イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

どうしたケパ!プレミアリーグ2019-20シーズンの守護神のセーブ率を徹底比較!

レスター戦の先発メンバーにカバジェロの名前を確認したとき、ついにこの時が来たかと思いました。不振のケパ・アリサバラガ、今季初のベンチスタート。2018年の夏に、プレミアリーグのGK史上最高額となる7100万ポンド(当時のレートで102億円)の移籍金でロンドンにやってきたスペイン人守護神は、初年度はまずまずの評価を得ていました。186cmとGKとしては小柄ながら、高い瞬発力で左右のボールを弾き出すショットストッパー。同郷のデ・ヘアよりもハイボールに慌てず、足元のテクニックも確かで、ユーロ2020の予選を戦う代表でもレギュラーに抜擢されていました。

プレミアリーグ初年度は、アリソンとエデルソンに次ぐクリーンシート14回だったケパは、今季は5回と大きく数字を落としています。「チェルシーは長くリュディガーを欠いており、CBが不安定だったのだから仕方がない」といった声もありそうですが、GKの主要スタッツをチェックしてみると、ブルーズの守護神がいかに苦しんでいるかがよくわかります。今季プレミアリーグで試合に出場したGKは36人いるのですが、ケパのセーブ率53.6%は26位。彼よりも下の10人を見ると、10試合以上出場しているのはサウサンプトンのアンガス・ガンのみです。

レスターにホームで0-9という最悪のゲームに出てしまったGKしか下にいないということは…。そうです。プレミアリーグ全20クラブのレギュラー、すなわちチームで最も多くの試合に起用された選手だけで比較すると、ケパは最下位ということになります。15試合以上に出場した選手を上から順に並べると、TOPは鉄壁アリソン・ベッカー。セーブ率87%は、2位ディーン・ヘンダーソン(シェフィールド・ユナイテッド)の76.2%を大きく上回る驚異的な数字です。

70%を超えているのは、ドゥブラフカ(ニューカッスル)、グエイタ(クリスタル・パレス)、ベルント・レノ(アーセナル)、カスパー・シュマイケル(レスター)。ドゥブラフカの133本に次ぐリーグ2位の123本のオンターゲットを浴びているレノが、72.4%の92本をストップしているのを見ると、不安定なCBばかりを問題にはできません。アリソンが46本のうち40本をセーブ、ケパは69本のオンターゲットから41本。デ・ヘアが67.8%で10位、エデルソンは64.5%で17位、ピックフォードも61.5%で19位とワールドクラスが軒並み苦しんでいるなかでも、ケパの低い数字は否応なく目に留まります。

90分あたりの失点という別な指標を見ると、1位アリソンは0.37、2位ヘンダーソンが0.83、3位はエデルソンとカスパー・シュマイケルの1.04で、ケパの1.33は8位。クリーンシート率もアリソン(52.9%)とヘンダーソン(37.5%)がワンツーで、3位ポープが36%、4位のシュマイケルとベン・フォスターが32%と続き、ケパは20.8%で10位です。オンターゲット69本は16位と、ガナーズよりもブロックしてくれる最終ラインが前にいながら、触ったボールを弾き切れないシーンが増えているスペイン代表GKは、いいときの自分を思い出すことができるでしょうか。チェルシーの守護神を心配しながら、スタッツのランキングをチェックしていると、ついつい他の数字に目がいってしまいます。ファン・ダイクがいるといっても、アリソン、すごいですね…!

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“どうしたケパ!プレミアリーグ2019-20シーズンの守護神のセーブ率を徹底比較!” への5件のフィードバック

  1. じゃこ より:

    更新お疲れさまです。

    ケパはそんなに悪いイメージなかったのですが、最近色々言われてて、結果最下位だったんですね。
    今期印象が強いのはヘンダーソンです。自分はレッズサポですが、直接対戦したときもめっちゃ苦労しました。
    しかも彼はユナイテッドからのローンだと言うじゃないですか。もしデ・ヘアがいなければ・・と思うことが何度もあったんですが、デ・ヘアいなくても安泰ですね。羨ましい。

    うちのアリソン様は何が凄いって、「やべぇ!打たれる!」って観てるこっちが焦ってる時に、パシッってキャッチしちゃうとこですね。
    弾くんじゃなくてキャッチするからいつも驚いてます。

  2. B より:

    ノーチャンスなことも多いですが、それでも目を引くスタッツですね
    DFラインも大概なので彼だけを責めるつもりはありませんが、やはりそれを統率するのも仕事なのでまぁ色々言われても仕方ないか…
    レアルのクルトゥワが劇的な改善を見せているように、もう少しDF含めて長い目で見たいと思います…が、やっぱり失点多いな笑

  3. プレミアリーグ大好き! より:

    この間の試合でケバをベンチにおいたのは少し残念でした。こういうときこそ指揮官からの信頼が必要だと思っていたので。
    いまケパを叩いているのは、シーズン序盤にエメルソンを絶賛していた方々と同じ類のものだと思います。
    DF陣とともに、少し調子を戻せばすぐに忘れられると思いますしケパならそれをやる力があると思います。

  4. プレミアリーグ大好き! より:

    チェルシーを毎試合追いかけているわけではありませんが、そんなに悪い印象がなかったので、10を超えるハイライト動画で失点シーンを一通り確認してきましたが…やはりノーチャンスシュートが多すぎる気が?
    ディフレクション、DFの間や股を抜かれたシュート、クロスをピンポイントで合わされたヘディングシュートなどなど。
    先日Jリーグのキーパーをセーブチャンスがあったかなかったかという目安を入れたランキング付けをした記事がありましたが、あれはよかったですね。
    シュートストップだけだと、ちょっと可哀想な選手も出てきてしまうかも。
    上位陣のGKを見る限り、一定の指標にはなっているとは思いますが。

  5. プレミアリーグ大好き! より:

    ケパは昨シーズンから監督になりました。
    やはり、プレイヤーからマネージャーになったためプレイヤーとしてのモチベーションが保てないのでは?

B へ返信するコメントをキャンセル