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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

「退団します」からの?…毎年恒例ヤヤ・トゥレ出る出る劇場&ジョン・テリーに残留の噂!

たとえばライアン・ギグスがそうだったように、クラブのレジェンドといわれるような選手には、 引退や退団の際には美しい引き際を見せてほしいものです。3月にプレミアリーグを今季限りで離れると発表した、エヴァートンの守護神ティム・ハワードの言葉は感動的でした。2003-04シーズンにマンチェスター・ユナイテッドに入団したアメリカ代表GKは、2006年にエヴァートンに移籍し、以来10年。エヴァートンでのプレミアリーグ出場試合数は352試合を数え、これはしばらくは破られないであろうクラブレコードです。2014年のワールドカップブラジル大会では、決勝トーナメント1回戦のベルギーとのゲームで1試合16セーブという大会記録を叩き出しており、安定したセービングには定評がありました。37歳になり、直近のプレミアリーグではロブレスにポジションを明け渡していたハワードは、「キャリアの終わりは母国アメリカで」と決めていたのでしょう。MLSのコロラド・ラピッズへの移籍を同時に発表した名GKは、エヴァートンへの愛情を率直に表現しています。

「僕はクラブをとても愛しており、これからもずっとエヴァートンのプレーヤーだ。素晴らしい10年だった。僕はここで成長した。終わりが近づいていることを自覚している。最後まで自分の仕事をやり遂げ、残された時間を楽しみたいね」(ティム・ハワード)

若き日の彼の素晴らしいセービングと苦しむ姿を両方見てきたマンチェスター・ユナイテッドサポーターとしても、感慨深いものがあります。来シーズンからは、アメリカのファンのみなさんに、ベテランらしいプレイを披露していただければと思います。

さて、一方で、せめてご本人はクラブやサポーターへの愛情を語って去っていただきたいと願う選手もいます。毎年恒例、ヤヤ・トゥレ劇場が今季も開幕したようです。ゴングを鳴らしたのはもちろん、あの悪名高き代理人ディミトリ・セルクさんです。

「この夏の移籍に向けて、ヤヤ・トゥレについて他のクラブと交渉を進めている。ヤヤはクラブのために全てを捧げてきたのに、 マンチェスター・シティは確たるものを何も与えていない。クラブが彼をどれだけ評価しているのか、そしてそれをどういう形で見せてくれるのか。われわれは、現状を正しいとは感じられない」(ディミトリ・セルク)

代理人がこんなことをいった後、実際に退団が決まってヤヤが「クラブを愛している」と語ったら、われわれはどんな顔でそれを受け止めればいいのでしょうか。2010年の夏、前季は5位に留まっていたマンチェスター・シティに入団したヤヤ・トゥレは、同じ年に入団したダヴィド・シルヴァや翌年加わったアグエロとともに、2011-12シーズンにはクラブを初のプレミアリーグ優勝に導きました。6年間のプレミアリーグで積み重ねたゴールは54。2013-14シーズンの優勝は、ヤヤ・トゥレのシーズン20ゴールという大車輪の活躍抜きでは語れないでしょう。国内タイトル5回獲得という記録も、ありえない体勢から決めてきた数々の素晴らしいゴールの記憶も、サポーターのなかに残してきたセントラルMFが、クラブを批判しながら出ていく姿は見たくありません。マンチェスター・シティがトップクラブへと駆け上がっていったこの6年は、彼とともにあったのです。退団を決断するとしても、願わくばバルサでしか味わっていないチャンピオンズリーグのタイトルと、美しい言葉を置きみやげにして惜しまれつつ旅立っていただければと祈っています。

1月にチェルシー退団を発表したジョン・テリーに、「コンテ監督に請われて残留するのではないか」という報道があります。「おとぎ話のエンディングにするつもりはない。チェルシーで引退するつもりもなければ、プレミアリーグの違うクラブでプレイする気もない。行き先は、別の国になるだろう。いつか、チェルシーサポーターのひとりとして、子供を連れて戻ってきたい」とまで言い切ったCBがあっさり翻意したら、さすがにびっくりです。退団の意向があるというゴシップが流れることと、ご本人が退団を口にすることには雲泥の差があり、もし残留となれば、オフィシャルには出ていくといっていないヤヤよりも、こちらのほうがモヤモヤ度は高いのではないでしょうか。火元は「ザ・サン」ですので、今回の残留の噂は単なるゴシップで、1週間でヴィラ残留からマン・シティ移籍に転んだデルフのようなバツの悪い話はないと思いますが…。

イヴラヒモヴィッチにプレミアリーグ殴り込みの噂もあり、この夏はベテランの去就も大きな話題となりそうです。私がいちばん気になっているのは、トマシュ・ロシツキです。できればもう1度、アーセナルのシャツを着てプレイする彼の勇姿を見たいと切に願っております。

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“「退団します」からの?…毎年恒例ヤヤ・トゥレ出る出る劇場&ジョン・テリーに残留の噂!” への5件のフィードバック

  1. ミハル より:

    本当にロシツキーには残ってほしい。
    それが難しいのも分かっていますけど、
    もう一試合でもいいから出てほしい。彼が生み出す
    独特のきらめきを、アーセナルの若手たちに見せてほしい。
    私たちに魅せてほしい。

  2. ガナユ より:

    ミハルさんの気持ちはグーナーとして痛いほどよくわかります。
    ロシツキは試合に出た時はボールタッチ一つで才能を感じる金を払ってみたい数少ない選手ですからね….ロシツキだけでなくそのクラブのレジェンドには最後の花道は綺麗に通って欲しいです。ヤヤトゥレは毎年恒例ですけど今年が最後になる可能性が高い分もう潔くして欲しいですね(笑)

  3. ジウベルト より:

    私も、もう一度ロシツキがアーセナルのユニフォームを着てプレーする姿が観たいです。
    ティム・ハワードはコロラド・ラピッズですか、アーセナルとオーナーが同じですね。

  4. makoto より:

    ハワードのコメント、本当に格好いいですね!10年間、エバートンのゴールマウスを守ってきた彼を拍手で送り出したいです。

    テリーの言葉も本心だと信じています。最近、イングランドプレーヤーの最終章は英語圏のMLSが定番になっていますが、テリーには是非ともヨーロッパ内の別リーグで幅を更に広げ、素晴らしい指導者の道を歩んで欲しいです。

    ミスターガナーズ、ロシツキーは怪我との戦いでしたが彼の背中で引っ張る美しいプレイはファンとして忘れられません。できればシーズン最後に間に合って、同胞チェフとのプレイタイムを目に焼き付けたいです!

    —–
    ミハルさん>
    前へ前へ、のパスワークとクルクルターンと左からのパーフェクトなプラスのクロスの3点セットを楽しみたいです。

    ガナユさん>
    「ヤヤは出て行かないだろう、と思いながら成り行きを見守ることにしたら逆に出ていくのか⁉」と思い、この夏は記事を見るたびに「またゴシップか…」とつぶやくことにしました(笑)

    ジウベルトさん>
    コロラド、そうでしたっけ。ロシツキ、間に合いますかね…。

    ヤンガナ大好きさん>
    ハワード、感動的です。大器晩成のいい選手でしたね。

    ジウベルトさん>

  5. makoto より:

    ジウベルトさん>
    失礼しました。コロラド、クロエンケさんなんですね。ロシツキはU21に出ていたようなので、もう少しですね。

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