大絶賛ですね。
    自分は、彼が怪我してもコウチーニョ、ララナ、マルコヴィッチあたりがどうにかしてくれるでしょ くらいに考えてました(笑

    —–
    Joeさん>
    捨てがたい選手はいるのですが、ぎりぎり絞ると彼らかと思いました。おっしゃるとおり、ルーニーは重要なのですが、当面は守備かなと思ってます。トレーナーの差はありそうですね。チェルシーの女性トレーナーが最近よく映像に顔をだしますが、もしかしてアザールと同じくらい大事!?(笑)

    ルーカスLOVEさん リバサポさん>
    同感です。ヘンダーソンも入れたくなりましたが、スターリングの劣勢を一瞬で変える力のほうをとりました。コウチーニョは、今まで観た印象では、昨季よりも消える時間が減って、今季に賭ける思いが伝わってくる感じです。ララナ、早く観たいですね。

    グナさん>
    スタリッジは、ゴールシーンもさることながら、ラストパスが素晴らしいです。完全に、ひと皮むけましたね。まずは今夜のスイス戦をスタリッジ不在でも勝っていただいて、ユーロで活躍する姿が観たいです。

    ご さん>
    エリクセンが元気がなく見えるのは、ララナとシャドリが目立っているから、と好意的に解釈することにしています。いずれ、天才が目にものを見せる試合が来るでしょう。スターリング不在のとき、ララナやマルコヴィッチ、コウチーニョで違うスタイルのいいサッカーはできると思いますが、相手に落ち度がさほどなくても決定的なシーンを創れるのはスターリングならでは、でしょう。上位対決で、記憶に残るようなプレイをするのではないかと期待しています。

makoto へ返信するコメントをキャンセル