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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

サラー、ルカク、モラタ…チームの浮沈のカギを握るストライカーたちの、気になる沈黙。

勤続疲労を心配されていたハリー・ケインは、プレミアリーグのハダースフィールド戦とCLのバルサ戦で3発。得点王争いのTOPに立つアグエロに1差まで迫ったストライカーを相手に、不振疑惑を続けるわけにはいきません。シュートありきでボックスで勝負するシーンが増えた10番は、欧州で苦しんでいるチームを復活させるキーマンです。週末のプレミアリーグは、7戦未勝利で降格圏にいるカーディフとのホームゲーム。固め獲りができるタイプだけに、一気にランキングTOPに躍り出る可能性は低くはないでしょう。

疲労といえば、より心配なのはモー・サラーのほうです。今季公式戦で10戦3発は悪い数字ではありませんが、短い時間で4ゴールをゲットしているスタリッジが脚光を浴びている今は、もの足りなく映ります。プレミアリーグのスタッツで気になるのは、昨シーズンのリーグNo.1だったビッグチャンス外しが今年も多いことです。6回のミスは、ガブリエウ・ジェズスとカラム・ウィルソンの7回に次ぐ第3位。ドロー決着のチェルシー戦と、終了間際の失点で敗れたナポリ戦は明らかに精彩を欠いており、ドリブルで突破するシーンが減ったのが気になりました。クロップ監督は、エースに力みを感じているようで、リラックスできれば得点力は戻るはずと語っています。

「テニスでは、昨日はフォアハンドでうまく打てたのに今日は打てないということがある。それは、なぜか? 自信だよ。彼は前回はポジションもプレイ内容もとてもよかった。ただしラスト2回はあまりクールじゃなかった。そういうときは、リラックスするんだ。完全に力を抜くしかない。クオリティーは高いのだから、落ち着いてさえいれば問題はない」

昨季プレミアリーグ32発のあのスピードとシュート力が復活すれば、リヴァプールはイングランドでも欧州でも優勝をめざせるポジションをキープできるでしょう。3試合ノーゴールのサラーよりも気がかりなのは、5試合沈黙を続けているロメウ・ルカクです。最後のゴールは、プレミアリーグ5節のワトフォード戦。アレクシス・サンチェスの左からのクロスを胸で押し込んだストライカーがシュートを打てなくなり、マンチェスター・ユナイテッドは4戦勝利なしの泥沼にはまりました。前線にひとり残ってロングボールを受けるカウンターは見られなくなり、クロスを競るシーンも減少。厳しいマークを避けてサイドに流れ、無謀なドリブルをカットされるシーンが目立つようになりました。

心身ともにコンディションが上がれば量産体制に入れそうなサラーに対して、ルカクのほうは半分はチームの問題でしょう。カウンターを仕掛ける意識が低く、アバウトなクロスが多いマン・ユナイテッドは、攻撃時の約束事を徹底させ、彼らなりのサイドアタックを構築する必要があるのではないかと思います。調子の波が激しいストライカーではありますが、無双状態に入れば間違いなくワールドクラス。モウリーニョ監督に得点力不足を解消する策がなければ、チームもルカクもしばらくは苦しい時を過ごすことになりそうです。

復活が期待されるもうひとりのストライカーは、1ヵ月半もゴールを忘れていたアルバロ・モラタです。2節のアーセナル戦で、カウンターから今季初ゴールを決めたスペイン代表は、シュートチャンスを得られないまま5節からはベンチ要員。ヴィデオトンと戦ったヨーロッパリーグでも、前半は動きが固く、絶好のチャンスでミスを連発していました。70分にウィリアンがヘッドで流したボールをプッシュし、決勝ゴールをゲットした29番は、よほど苦しんでいたのでしょう。駆け寄るチームメイトに見せたのは、笑顔ではなく涙でした。「彼がゴール後に泣きたいなら、その姿をもっと見たいね」と語ったサッリ監督は、モラタやジルーなど「ゴールが少ないFWたち」をどう復活させるのでしょうか。前線が決められるようになれば、絶好調アザールの脅威は増すのではないかと思われます。

サラー、ルカク、モラタ…彼らがゴールシーンを増やせなければ、マンチェスター・シティはデブライネ抜きで独走を始めるのではないでしょうか。レッズとチェルシーが優勝争いに残れるか、マンチェスター・ユナイテッドがCL出場権を巡るバトルに顔を出せるかは、彼らがチームメイトとともにいかに決定機を創り、活かすかにかかっています。マンチェスター・ユナイテッドVSニューカッスル、サウサンプトンVSチェルシー、リヴァプールVSマンチェスター・シティ。週末の試合では、チームの浮沈のカギを握るキーマンたちのプレイぶりに注目してまいります。

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“サラー、ルカク、モラタ…チームの浮沈のカギを握るストライカーたちの、気になる沈黙。” への3件のフィードバック

  1. N より:

    自分が監督だったらモラタは使わないですね
    点をとるロールなのに、点を取ったから泣くとか、メンタル弱すぎ。。。
    経営層から追い込まれていたとしても、この先はないと思いました。

  2. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    レッズサポとしてはサラーが気になりますが、マネ、ボビーそしてスタリッジと得点できる選手層がいるのが心強いと思います。シティ戦が終われば代表戦以降、リーグ戦は中位以降のチームとのゲームが続くので、サラーはその過程でコンディションを取り戻してくれればと思います。

  3. C より:

    サラーは昨季CL決勝で肩をラモスに壊されて以降、ずっと調子がおかしいですよね。
    ただでさえ急ピッチで復帰してW杯に出たのに、それから殆ど休まずここまで来ているので、1回思い切って休ませた方がいいんじゃないかな?って思いますね。
    一昨年シティ戦で膝を負傷し、翌年から復帰したものの本来のパフォーマンスを発揮出来ず、結局シーズンを棒に振った(たっぷり休んだ)ダビドルイスが今活躍してるので尚更ですね。

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