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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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大丈夫、いずれ勇気を取り戻す!ブンデスリーガNo.2GKだったロリス・カリウスの復活に期待!

ミドルズブラに0-3、エヴァートン戦は0-1。ボーンマスに大逆転負けを喫し、ウェストハム戦をドローで終わらせてしまったリヴァプールは、アウェイの連戦をクリーンシートで勝利し、プレミアリーグ2位の座を守りました。それまでのゲームとここ2戦における最も大きな変化は、ゴールマウスです。「この状況では彼をプッシュできない。自信を失ってるからね」とユルゲン・クロップ監督が語ったロリス・カリウスはベンチにまわり、昨季までエースGKだったミニョレが復活。2戦ともデヤン・ロブレンとクラヴァンが素晴らしすぎたため、ミニョレがクロップ監督にアピールできる材料はさほどなかったものの、リヴァプールのゴール前は明らかに安定を取り戻していました。ボーンマス戦の追加タイムにクックのシュートをファンブルし、ウェストハムのパイェのFKを弾き出せなかった背番号1は、ミニョレが不安定なプレイを見せるまではベンチで戦況を見守ることになるかもしれません。

ロリス・カリウス批判の急先鋒であるガリー・ネビル氏と、大事な選手を守りたいクロップ監督がやり合ったこともあり、リヴァプールのGK問題がにわかにヒートアップしています。「Bleacher Report」は、リヴァプールがレスターのGKカスパー・シュマイケルとストークのジェルダン・シャキリ獲得に動いていると報道。GK問題解決と、最前線の創造性を高めるのが狙いと伝えています。おもしろいお話ではあるのですが、プレミアリーグデビューから4ヵ月も経っていない23歳の選手を見限るのはまだ早いでしょう。彼について、「squawka」が、興味深いデータを掲載していました。「Everything Loris Karius did at Mainz last season that he’s failing to do for Liverpool(ロリス・カリウスが昨季のマインツでできていたのにリヴァプールで失敗していること)」と題した記事は、2015-16シーズンにノイアーに次ぐブンデスリーガNo.2に選ばれたGKが、いくつかの指標について悪化していると指摘しています。

ロリス・カリウスの1試合あたりのキャッチ数1.3は、プレミアリーグのワースト。これは昨シーズンのマインツでの数字を1以上下回っており、ジョージ・エレク記者は「自信を失ったGKの症状。ゴールラインを離れるリスクを嫌っている」と分析しています。さらに、「1ゴールを奪われるまでに何回セーブしているか」も1.17という低い数字に留まっており、プレミアリーグのGKとして普通にセーブできていないと主張。「パイェのFKはいい例で、ボーンマスのライアン・フレイザーのショットは腕の下をくぐり抜けた。ウェストハム戦では自信がなさそうに見え、攻撃陣は彼を打ち負かすために特別なショットを必要としていなかった」とレポートしています。

この記事で最もおもしろかったのは、「相手のシュート数から導き出したゴール予測値と、実際の失点数の違い」を指数化したデータです。1位はやはりスパーズのウーゴ・ロリスで、12.6本決められてもおかしくなかったところを9失点に抑え、セーブ率は1.41。2位がジャック・バトランドの留守を預かっているリー・グラントの1.39、3位はバーンリーのヒートンで1.32、4位チェフが1.26と続いています。1.00が「予測どおり決められた」ラインで、これを上回っているGKが10人いるなかで、ロリス・カリウスは0.94で13位。フォスター、ファビアンスキ、ステケレンブルクに劣る「中の下」となっています。プレミアリーグ1年めのGKでは、マン・シティのブラボが0.69で22位、クリスタル・パレスに移籍したマンダンダが0.67でブービーポジション、シュマイケルが復帰すればベンチに戻ることになりそうなツィーラーは最下位に沈んでおり、サッカーの母国のスタイルに戸惑っているのはロリス・カリウスだけではないことを示しています。

見た目にも不安そうで、数字も悪いロリス・カリウスは、いつ、どんなタイミングで1年前の自分を取り戻すのでしょうか。ダヴィド・デ・ヘアがワールドクラスといわれるまでに成長した足跡をつぶさに追いかけてきた者として、「あの頃、デ・ヘアもハイボールやキャッチから逃げていた。大丈夫、いずれ勇気を取り戻す」とみています。「squawka」も、新しい環境にやってきた若きGKには猶予が与えられるべきと記事を結んでおり、今シーズンの彼を評価するのは5月が終わってからでもいいでしょう。胆力があるクロップ監督は、我慢しながら育ててくれるのではないでしょうか。

私は、彼がレッズに来ると聞いて、マインツのゲームをチェックしたのですが、飛び出しのタイミングのよさと鋭いショットストップを見て一気に期待が高まりました。ロリス・カリウスは、いずれジェイミー・キャラガーやガリー・ネビルに掌返しを強いるプレイを見せてくれるはずです。逆襲開始は年明けからでしょうか。春には、主将ヘンダーソンとともにトロフィーを高々と掲げる彼の姿を…いや、そこはルーニーとデ・ヘアのほうを想像することにします。レッズファンのみなさん、見限らずに応援してあげてくださいね、と私がいうのも変ですが。間違いなく、いいGKだと思います。(ロリス・カリウス 写真著作者/Fuguito)

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“大丈夫、いずれ勇気を取り戻す!ブンデスリーガNo.2GKだったロリス・カリウスの復活に期待!” への5件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    私もボーンマス戦とハマーズ戦を観た時は正直難しいかなと思いましたが、ここは我慢のしどころだと思います。決して悪いGKではないですし、クロップが見込んだ選手ですから期待して良いと思います。今は気持ちの整理の時でしょう。チームは幸い調子が良くなって来ているので彼もカップ戦などで徐々に調子を取り戻して欲しい所です。決してミニョレがベストGKではないので、、、(苦笑)

  2. ぐら より:

    グラント、ヒートン、ピックフォードとイングランドのGKが活躍してますね
    ハートがイングランドに戻るとしたらどこが手を挙げるのでしょうかね?

  3. nyonsuke より:

    更新お疲れ様です。

    カリウスについて取り上げて頂き、ありがとうございます。
    デ・ヘアを見続けてこられた管理人様のお言葉はとても救われます。
    ミニョレの底がみえてきて、待ち望んで獲得したカリウスですので、私はとても期待しています。
    デ・ヘアもロリスも初年度は苦しみましたし、GKにとってプレミアの試合に慣れることは容易ではないのでしょう。
    何よりもカリウスはまだ若く、クロップ監督ですから忍耐強く育ててくれると思います。
    現在はDFラインが安定しており、セットプレーでの失点も減ったことから、レッズのディフェンスも日に日によくなっています。
    失望感よりも期待値のほうが断然大きいので、カリウスについてもまだまだこれから!ですね。

  4. K より:

    カリウスは来季に期待してます。ロリスもデビューシーズンはセーブ数/失点数は1.29だったのが1.81/1.93/2.13/3.00で改善を続けて今季は最高の数字ですし、フィジカル水準は世界一のリーグでデータがない別リーグからのGKには厳しい環境ですからね

    今の高いDFラインで自信を失って前に出られないのはGKとして致命的ですからね。今年や去年のstats的には大差ないですが、ミニョレには意地を見せて入団当初のパフォーマンスを見せて貰いたいですね!

  5. makoto より:

    Mackiさん>
    まさに、気持ちの整理のときですね。クロップさんが早期に外したのが吉と出るといいですね。

    ぐらさん>
    ジョー・ハートは、ウェストハムですかね?今、アドリアンがよくないので。

    nyonsukeさん>
    GKが不安定な時期に、DFラインが落ち着いているのは素晴らしいと思います。これからですね。

    Kさん>
    そうですね。一度外されたミニョレが、吹っ切れていいプレイを見せてくれればチーム内競争としては最高ですね。

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