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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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デ・ヘア、ファルカオが話題ですが…どうするファン・ペルシ、プレミアリーグ11年めの決断

昨日、今季最後のオールド・トラフォードでのプレミアリーグを終えたマンチェスター・ユナイテッド。試合後、ファン・ハール監督がたどたどしい英語でサポーターに満足げな挨拶をしておりましたが、チャンピオンズリーグ出場権を獲れたという結果については、グッジョブとはいわないまでも納得です。惜しむらくは、最終盤に順位を引っくり返した隣のライバルに、再逆転を許したことでしょうか。キャリック、ルーニーなど特定の選手の不在で大きくクオリティを落としてしまうところは、来季は改善していただければと思います。

さて、ホーム最終戦で話題になったのは、途中交代となった2人のワールドクラスでした。臀部を押さえながらリタイアした守護神ダヴィド・デ・ヘアは、スペイン紙「マルカ」よりレアル・マドリードとの個人合意報道が流れました。出先のメディアのニュースだけなら、騒ぐのはまだ早いと様子見をしていたのですが、一昨日、イギリス紙「デイリー・メール」がファン・ハール監督のコメントを掲載。百戦錬磨の指揮官をしても、デ・ヘアを引き留めるのは難しいようです。

「彼はスペイン人で、スペイン代表のプレイヤーで、ガールフレンドもスペイン人だ。両親は1~2週間に1度マンチェスターを訪れている。オファーを断るのは難しいね」
「彼に残ってほしいので、素晴らしい契約を用意した。われわれは偉大なクラブであり、彼のような選手を簡単に手離してはいけない。しかし彼は別の偉大なクラブに行く権利を持っており、その決断を下すのは本人だ」(ルイス・ファン・ハール)

どうやら、日曜日のオールド・トラフォードが、プレミアリーグNo.1GKの勇姿を観られるラストチャンスだった可能性が高いようです。そしてもうひとり、「交代の際にスタンドに手を振ったのは、サポーターへの別れの挨拶だったのではないか」と話題になった選手がいます。プレミアリーグ26試合出場4ゴールと、完全に期待を裏切ったラダメル・ファルカオ。ギルCEOが去った後、すっかり買い物下手となったマンチェスター・ユナイテッドといえども、買取オプションの4300万ポンド(約77億円)を気前よく払うほど太っ腹ではないでしょう。ハル・シティとの最終戦でファン・ハール監督が誰を起用するのかはわかりませんが、アーセナル戦でもパッとしなかったファルカオではなく、もうひとりのストライカーを使うのではないでしょうか。2009年にカルロス・テベスが同じことをしたと「デイリー・メール」が報じていましたが、コロンビア代表FWが何度も手を振る姿は、プレミアリーグとの決別のメッセージだったのかもしれません。

そして、「もうひとりのストライカー」ロビン・ファン・ペルシです。こちらはユヴェントスとインテルが関心を示していると報じられており、イギリス紙「インディペンデント」は、ASローマも獲得に動く見込みと伝えています。私が彼に感じるのは、ジェラードやデ・ヘア、ファルカオに比べて移籍関連報道が地味だということ。プレミアリーグ得点王を2度獲得している名選手にも関わらず、昨季のスアレスやフェルナンド・トーレス、ヤヤ・トゥレなどと比べても注目度が低いのではないかと思います。2014年ワールドカップブラジル大会でタッグを組んだファン・ハール監督が、6試合で4ゴールを決めてオランダを準決勝に導いた、いわば一番弟子を切るとなれば、マスコミとしてもおいしいストーリーのはずです。

ティエリ・アンリのようにシーズン20ゴールをコンスタントに決めるほどの爆発力はなく、セスクやランパードのように30試合出場を続けて影響力を発揮したわけでもなく。ルーニーのような献身的なプレイはなく、ジェラードのようにクラブ愛を語ることもなく、スアレスやジエゴ・コスタのような悪役扱いにひるまないしたたかさもなく。ファン・ペルシは、プレミアリーグ在籍11年という長さと実績の割に話題となることが少ないのは、突出した何かが欠けていたからかもしれません。ケガが多く、フルシーズン活躍したシーズンがアーセナルで2季、マンチェスター・ユナイテッドで1季しかないことと、「禁断の移籍」に象徴されるようにクラブへのロイヤリティが感じられないため、サポーターから愛されないことがその理由でしょうか。31歳の今季までに、プレミアリーグ341試合で159ゴールを積み上げたストライカーは、存外静かなままでイギリスを去っていくのかもしれません。

ファン・ペルシに花束を。当初、本記事のタイトルにそう書き込んだのですが、グーナーやマン・ユナイテッドサポーターのみなさんにご賛同いただけるか不安になり、やめてしまいました。しかし私は、2シーズン前に、奇跡的な数々のゴールでプレミアリーグを勝てるレベルになかった当時のチームを優勝に導いてくれたことを忘れません。プレミアリーグでの最後のゲームとなるかもしれない週末のハル・シティ戦で、ファン・ペルシが160本めとなる彼らしいゴールを決めることを願っています。誰も打つとは思わないようなポジションとタイミングから、得意の左足で、豪快に。

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“デ・ヘア、ファルカオが話題ですが…どうするファン・ペルシ、プレミアリーグ11年めの決断” への1件のコメント

  1. Uボマー より:

    ファンペルシの移籍報道が静かなのはマスコミに旬の過ぎた選手と思われているからなのでしょう。でもプレミアのFWとしてみると、数少ないCLでも活躍できそうな選手の一人だと思います。CLのベスト4に残れるようなチームには相手の守備組織が確りしていても止められないという選手がいるものです。ファンペルシも好調ならどんな体勢でもゴールを決められる能力は今でもあるのではないでしょうか。問題はそれが長続きしないこと。しかも年々活躍の期間が短くなってきました。ただ来季ファンペルシがいない編制だとCLで勝ち上がるためには特別なFWが必要でしょう。やっぱりベイルかな?

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