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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

交渉難航の長友、噂が絶えない本田…30歳目前の日本代表2人にプレミアリーグ参入はあるのか?

いやー、「飛ばし記事の書き方マニュアル」を作ったら、お手本として載せたいぐらいの怪しさ満載記事がやってまいりました。ACミランの10番・本田圭佑のプレミアリーグ移籍ネタです。発信元は、イタリアメディア「トゥットスポルト」。記事によると、本田圭佑に興味を示しているのはトッテナムとエヴァートンだそうですが、その理由がまたぶっ飛び気味です。「ホンダは憧れていたミラン移籍を実現したが、アジア向けの広告塔として使われることに疲れており」…活躍してもしなくても使われますし、今以上に活躍すればもっと使われるわけで、これがイヤで移籍を考える選手はいないでしょう。こんなことをいい出したら、ワールドワイドな広告塔「CR7」クリスティアーノ・ロナウドは、いくところがなくなります。

この話を拾ったニッポンのメディアも、さらに怪しい調味料を振りかけています。「トッテナムはホルトビーをHSVに放出し、中国の広州恒大にパウリーニョを引き抜かれるなどして攻撃的な中盤の選手を失っている」って…。昨季のプレミアリーグを見れば2人とも余剰戦力なのは一目瞭然で…と、ツッコミかけてやめました。2~3行ぐらいの記述ですが、間違っているところが多すぎて、どこから指摘していいのかわかりません。

怪しげ記事いじりはこのくらいにしまして。本田圭佑、そして長友佑都。現在ミラノにいる2人が、チキンレースのように新戦力を買い続けているACミランとインテルのなかにあって、厳しいポジションに立たされているのは間違いありません。インテルのマンチーニ監督は、25人の登録リストからあふれている多くの選手を整理する必要に迫られており、長友は売却要員だと認める発言をしています。テストマッチにおける本田圭佑の使われ方は、トップ下の控え。メネス、スソ、ボナヴェントゥーラらがいるチームでは、ミハイロヴィッチ監督の優先順位が控えの何番めになるのかもわかりません。6日に行われたアウディ・カップ、ハリー・ケインもエリクセンも出場しなかったトッテナムに完敗したゲームでは、本田の登場は最後の最後。開幕はもう少し先とはいえ、スタメン起用を考えている選手なら、後半早めにピッチに送り出していたでしょう(筆者追記:途中出場だったのは、バイエルン戦出場後だったからのようです)。

長友佑都のガラタサライ移籍は、クラブ間交渉が難航しているようで、このままフリーズしてしまう可能性も充分です。たとえトルコが破談になっても、左SBは移籍することになりそうですが、本田は踏みとどまるのでしょうか。2人とも今年、29歳。「試合に出られなくとも一流の選手と練習するのは勉強になる」といっていられる年齢ではないので、同い年の岡崎慎司が決断したように、チームのレベル云々ではなく自らの力を発揮できるという観点で移籍先を考えてもいいのかもしれません。収入まで考慮すると、30歳を過ぎるといい条件のオファーが少なくなってしまうでしょう。以前に長友にはストーク、WBAという噂があり、本田にはトッテナムとエヴァートン…うーん、どう考えても前者はあっても後者はなさそうですね。

トッテナムには天才エリクセンやラメラがいて、エヴァートンはロス・バークリー、マクギーディ、ネイスミス。本田圭佑が希望するポジションには、絶対的なエースとそのオプションが揃っています。サウサンプトンはマネとタディッチで間に合っています。スウォンジーはシグルズソン、ストークにはボージャン・クルキッチとチャーリー・アダム。ニューカッスルは、ワイナルドゥムを獲ってしまいました。CSKAモスクワで下がりめをやっていた本田なら、レスターでカンビアッソの後継者になるのもおもしろそうと思っていたのですが、ここにはカンテが入ってしまいました。シャーウッド監督のアストン・ヴィラとパーデュー監督のクリスタル・パレスは、スピードのない本田は好まないでしょう。こうして並べていくと、ノリッジとサンダーランドぐらいしか、それなりにはまりそうなチームは見当たりません。

長友佑都はプレミアリーグでぜひ観てみたい選手であり、来る可能性も残っていると思われますが、本田圭佑はスピーディなプレミアリーグに欲しがられる選手ではないでしょう。フランスやオランダなどのクラブからいいオファーがあれば、ミランとは違う形のチャレンジを試みるのもいいと思います。もちろん、「ミランに残る」とご本人がこだわるのであれば、それはそれで日本のサッカーファンとして応援します。われわれの国のサッカーの歴史と現在地を考えれば、「名門だけにプレッシャーがきついACミランで、レギュラー争いをしている」だけでも、相当凄いことだと思っておりますので。昨季序盤戦で素晴らしいプレイを見せてくれた選手ではあるわけで、一発の活躍で監督を振り向かせ、同僚との厳しい戦いを制するかもしれません。「本田はダメだ」「トップレベルでは通用しない」などと軽々にいうことは、私にはできません。(本田圭佑 写真著作者/Tommaso Fornoni)

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“交渉難航の長友、噂が絶えない本田…30歳目前の日本代表2人にプレミアリーグ参入はあるのか?” への9件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    本田がプレミアに移籍するって話題が出るたびにエバートンとスパーズの名前があがりますからね(笑)
    ありえない話&スパーズサポ的にも本田いらないよ…
    あ、でも本田来たらJ◯ポでの放送枠は確保できるかも…
    岡崎がレスターきて枠が減ったからスパーズとシティのサポはカンカンですよ
    話が脱線してすいませんでした

  2. にわかスパーズファン より:

    更新おつかれさまです。
    プレミアリーグ大好き!さんもコメントされていますが、スパーズサポとしては放送枠の為に獲得してくれないかなと期待してます。放送枠に関しては本当にカンカンですから(笑)
    レビィさん、胸スポンサーのAIAに加えてさらなるアジアンマーケティングにいかがですか?と本田を誰か推してくれないかなとか思ってます。
    ここ何日かの報道に完全にスパーズ>本田の考えになってしまってます。

  3. ナナ より:

    本田選手は、スパーズ戦の前日にスタメンでバイエルン戦出場してたので、スパーズ戦はあの時間の出場になったかと。バイエルン戦の方がスタメン候補のメンバーが多く(ボナペンをインサイドハーフで本田と同時起用でしたね)使っているので、今のところ監督にとってトップ下の1、2番手候補のようにも予想されますね。メネズはどちらかと言うと2トップになりそうな?まぁ毎年毎年、どのチームでもスタメン外になるなるとメディアに言われつつなんやかんやスタメンですしね。新しい監督、新メンバーとの相性にもよりますが、昨シーズンのようにイタリアメディアに酷評されながらも監督には使われ続けるのでは?ミランの初戦はバルセロナとチェルシーに勝ったフィオレンティーナなので厳しいスタートとなりそうですが、笑。長友も現インテルの戦術に合わないだけなので、早く移籍が成立し活躍するシーズンを送って欲しいですね。

  4. makoto より:

    プレミアリーグ大好き!さん にわかスパーズファンさん>
    なるほど。放映枠ですね…。いっそ、本田と長友が両方来れば、ぐるっとまわって元通り、かもしれませんね。

    ナナさん>
    うっかり勘違いで、バイエルン戦=前々日、という頭になってしまってました。ご指摘の通り、バイエルン戦は前日で、このときのスタメンはトッテナム戦は途中出場あるいは出場なしですね。スソの評判がよかったこともあり、「本田は厳しいかもしれない」と思っていたところでした。何割かは私の取り越し苦労もあったということですね。教えていただき、ありがとうございます。

  5. KOPくん より:

    数あるブログの中でもあなた様のブログが一番面白いです!情報量も多く、何より見ていてとても楽しいです!文を書くセンスに惚れ惚れしています。
    ただ、ひとつ残念なのはあなたがユナイテッドサポーターなこと…笑

  6. プレミアリーグ大好き! より:

    当人たちがプレミア行きたいとか発言したこともないのにプレミアにはいらないとか面白いコメントですね

  7. Naoya より:

    アジアンマーケティング用だの放映用だの結構酷いコメントですね…まあ本田もどうせトッテナムなんざ行かないとは思いますが

  8. モウ より:

    6のプレミアリーグ大好き!さんが、1のプレミアリーグ大好き!さんのコメントを言っているのであれば、1の方はきっとトッテナムにはいらないと言ってるのだと思いますが。
    チームの戦力やスタイルと、本田の能力や特徴、ポジションを考えて、いらないと言ってるだけであって、この移籍シーズンで自分の応援するチームにあの選手が欲しい、噂に出てるけどあの選手はいらないんじゃないか、と思うのは普通だと思います。

    1の方も、にわかスパーズファンさんも、きっと今使ってるトッテナムを見る手段がなくなり困るので、あのようなコメントをされたのだと思います。
    本田を応援している方は不愉快になられるのもわかりますが、「スパーズ>本田になってしまってる」という言葉もあり、「トッテナムなんざ」という言葉は少し酷いかなと。

  9. makoto より:

    KOPくん>
    ありがとうございます。応援するチームばかりは、いかんともしがたく…(笑)

    プレミアリーグ大好き!さん>
    今回は、「プレミアリーグにいる・いらない」ではなく、「本田圭佑がレギュラーとして迎えられる可能性があるチーム、すなわち今後いいオファーを出してくる可能性があるチーム」がありそうか、について書かせていただきました。本田は好きな選手ですので、私としてはトップフォームにあるうちにプレミアリーグで観てみたいと思っているのですが、難しそうですね。

    Naoyaさん>
    イタリアメディアが日本人選手を意地悪く書くときの常套手段です。ただし彼らは、ほめるときは恥ずかしくなるぐらいの大げさなほめ方をしてくれるので、仕方ないかなと思います。

    モウさん>
    ありがとうございます。そうですね。みなさん、「放映用」といっているわけではなく、そのくらいスパーズの放映が減りそうなことを憂慮してますといっているだけで、決して本田をけなしているわけではありません。私も、ルーニーやデパイ、マタがいるわがマンチェスター・ユナイテッドには今は本田の居場所はないだろうな、と思っています。

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