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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

あまりにもドラマティックだった…。スティーブン・ジェラード、引退発表!

何といっていいか…。「Steven Gerrard: Liverpool great retires after 19-year career」。スティーブン・ジェラードが、今季限りで輝かしいキャリアに幕を下ろすという「BBC」の見出しに愕然としました。プレミアリーグデビューは1998年11月29日のブラックバーン戦。イングランド代表として初めてプレイしたのは2000年のウクライナ戦で、ジェラードは20歳になる直前でした。リヴァプールでの公式戦出場は710試合。プレミアリーグ制覇こそ叶わなかったものの、チャンピオンズリーグをはじめとするタイトル獲得9回。イングランド代表では歴代4位となる114キャップを記録しており、ドイツ、南アフリカ、ブラジルと3回のワールドカップに出場しています。もう36歳、引退してもおかしくない年齢ですが、まだ先の話だとばかり思い込んでいました。アンリがアーセナルでプレイしたように、冬にはリヴァプールに戻ってくるかもしれない、プレミアリーグでもう一度その勇姿を観られるかもしれない、と。突然の引退発表には、未だ現実感がありません。

「自分のサッカー人生において、数えきれないほどの素晴らしいハイライトを経験できたのはハッピーでした。信じられないキャリアを積むことができました。リヴァプール、イングランド代表、LAギャラクシーで過ごしたすべての時間に感謝しています。有名なリヴァプールの赤いシャツを引っ張っていた子供の頃の夢を実現することができました」

ジェラードの思い出をひとつ選べといわれれば、どの試合でしょうか。3ゴールを決めなければグループステージ敗退が決まる絶体絶命の状況から、追加タイムに3点めとなる素晴らしいミドルを決めてチームを救った2004-05シーズンのチャンピオンズリーグ、オリンピアコス戦か。あるいは反撃の狼煙となるヘディングシュートでチームに勇気を注入した「イスタンブールの奇跡」か。追加タイムの超絶ロングシュートでウェストハムサポーターを唖然とさせた、2005-06シーズンのFAカップファイナルか、プレミアリーグ400試合出場という節目のゲームでハットトリックを達成した、2011-12シーズンのマージ―サイドダービーか。私はやはり、2005年5月25日が最も忘れ得ぬ1日です。3点のビハインドをイーブンに戻したわずか6分のエクスタシーは、今もなお、当時の気分をそのまま呼び起こすことができる特別な体験です。

「リヴァプールで700を越える試合に出たことを誇りに思っています。その大半で、キャプテンでした。クラブに支えられてプレイした名誉は、アンフィールドに帰するべきものです。決してあの有名なイスタンブールの夜ばかりでなく 」
「114のキャップをイングランド代表で得て、母国のキャプテンとなった栄誉は特別なものです」
「アンフィールドで、偉大な選手たちや素晴らしいマネージャーと一緒にプレイできたのはハッピーでした。彼らひとりひとりに感謝しています。そして同時に、私が過ごした時間を素晴らしいサポートで支えてくれたバックルームのスタッフにも」

ファンタスティックなミッドフィールダーというなら、デル・アリがその系譜を継げるかもしれません。しかし、ジェラードのようにドラマティックな選手は、もう二度と出てこないのではないでしょうか。漫画のように劇的な数々のスーパーゴールも、痛恨のスリップでプレミアリーグ優勝を遠ざけてしまったチェルシー戦の悲しい奮闘も、アンデル・エレーラを足の裏で削って38秒でピッチを去った最後のマンチェスター・ユナイテッド戦も。スティーブン・ジェラードは、いつもドラマティックでした。心より、「素晴らしいプレイを見せていただき、ありがとうございます」と伝えたいと思いつつ、あらためてさまざまなゴールシーンを見直していると、心が震え出します。最後は、前向きに締めましょう。ユルゲン・クロップ監督の言葉を借りて、レジェンドが歩き出す新しいキャリアを応援したいと思います。

「そのドアは常に彼のために開かれている。彼が今までとは違うキャリアを創りたいなら、助けてあげたいね」

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“あまりにもドラマティックだった…。スティーブン・ジェラード、引退発表!” への7件のフィードバック

  1. nyonsuke より:

    更新お疲れ様です。

    スティーブン・ジェラード、この偉大な選手がいなければ私は現在リヴァプールのファンでもフットボールのファンでもなかったかもしれません。
    漠然とリヴァプールの試合を見ていた04-05シーズン、オーウェンがいなくなり少なからずの虚無感を木っ端微塵に吹き飛ばしたのがジェラードでした。
    オリンピアコス戦に始まり、5月25日のイスタンブールの奇跡、あの試合とジェラードが私の人生にどれほど影響を与えてくれたでしょうか。
    偉大なる選手にして偉大なるキャプテン。
    私にとってもうこれ以上の選手は現れないかもしれませんが、ジェラードがもたらしてくれた感動とともにこれからもレッズのファンでありつづけます。
    ありがとう、スティーブン・ジェラード。
    本当にありがとう。

    そして、ジェラードに感謝の言葉を記す場を与えてくれました管理人様に感謝いたします。
    これかも拝読させて頂き、たまにコメントさせてください。
    ありがとうございました。

  2. グッチ より:

    また1人ヒーローが、アイドルが、ピッチから姿を消すのですね…いつかは来るとはいえ、正真正銘私をサッカーというエンターテイメントに導いてくれたキャプテンの引退はどうしようもなく悲しいものです。
    PL優勝の歓喜を彼を中心に味わってみたかった…
    いや、指導者として帰って来たときまでそれはとっておきましょう。その時が「初の」優勝ではないことを期待して。

  3. えーじ より:

    更新ありがとうございます。
    心に大きな穴が空いた気分です。今日はお酒でも飲みながら、ジェラードのゴール集を見ようと思います。きっとそんなKOPも多いはず。

    ぜひ、コーチとしてアンフィールドに戻ってきてほしいです。
    ジェラード本当に数々のドラマをありがとう!

  4. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    突然すぎて色々と整理がつきませんでした。
    レッズを退団するときも驚きましたが、今回はそれ以上です。
    私はジェラードがいたレッズが好きで、KOPなら誰しも忘れられないイスタンブールの奇跡やCLグループリーグのオリンピアコス戦のミドルシュートなどなど、素晴らしい事が沢山ありすぎて今でも嘘であって欲しいと思うくらいです。
    選手はいつかは引退しますが、ジェラードの引退はレッズファンには重すぎます。アンフィールドに帰還してから引退と思ってました。
    せめてのも救いはクロップが扉はいつでも開いていると言う言葉です。
    キャプテン今までありがとう!そして指導者としてのアンフィールド帰還を待ってます。
    YNWA

  5. Mabo より:

    彼は本当にプレイヤーとして背中で語ってくれるレジェンドでした。ピッチ外でメディアを騒がせるわけじゃなく、すごいシュート、パス、キャプテンシーをKOPとして目の当たりにできたのは最高の思い出になりそうです。
    是非またリバプールに帰ってきて、何らかの形で関与して欲しいです。もちろんいつかは監督として!

  6. サージェントペパーズ より:

    忘れもしません。私が高校生の時になんとなく見ていたCL決勝。イスタンブールでのドラマチックな夜。あの時の衝撃から今までずっとレッズ、そしてスティーブン・ジェラードを応援し続けてきました。間違いなく私にとって生きがいになってきます。大袈裟ではなくスティービーは私に人生の楽しみをくれたフットボーラーという枠を超えて尊敬できる「人」です。
    心の底からありがとうと言いたいです。たくさんの興奮と感動と歓喜と失望を与えてもらい、ひとつひとつが思い出となっております。スティーブン・ジェラードに出会えてよかった…。
    今までお疲れ様でした。そしてぜひクロップが開いてくれているドアに来てください。

  7. makoto より:

    nyonsukeさん>
    こちらこそ、いつもコメントありがとうございます。プレミアリーグ全体を盛り上げてくれた、大事な存在だったのだなとあらためて思います。

    グッチさん>
    指導者として成功してほしい選手ですね。レッズ、あるいはイングランド代表で。

    えーじさん>
    金、土と呑んでしまいました。ジェラードのゴールシーンはとにかくかっこいいです。

    Macki さん>
    あと1~2年はやるんだと思ってました。寂しいですね。

    Maboさん>
    最初はクロップさんとのコンビという形でも盛り上がりますね。いずれはボスですが。

    サージェントペパーズさん>
    あの試合は凄かったですね。マンチェスター・ユナイテッドサポーターとしては、ベストはカンプ・ノウですが、過去のチャンピオンズリーグ決勝でも5本の指に入るエキサイティングなゲームだったと思います。

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