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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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プレミアリーグのレジェンドがまたひとり去る…ありがとう、リオ・ファーディナンド!

プレミアリーグ優勝6回、チャンピオンズリーグとFIFAクラブワールドカップを含むタイトル獲得16回。21世紀に入ってからのマンチェスター・ユナイテッドの黄金時代は、彼とともにありました。リオ・ファーディナンド、引退発表。イギリスのテレビ局「BTスポーツ1」でFAカップ決勝の直前番組に顔を見せていたマンチェスター・ユナイテッドのレジェンドが、今季限りでピッチを離れると語りました。

ウェストハムでプロデビューを果たしたリオ・ファーディナンドは、リーズでの2年間を経て、2002年にマンチェスター・ユナイテッドに加入。当時の64億円という移籍金は、現在でいえば100億円ぐらいのインパクトがあるのではないでしょうか。この後の彼がクラブにもたらした数々の栄誉を思い出せば、CBに対しては破格だった移籍金もまったく高くはありませんでした。守護神ファン・デル・サール、ヴィディッチやエヴラと組んだ鉄壁の最終ラインは、プレミアリーグはもちろん、欧州でもトップクラスの強さを誇りました。

彼のキャリアのピークは、2007-08シーズンでしょう。このシーズンのチャンピオンズリーグ決勝トーナメントで、オリンピック・リヨン、ASローマ、バルセロナ相手の6試合をわずか1失点に抑えて決勝に進出したマンチェスター・ユナイテッドは、2008年5月21日、雨のモスクワでチェルシーとのプレミアリーグ対決を迎えます。クリスティアーノ・ロナウドとランパードのゴールで120分を1-1。PK戦にもつれこんだゲームは、テリーのスリップでチェルシーが勝利を逃し、最後はアネルカのシュートをファン・デル・サールがストップ。リオ・ファーディナンドは初めてビッグイヤーの感触を確かめました。

欧州を勝ち、7か月後に世界一となったリオは、ここからなだらかな下り坂を歩いていくことになります。彼はチェルシーやアーセナルと戦う前に、より難敵である背中や腰のケガとの戦いを余儀なくされました。サー・アレックス・ファーガソン最後の年も、昨季も「マンチェスター・ユナイテッドで現役を終えたい。このクラブでキャリアに幕を下ろすのが自分の夢だ」と語っていたイングランド代表の元キャプテンには、ギグスやスコールズと同じようにオールド・トラフォードでスパイクを脱いでほしいと思っていたサポーターも多いでしょう。私も、そのひとりです。しかし、その願いが叶わなかったのは、リオ自身が招いてしまった結果だったのではないでしょうか。

ここからは推測ですが、当時のモイーズ監督批判の急先鋒とならなければ、リオがクラブに残る道はあったのではないかと思います。少なくとも、クラブのアンバサダー、サー・アレックス・ファーガソンさんは、功労者をいい形でクラブに残せるよう、働きかけてくれたでしょう。しかし、リオはサー・アレックスが最も嫌うことをしてしまいました。5月13日という早い退団発表と、そこから2ヵ月かけて決まったQPR移籍、9月発行の自伝による痛烈なモイーズ批判という流れは、解任されたモイーズ監督とリオはケンカ両成敗、どちらも放出すべしという判断となった状況証拠のように思えてなりません。

ともあれ、リオはQPRに移籍したものの、プレミアリーグ出場はわずか11試合と思うようにプレイできず、チームはチャンピオンシップに降格。5月1日に妻のレベッカさんを乳がんで亡くすなど、ご本人にとっては悲しいことが立て続けに起こるなかでの決断となりました。大教大附属池田小学校での無差別殺傷事件を聞いて心を痛め、来日するたびに献花してくれた心優しきマンチェスター・ユナイテッドのレジェンドに、心からの感謝の気持ちを表したいと思います。ありがとうございました。おつかれさまでした。ゆっくり休んで、いずれマンチェスターに戻ってきてください。

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“プレミアリーグのレジェンドがまたひとり去る…ありがとう、リオ・ファーディナンド!” への3件のフィードバック

  1. 実はグーナー より:

    引退ですか
    好きな選手の一人だけに残念
    お疲れさまでした

  2. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    ここ最近の状況を見ると引退は近いと思ってましたが、、、、ジェラード・ランパードと続きさびしいですね。いつか指導者としてユナイテッドを率いる時が来るかもしれませんね。まずはお疲れ様でした。

  3. a より:

    お疲れ様でした。
    願わくば、指導者としてユナイテッドに帰ってきてほしいです。いつでもウェルカムですよ!!

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