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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

見れば納得!現地メディアが選出した「プレミアリーグで最もダーティーな20人」

データ分析記事やランキング企画がおもしろいイギリスメディアは?と聞かれれば、私は迷わず「スカイスポーツ」と「テレグラフ」を推します。さまざまなデータを組み合わせて納得感のある分析結果を導き出すのが「スカイスポーツ」、テーマ自体がおもしろいのが「テレグラフ」です。先週は、テレグラフが、興味深い記事を掲載していました。「The dirtiest 20 Premier League players of the last five years(最近5年間で、最もダーティーだったプレミアリーグの20選手)」。ファールやカードが多い選手のランキングです。

「テレグラフ」の紙面では、「Disciplinary points」という見慣れない言葉が使われていますが、これは彼らが独自に算出した、いわば「懲戒ポイント」。プレミアリーグの過去5シーズンにおいて、ファールは1ポイント、イエローカード3ポイント、レッド6ポイントとして数字を出し、上位(?)20人を選出しています。不名誉な1位に選ばれてしまったのは…多くのファンが深くうなずくであろう、マンチェスター・ユナイテッドのマルアン・フェライニ。チャーリー・アダムと並んでレッドカードが最も多いギャレス・バリー、「per game(1試合あたり)」が3.24とダントツのティオテが、他を引き離した「ダーティー・スリー」です。本ブログのプレミアリーグ観戦記におけるコメント欄でも、エヴァートンが時折荒いゲームがあることと、フェライニの肘を使ったブロックには「レフェリーはもっと取ってほしい」という声があり、「そうですよね」といいたくなる顔ぶれなのではないでしょうか。

上位20人の傾向をシンプルにいえば、「プレミアリーグでのプレイ歴が長いセントラルMFが多い」。そんな眼でみると、前線の選手で唯一顔を出しているアグボンラホルが光っています。3人以上がランクインしているクラブはなく、見事にばらけているのも興味深いところです。アーセナルの選手がいないのは、フェアプレーランキングで上位の常連であることに加え、負傷者が多いため、ひとりあたりの出場試合数が少なくなりがちというチーム事情を反映しているのでしょう。昨季フェアプレーランキングで1位のリヴァプールからはルーカスのみ、2位のウェストハムからはひとりも入っていません。

【テレグラフ選出 プレミアリーグで最もダーディーな20人】
1位  フェライニ(マンチェスター・ユナイテッド)   371(23・1)
2位  ギャレス・バリー(エヴァートン)        367(38・3)
3位  ティオテ(ニューカッスル)           341(37・1)
4位  チャーリー・アダム(ストーク)         304(26・3)
5位  コルバック(ニューカッスル)          303(35・0)
6位  ガードナー(WBA)                303(33・2)
7位  カッターモール(サンダーランド)        302(37・2)
8位  シュナイデルラン(マンチェスター・ユナイテッド)289(25・1)
9位  マッカーシー(エヴァートン)          282(30・0)
10位 ラミレス(チェルシー)               276(25・2)
11位 イヴァノヴィッチ(チェルシー)         274(33・2)
12位 ルーカス(リヴァプール)            273(29・0)
13位 アグボンラホル(アストン・ヴィラ)       265(24・1)
14位 デンベレ(トッテナム)             263(18・0)
15位 ラーション(サンダーランド)          263(28・0)
16位 ヤコブ(WBA)                 261(26・1)
17位 サバレタ(マンチェスター・シティ)       261(31・1)
18位 アシュリー・ウィリアムズ(スウォンジー)    248(29・0)
19位 ヤヤ・トゥレ(マンチェスター・シティ)     245(26・0)
20位 ショークロス(ストーク)            244(30・2)

他国リーグに比べてファールを取らないプレミアリーグについては賛否両論あり、「試合が止まらないからスリリング」という声に対して、「選手が危険にさらされている」と安全面から反対する意見もよく聞かれます。笛の多寡もさることながら、危険なプレイについてはしっかり取っていただきたいもの。負傷者が多いことが勝てない理由になるのは、やはり興ざめです。

最近、とりわけ気になっているのは、フェイスガードを着用している選手が増えていることです。すべての選手が相手が振り上げた肘の犠牲になっているわけではないものの、拳で顔を殴るのと同等の衝撃となることもある「肘が顔に入る」シーンについては、もっと厳しく咎めてもいいのではないでしょうか。「相手がいるのに気がつかなかった」という言い分もあろうかと思われますが、後ろからボールをさらわれて失点の原因となった選手がそんな言い訳をするのを聞いたことがなく、肘打ちの多くは注意力不足であり、ミスなのだという認識です。ルールの厳格化によって後ろからのスライディングが激減したように、見直すべきレギュレーションもあるのではないかと思います。

選手のみなさん、チームの勝利のために体を張るのは素晴らしいことですが、相手をケガさせることのないよう、くれぐれも注意してください。ニューカッスル、リヴァプール、アーセナル、エヴァートン、マンチェスター・ユナイテッドと、負傷者の離脱週数が200を超えるクラブが5つもあるのは、多すぎると思います。年間40週とすると、5人が完全に消えている状態なのですから。

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“見れば納得!現地メディアが選出した「プレミアリーグで最もダーティーな20人」” への7件のフィードバック

  1. 爪楊枝 より:

    チェックが激しいことで知られる首位レスターがランクインしていないのが面白いですね。
    フェアにボールにアタックできていることの表れかもしれません。

  2. 新参 より:

    カタモールが7位というのは意外です。クラッシャーという言葉が実に似合う選手のイメージでしたが、まわりに言われすぎてクリーンにプレーできるようになったのでしょうか?

  3. トラヴィス より:

    初めまして。
    グーナーです。
    ジエゴ・コスタが入って無い事を考えると、彼はやはり最高にダーティーですね!

  4. セオ より:

    5年間のトータルということだと、コスタ氏はもちろん、レスターの選手がいないのも個人的には納得です。逆にランキングに入るということは少なくとも5年間はプレミアで試合に出続けたとゆうことなのですから、ある意味ですごく名誉なことだと思います。ここにウィルシャーやロシツキ、ディアビ(もういませんが)なんかが入るくらいコンスタントに出てれば、ガナーズのここ5年間の順位もだいぶ違っていたのだろうと思うとなんか悲しいです。

  5. ヤンガナ大好き より:

    賛成です。特に最近の肘打ち行為は目に余るものがあります。フェースガードはそもそも1シーズンにあっても一人程度であるべきかと。このメンバーを見るとまさに潰し屋と言われる先週達ですね!バリー、ティオテの2、3位は納得ですが、1位フェライニはユナイテッドに来てから位置付け、使い方が一貫せずに増えた印象です。

    レスターの選手達は勿論5年間のランキングに入らないのは当然ですが、カンテのクリーンタックルは本当にお手本とすべきですね。抜かれてからの後付けでなく、運動量と読みに裏打ちされた素晴らしいボール奪取力ですね。各潰し屋さんには是非とも見習って欲しいです!

  6. 爪楊枝 より:

    >>ヤンガナ大好きさん
    いやはやお恥ずかしい。5年間のランキングですね。
    ちゃんと記事を読めてませんでした。
    仰るとおり、カンテのクリーンなタックルは素晴らしいと思います。
    フェアなボールの奪い合いは見ていてワクワクしますよね。
    プレミアの潰し屋ランキングとかも、見てみたいと思います。

  7. makoto より:

    >>爪楊枝さん わざわざのコメントありがとうございます。レスター、カンテ、ドリンクウォーター含め、チーム全員のボール奪取意識が高く本当に清々しいですよね。

    自分はガナーズのコクラン含め、泥臭く、汚れ役なボランチが大好きです。彼らをタックル成功率やボール奪取率で正当に評価して欲しいです!

    —–
    爪楊枝さん>
    レスターがないのは、昨季昇格組で、プレミアリーグ在籍が短い選手が多いからだと思います(と書いたら、セオさんが言及されていました)。今季で取ったらどうなるか、見てみたいですね。

    新参さん>
    ラフなプレイが目立つ選手と、ファールの数が多い選手は別、ということかもしれませんね。

    トラヴィスさん>
    彼は、ああ見えて実はファールは少ないんじゃないでしょうか。褒め言葉として「最高にダーティ」はぴったりです。

    セオさん>
    そうですね。特に、ジャックですね。

    ヤンガナ大好きさん>
    フェライニがマンチェスター・ユナイテッドで増えた印象があるのは、エヴァートンの時は最前線とトップ下をまかされることが多く、現在はセントラルが多いということもあると思います。セントラルとしては、特に守備面で技術的に劣るのでしょう。ご指摘のカンテと比べると、クオリティの差は歴然としています。

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