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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ハリー・ケインに続け!プレミアリーグ2015-16でブレイクが期待される若手15人【前篇】

プレミアリーグ開幕まであと2日。7月上旬より各クラブのプレシーズンマッチを観てまいりましたが、この時期の楽しみのひとつに若手選手のチェックがあります。昨季プレミアリーグでデビューを果たし、さらなる成長を遂げている選手もいれば、この夏初めて目に留まったティーンエイジャーもいます。2014-15シーズン中盤からゴールを重ね始め、得点王争いに食い込むところまでブレイクしたトッテナムのハリー・ケインのごとく、リーグの話題をさらうプレイヤーは現われるのでしょうか。今回は、「プレミアリーグでブレイクが期待される若手」というテーマで、私が注目している選手たちを紹介させていただければと思います。

■パトリック・バンフォード(クリスタル・パレス)

アーセナルはアクポムをハル・シティにレンタル移籍させ、ジョエル・キャンベルには放出の噂あり。チェルシーも、ソランケをフィテッセに修業に出したうえに、ミドルスブラで17ゴールをゲットしてチャンピオンシップのMVPとなったパトリック・バンフォードまで、クラブに呼び戻すことなくクリスタル・パレスにローンで出してしまいました。両クラブとも、これだけ才能がある選手でも、チーム内でチャンスすらつかめないのかとびっくりします。私が今季のプレミアリーグでいちばん期待している若手は、21歳のバンフォードです。パーデュー監督の下で輝くには、ドワイト・ゲイルやコナー・ウィッカム、マルアン・シャマフとのレギュラー争いに勝たなければなりませんが、昨季のFAカップでミドルスブラがマン・シティを倒したときのようなアグレッシブなプレイを続けられれば、イングランドU-21代表FWにも充分チャンスありだと思われます。ハーバード大学からの特待生オファーを断った異色のインテリストライカーが、得点王をハリー・ケインと競り合うという展開になれば盛り上がります。

■ケレチ・イヘアナチョ、パトリック・ロバーツ、ジェイソン・デナイエル(マンチェスター・シティ)

私のなかでバンフォードの次に期待度が高いのが、18歳の天才イヘアナチョ、同じく18歳の「イングランドのメッシ」パトリック・ロバーツ、そして20歳のベルギー代表CBデナイエルというマン・シティトリオです。この3人は、誰が活躍をしてもおかしくありません。2013年のU-17ワールドカップで6ゴール7アシストという数字を残し、同世代には匹敵する選手がいないことを知らしめたイヘアナチョは、この夏のプレシーズンマッチでもトップリーグで通用することをアピール。シュツットガルト戦のゴールもよかったのですが、スターリングの移籍後初ゴールを演出したローマ戦の浮き球スルーパスは、プレミアリーグに長年いるゲームメーカーでも出せるかどうかのスーパーパスでした。

フラムから獲得したばかりのパトリック・ロバーツは、文字通り「イングランドのメッシ」です。ハーフラインを超えたあたりのサイドのスペースでボールを受けると、そのままするするとドリブルで上がり、相手を抜くたびに加速するプレイはメッシそっくり!トップ下と役割が明確なイヘアナチョに対して、ウィング、セカンド・ストライカー、トップ下といろいろできそうな選手なだけに、ペジェグリーニ監督がどう育てるのかに注目が集まります。デナイエルは、既にベルギー代表で試合に出場しているCBで、昨季はセルティックでその実力を証明。コンパニやマンガラに問題があれば、抜擢される可能性もあるのではないでしょうか。全体を見渡しても、スケールの大きさではマンチェスター・シティの若手が1枚抜けているという印象です。あらためて、彼らの今季のブレイクに期待したいと思います。

■アンドレアス・ペレイラ、ジェシー・リンガード(マンチェスター・ユナイテッド)

サポーターとしては、ライバルのマンチェスター・シティには負けていない!といいたいところですが、トリオのひとりであるジェームズ・ウィルソンが最近冴えないので、言葉を呑み込むことにしましょう。とはいえ、19歳のアンドレアス・ペレイラの素晴らしさは、ここで紹介するどの若手選手にも引けをとりません。カソルラのような両利きの選手で、ドリブル、パスワーク、シュートとどのプレイも高水準。ルーニーが「セントラルMFまでできてしまう万能すぎるストライカー」なら、ペレイラは「ストライカーまでこなせそうな万能型チャンスメイカー」です。この春は、なかなか契約延長をしてくれないベルギー生まれのブラジル人アタッカーにやきもきさせられ、一時はポグバの反省活かせずか…と頭を抱えましたが、何とか新契約締結に漕ぎつけました。何があろうと出してはいけない選手のひとりです。

22歳のリンガードは、昨年の今頃も同様に「マンチェスター・ユナイテッドで急成長中の若手」として紹介されていた選手。ドリブルが巧く、状況をみながらパスのタイミングや強さを選べるセンスのいいMFとして期待されていたにも関わらず、プレミアリーグ開幕戦の対スウォンジー、わずか24分で負傷リタイア。長期離脱を余儀なくされ、トップクラブへの定着を逃してしまいました。今季こそは、ぜひ出てきてほしい選手なのですが、アシュリー・ヤング、デパイ、マタ、バレンシア、エレーラにペドロ・ロドリゲスまで加わるとなると、入り込むすき間は相当狭そうです。ペレイラともども、「ポスト・ギグス」の最右翼なのですが…。

■ジャック・バトランド(ストーク)

ベコヴィッチがチェルシーに去った今、イングランド代表の第3GKバトランドにとっては最高の舞台装置が出来上がっている状況ではないでしょうか。クラブはシェイ・ギブンとハウゴーアを獲得しましたが、このぐらい手応えのあるレギュラー争いはむしろ必要。彼らに負けてベンチで過ごすことになるなら、そこまでの選手だったということでしょう。U-17のユーロ、U-20ワールドカップ、ロンドンオリンピック、U-21ユーロと各世代の代表に選ばれ、ジョー・ハートの後継者の一番手と目されているGKが、ここで頓挫するわけにはいきません。昨季プレミアリーグ出場はわずか3試合でしたが、今季はベコヴィッチの名前が思い出せなくなるくらいの素晴らしいゴールキーピングを見せてもらえればと思います。

この稿、長くなりますので、「ハリー・ケインに続け!プレミアリーグ2015-16でブレイクが期待される若手15人【後篇】」に続きます。

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“ハリー・ケインに続け!プレミアリーグ2015-16でブレイクが期待される若手15人【前篇】” への2件のフィードバック

  1. シティズン より:

    今シーズンのManchester Unitedの補強は順調ですね!(Pedro、ホントに来るのかな?)

    その一方で、このエントリにあるように、若手育成など、継続性にやや不安を感じてしまう、というのはネガティブすぎるでしょうか。

    ここでいう継続性は「2015-16シーズン通して」ではなく(これはやってくれると思います、というか、そうじゃないと困る・笑)、もう少し長いスパンでのチーム作りというニュアンスです。さらに、Manchester Unitedには、2017年問題(Louis van Gaal引退)も控えており、難しい舵取りを迫られそうです。

    長期間のチームづくりに、今年の編成がどう影響するか。そうした観点からも、プレシーズンの赤い悪魔の動向に注目しております。

    シーズン開幕以前に、向こう5年の話をするのもどうかともいますが、今期の移籍が出揃った頃にでも、makotoさんのご意見をうかがえたら嬉しいです。

    —–
    ロバーツ君もトップチーム入りさせてくれないかなぁ
    スタメンはまず無理だけど途中出場で流れを変えられる選手だと思うし

  2. makoto より:

    ASAPさん>
    ぜひぜひ。私の中では、今季はさらなる結果を残す年、来季はファン・ハール体制の集大成であり、新しい方向性と継続するべきものを示す年だと思っていました。このへんは、いずれ、また具体的に。

    シティズンさん>
    おもしろいですよね。華があって。ファンを湧かせる、熱くさせるという意味では、既にトップクラスのエンターテイナーだと思います。

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