イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ヴァーディやマフレズがMVPを獲っても、今季のアルデルヴァイレルトを忘れないでください!

ハリー・ケイン、ジェイミー・ヴァーディ、マフレズ、エジル、カンテ、パイェ。一昨日発表された、PFA年間最優秀選手の候補にノミネートされた6人です。本ブログコメント欄にも「納得の顔ぶれ」という声をいただきましたが、ここに挙がった選手たちが表彰にふさわしい活躍を見せていることに異論はありません。ただし…。もし7人めを入れさせていただけるなら、ハリー・ケインやヴァーディの横にその名前を並べたい素晴らしい選手がいるのです。トビアス・アルベルティーネ・マウリッツ・アルデルヴァイレルト。そう、今季プレミアリーグで唯一失点が20点台と、安定した守備力を誇るトッテナムのCBです。

彼の活躍ぶりを語る数字を挙げるなら、まずはトッテナムの失点25となりますが、次はこれでしょう。33試合2970分。つまり、全試合フル出場です。プレミアリーグ2015-16シーズンで、ここまで2970分を達成しているのは、アルデルヴァイレルトを含めて6人。レスターのGKシュマイケルとCBウェズ・モーガン、スウォンジーのファビアンスキとアシュリー・ウィリアムズ、ボーンマスの汗かき役サーマンです。負傷者が離脱した週数が2位レスターの半分強となる39週しかない「プレミアリーグ最少負傷者クラブ」のスウォンジーから2人ランクインした以外は、優勝争いのレスター&スパーズから3人も入っています。最終ラインの軸となるアルデルヴァイレルトが常時出場していたことが、フェルトンゲンを長く欠いていたトッテナムが首位を追撃できている理由のひとつであることは間違いありません。

さて、次はここに別な数字を重ね合わせてみましょう。ポジションの性格上、GKのおふたりは除かせていただきます。今季プレミアリーグにおけるファール数を見ると、ウェズ・モーガン24、サーマン23、アシュリー・ウィリアムズ26。なるほど、フル出場すると、20台の真ん中ぐらいが相場なのですね。では、アルデルヴァイレルトは…何と9!33試合出場で、ファールが9つしかないのです。

ちなみに、彼と同じ9ファールにはどんな選手がいるのか紹介しましょう。CBでめぼしいところでは、ズマとジャギエルカ。ただしズマはプレミアリーグ出場23試合、ジャギエルカは20試合です。8試合すべて途中出場のミケル・アルテタは、188分で既に9回やっています。アルデルヴァイレルトが素晴らしいのはヨミのよさ、カバーリングの的確さ、そして最終ラインの統率力。足が速いストライカーが相手でも、ポジショニングがいいためにシュートコースを空けることなく、90分を無為に過ごさせてしまうこともしばしば。ニアに入ってきた危険なクロスを、迫力あるスライディングや打点の高いヘディングでクリアするシーンを何度見たことかと思います。

こういった表彰が、ゴールという直接的かつわかりやすい貢献をしているストライカーや、プレイの印象が強いゲームメーカータイプの選手へのリスペクトに傾きがちなのはわかります。しかし、今シーズンのアルデルヴァイレルトのような突出したディフェンダーには、ワールドクラスのアタッカーたちと肩を並べていただき、どのくらいの投票数を得るのかを見てみたい気持ちにかられるのです。最終的には、マフレズやヴァーディで結構です。彼らやハリー・ケインこそが、今シーズンのプレミアリーグの象徴でしょう。PFAのみなさん、彼もノミネートしませんか?と今さらいっても仕方がないのですが…無念です。

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“ヴァーディやマフレズがMVPを獲っても、今季のアルデルヴァイレルトを忘れないでください!” への7件のフィードバック

  1. にわかスパーズファン より:

    更新おつかれさまです。
    いやはやなんともスパーズサポの私にとって嬉しい記事です。彼の加入なくして今の順位はありえないと思っています。先日のお買い得ベストイレブンの記事を拝見しましたが、彼の活躍は1600万ユーロなら格安に感じるので、ヴィマーより候補として高いものと思います。
    また彼はリーグ戦4得点2アシストとセットプレーも強いので、彼の加入は今季スパーズのセットプレーが一つの武器になっている要因だと思います。

  2. ヤンガナ大好き より:

    アンデルヴァイレルトの追加ノミネート、大賛成です。どうもスコアラーが評価されがちですが、近年のフットボールにおけるセンターバックによる守備やビルドアップの重要性は言うまでもありません。

    彼の素晴らしさを毎度のWhoScored.comから一点追加させていただきます。Offsides won pgで現在、見事プレミアNo.1の1試合平均1.3です。2位は1.2でワトフォードのキャスカート(29)とブリトス(19)、にまさかのアーセナル、ガブリエル(笑、15)の3名となっていました。出場試合数を加味すれば、彼こそリーグNo.1のライン統率力があることを示しています。センターバックの良さはスタッツに表しにくいですが素晴らしい記録だと思います!

    バスケットのNBAのようにポジション別の最優秀選手を選定表彰しつつ、MVPを決めるようになれば、ディフェンダーや守備的ボランチももっと輝くのにとおもっています。

  3. por より:

    ん?それがベストイレブンでは?
    最優秀守備選手賞のこと?

    そろそろベストイレブンの記事が観たいです!今年は当てに行きましょう!笑

  4. ヤンガナ大好き より:

    porさん>
    補足します。NBAでは個人スタッツで下記が表彰されます。
    得点王
    リバウンド王
    ブロック王
    アシスト王
    スティール王(ここまでは全て1試合平均)
    3ポイントシュート成功率リーダー
    フィールドゴール成功率リーダー

    さらに個人表彰として下記があります。
    MVP
    ルーキーオブザイヤー
    シックスマン賞(最も活躍した控え選手)
    MIP (シーズンに最も成長した選手)
    最優秀守備選手

    サッカーはベスト11位しか表彰されませんが、ディフェンダーにも非常にレスペクトがあります。

    もし、プレミアの今期に当てはめたらブロック王とスチール王にカンテが、最優秀守備賞にアンデルヴァイレルトになるイメージです。更にアシスト王はエジル、得点王はケインとなっても、シュート成功率リーダーはヴァーディーだったりといった感じです。

  5. nori より:

    素晴らしい記事の掲載、ありがとうございます。
    彼を獲得する際はレヴィ会長がマドリーまで飛んだらしいですが、本当に良いお買い物でした。
    プレーを見た事ない方にはぜひ彼のロングパスを見ていただきたいです。
    デルアリへのアシストなんかは絶品ですので。

    できればユーロでもフェルトンゲンとのCBコンビを見てみたいです。

  6. queen より:

    オランダにいたころから、ヴェンゲルさん、彼のような選手を獲ってくれよと思ってましたが、まさかスパーズでこんな活躍するとは。
    彼がいることで、ベルギー人選手が来やすくなるかもしれないですね。次は、バチュアイとか?ほんとお手柔らかに願いたいものです。

  7. por より:

    ヤンガナ大好きさん>>
    statsの各部門で、ってことですね!
    納得です。
    確かにベスト11だけではなく、プレミアリーグ2nd.3rdチーム選出するのは面白いですね(^^)

por へ返信するコメントをキャンセル