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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

移籍、残留、引退、ステップアップ…⁉ 今季限りで契約満了を迎えるプレミアリーグの選手TOP10

ちょっぴりせつない企画です。「Talksport」が、今季限りで見納めになるかもしれないプレミアリーグの名選手たちを取り上げています。題して、「Top 10 players with contracts expiring at the end of the 2016/17 season(2016-17シーズンで契約満了となる選手TOP10)」。ランキング形式のスライドショーという見せ方には、さほど大きな意味はないでしょう。シーズンが終われば、プレミアリーグのトップクラブに別れを告げるかもしれないベテランが6人。上位クラブへのステップアップをもくろむ選手が2人。残留か移籍か予断を許さない選手が1人。確実に残りそうなのは、ペップ・グアルディオラの信頼が厚いフェルナンジーニョだけです。まずは、イングランド代表で活躍した35歳トリオから紹介しましょう。

チェルシーでトップチームデビューを果たしてから18年が経つジョン・テリー、年齢を感じさせないプレイでエヴァートンの中盤を支えているギャレス・バリー、マンチェスター・ユナイテッドで11年めのシーズンを迎えたマイケル・キャリック。いさぎよくスパイクを脱ぐのか、プレミアリーグの下位クラブでもうひと花咲かせるのか、あるいはジェラードやランパードのようにアメリカか。ノッティンガム・フォレストにレンタルされた2000年以外は、チェルシーひと筋で戦ってきたテリーは、他クラブへの移籍をよしとせず、プロ生活にピリオドを打つかもしれません。一方、疲れ知らずのギャレス・バリーは衰える気配はありません。9月17日のミドルズブラ戦でプレミアリーグ600試合出場を達成したセントラルMFは、節目となるゲームで先制ゴールを決めてみせました。クーマン監督から求められれば単年でも契約を延長し、エヴァートンを終の棲家とするのではないかと思われます。

サー・アレックス・ファーガソンがいれば引退まで見届けてくれたであろうキャリックは、モウリーニョ監督に必要とされないでしょう。次の夏には、40歳を過ぎてもプレイしていた先輩ギグスに続けとばかりに下位クラブでの現役続行を選ぶのではないでしょうか。2015-16シーズンに、WBAでプレミアリーグ全試合出場を果たした元同僚のダレン・フレッチャーの存在は、刺激になっているのではないでしょうか。彼がいなくなるのは、サポーターとしてはギグスやスコールズと同じぐらい寂しい出来事です。私にとっての「強いマンチェスター・ユナイテッド」の思い出とは、リードされている試合の後半、前線やサイドにキャリックの高速パスが立て続けに入り、力技でひっくり返してしまう風景です。できれば、オールド・トラフォードで現役最後のスピーチを聞きながら別れを惜しみたい選手ですが、プレミアリーグ7試合で12分しか出場していない現状を見れば、ささやかな願いは呑み込むしかありません。

マンチェスター・ユナイテッドでは、31歳のアントニオ・バレンシアと35歳のズラタン・イブラヒモヴィッチも次の夏に契約満了を迎えます。今のペースでゴールを決め続け、モウリーニョ監督との蜜月が終わらなければズラタンは残留、8年にわたって右サイドを崩してきたバレンシアは、今季が最後となるような予感がします。SBが本職のルーク・ショーの守備を咎めたモウリーニョ監督は、バレンシアの攻撃力よりもアスピリクエタのような堅実さを求めるのではないでしょうか。ベジェリンを欲しがっているといわれるペップ・グアルディオラ監督も、33歳のバカリ・サニャをもう1年手元に置こうとは考えないでしょう。春になれば、ここで名前が挙がったベテラン選手たちの去就が話題になるものと思われます。

30代の選手たちと事情が異なるのは、29歳のスノドグラスと23歳のベラヒーノです。負傷から完全に立ち直り、プレミアリーグ7戦3ゴールと上々のスタートを切ったスノドグラスは、昨年の岡崎慎司と同様に、ステップアップする最後のチャンスです。ノリッジからハル・シティというキャリアは、彼の実力に見合ったものとはいえないと思います。片や開幕からの4試合でピューリス監督にダメ出しされたWBAのベラヒーノは、プレミアリーグで14ゴールを挙げた2014-15シーズンのフォームを取り戻さなければなりません。昨季はわずか4ゴール。未だゴールを決めていない今季も同じような数字に終われば、2015年に声をかけてくれたトッテナムはもちろん、ウェストハムやストークからもオファーは得られないでしょう。移籍金ゼロで新しいチームに飛び立てるチャンスを活かせるかどうかは、今季の活躍次第です。

今季いっぱいで契約満了となる選手TOP10、最後のひとりは記事中で第1位とされている大物です。アーセナルの中盤を仕切るサンティ・カソルラ。ロンドン郊外のハムステッドでの静かな生活に満足しており、ガナーズ愛も強いといわれるセントラルMFの最新コメントに耳を傾けてみましょう。

「アーセナルに残りたい。今は幸せだね。選手が望むのは、チームにとって重要な存在だと感じられることだ。幸運にも僕はコーチやチームメイトから信頼され、多くの時間プレイできている。クラブの待遇もいいし、ここを離れることを考える状況ではない」

カソルラの気持ちが変わる可能性があるのは、「ボスには今年が最後の年になるという素振りはない」と残留を予測しているヴェンゲル監督がクラブを離れると決まったときでしょう。中盤の真ん中へのコンバートが成功し、脂が乗り切っている感があるスペイン代表MFには、もうしばらく素晴らしいプレイを見せてもらいたいものです。10人のうち、チームに残るのは何人でしょうか。今の雲行きでは、少なくとも半分はせつないお別れとなりそうです。とりわけベテラン勢のプレイをしっかりと見ておかなければと思う今日この頃です。

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“移籍、残留、引退、ステップアップ…⁉ 今季限りで契約満了を迎えるプレミアリーグの選手TOP10” への4件のフィードバック

  1. ひろと より:

    カソルラは今のアーセナルのマスターピースのひとつです。 もちろん、いずれ別れはくるでしょう。現在においても、連戦が続くと90分体力がもっていないようにもみえます。
    それでもやはり、カソルラは必要です。
    このへんは、少し精神論にも近いと思っています。
    かつてボスがロシツキーを表現した言葉がそっくり当てはまるプレイヤーだと思っています。
    「あなたがサッカーを好きなのであれば、あなたはカソルラのことを好きなはずである」。
    可能な限り、ながく残ってほしいです。

  2. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    全盛期のキャリックは本当相手チームからすると
    嫌な選手でした。リードしているゲームで途中出場してからゲームの流れを変えてきた選手だと思います。そんな彼でも厳しい時を迎えているんですね。レッズファンの私からすると、ユナイテッドはライバルチームですが彼がチームを去る様な事があればなんだか寂しいですね。ユナイテッドで選手を全うすると思っていましたが、モウのプランには入っていない感じですね。いや〜勿体無い、、、もう一花咲かせて欲しいですね。

  3. ミハル より:

    カソルラは稀に険しい表情を
    見せるものの、多くの時に笑顔を見せてくれる。
    楽しそうにしている姿が好きです。
    なによりアーセナルに必要不可欠な存在。
    是非とも契約更新をしてほしいです。

  4. makoto より:

    ひろとさん>
    カソルラは、セントラルに入って化けましたね。彼とエジル、アレクシスがフルシーズン働けば、大きなタイトルに手が届くのではないかと期待しています。

    Mackiさん>
    キャリックはまだやれると思います。サー・アレックス・ファーガソンのチームなら、「2つ出たらひとつ休む」主力だったのではないか、と。

    ミハルさん>
    見るからにいいヤツですよね。ピュアで、家族や仲間を大事にして。残ってほしいですよね。

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