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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

87分、ラシュフォード!終盤の速攻が冴えたマンチェスター・ユナイテッドが、またもパリを撃破!

チャンピオンズリーグ2018-19シーズンのラウンド16では、オールド・トラフォードで0-2と敗れながら、パルク・デ・プランスのセカンドレグで1-3。マンチェスター・ユナイテッドが、大逆転でベスト8進出を果たした思い出の地に戻ってきました。パリ・サンジェルマンの3トップは、ディ・マリア、ムバッペ、ネイマール。マグワイアとバイリーを欠いたスールシャール監督は、5-3-2という守備的な布陣で迎え撃ちます。GKデ・ヘア、DFワン=ビサカ、リンデロフ、トゥアンゼベ、ルーク・ショー、アレックス・テレス。中盤はフレッジ、マクトミネイ、ブルーノ・フェルナンデス、前線はマルシアル&ラシュフォード。プレミアリーグでニューカッスルに1-4で完勝したチームは、昨季CLのファイナリストを抑え込めるでしょうか。

両者とも慎重な立ち上がり。ボールを支配しているパリのビルドアップはスローです。ボックスの入り口にラインを敷き、ネイマールを2人がかりで止めるマンチェスター・ユナイテッド。5分を過ぎても、シュートシーンはありません。8分のブルーノ・フェルナンデスのクロスは、ディアロのクリアミスをケイラー・ナバスがキャッチ。触れなかったラシュフォードは、悔しそうな表情を浮かべています。12分、ディ・マリアが左足で巻いたミドルはデ・ヘアが右に飛んでセーブ。直後のショートコーナーは、ムバッペの速いクロスに飛び込んだクルザワのボレーをデ・ヘアが膝でブロックしました。プレミアリーグ屈指のショットストッパーは、忙しい試合になりそうです。

19分、ブルーノ・フェルナンデスのパスを受けたマルシアルが左から持ち込み、右足で放ったコントロールショットはファーポストの外。1分後、ゴールに背を向けてルーク・ショーの縦パスを止めたマルシアルが反転すると、ディアロが足を引っかけてしまい、ジャッジはPKです。ブルーノ・フェルナンデスのキックを左と読んでストップしたナバスはラインを踏んでおらず、プレミアリーグで失敗したばかりの18番が2本めを右隅に転がしました。ビハインドを背負ったパリは、前線へのロングフィードの精度が低く、30分を過ぎてもムバッペとネイマールにシュートチャンスはありません。

34分に左からドリブルで斬り込んだムバッペは、トゥアンゼベが体をぶつけてカット。39分のブルーノ・フェルナンデスのミドルは、ナバスが左に反応して外に弾き出します。CKに競り勝ったマクトミネイのヘッドがディアロに当たってナバスの逆を取りますが、ポストの脇に転がってアウト。クルザワのクロスをゴール前でトラップした44分のムバッペは、デ・ヘアに蹴り出されてしまいました。前半のシュート数は5対4、オンターゲットは2対2で互角の展開といっていいでしょう。

後半開始から2分、ボックスの左コーナーでマクトミネイとワン=ビサカをかわしたムバッペの強烈なシュートは、デ・ヘアが左にダイブしてビッグセーブ!パリの中盤がポジションを上げ、前線との距離が近くなったため、ムバッペやネイマールにパスが通るようになりました。55分、ネイマールのCKをニアでクリアしようとしたマルシアルが痛恨のオウンゴール。勢いに乗ったパリが一方的に攻めています。ディ・マリアが縦に浮かしたボールを収めたムバッペがドリブルで右に持ち出すと、ワン=ビサカが必死のスライディングでシュートをストップ。58分にアウェイチームのCKが流れ、アレックス・テレスのクロスをマルシアルがヘッドで叩くも、ボールはナバスの頭上を越えていきました。

67分、アレックス・テレスに代わってポグバ。69分にマルシアルのパスを中央でもらったラシュフォードは、ドリブルでコースを創って左隅を狙いますが、ナバスが素晴らしいセービングで外に弾き出しました。中盤が間延びし、プレスがかからない展開は、ドリブラーたちにとってはポジティブです。78分に敵陣で奪ったボールを右に運んだラシュフォードが、ボックス手前で空いていたブルーノ・フェルナンデスにラストパス。右足のボレーはうまくミートせず、ポストの左に外れました。

79分のカウンターは、ラシュフォードの縦パスでブルーノ・フェルナンデスがフリーになり、ゴール前は2対1。中央のマルシアルにまかそうとしたプレーメイカーは、ラストパスをディアロに当ててしまい、こぼれ球を拾ったラシュフォードの左足もナバスに阻まれました。ネイマールの強烈なシュートをデ・ヘアがセーブしたときはヒヤリとさせられましたが、マン・ユナイテッドの速攻のほうが可能性が感じられます。均衡が崩れたのは87分でした。中央でキープしたポグバが右のラシュフォードを使うと、ダニーロ・ペレイラをかわした10番が右足一閃!ナバスの指先を越えたボールが左のポストの内側を叩き、アウェイチームが再びリードしました。

スールシャール監督は、ブルーノ・フェルナンデスとマルシアルを下げ、ファン・デ・ベークとダニエル・ジェームズを投入。90分を過ぎ、ポグバが右サイドで時間を遣っています。パリの放り込みは味方に通らず、タイムアップ。終盤の速攻が冴えたマンチェスター・ユナイテッドが、またもパリを撃破しました。ポゼッションは62%対38%ながら、シュート数は14対14、オンターゲットは5対6で決定機の数はイーブン。パリのサイドアタックを必死で止めた最終ラインとビッグセーブ連発のデ・ヘア、最後に決めたラシュフォードに拍手を送りたいと思います。

ライプツィヒに勝てなければ終わるグループゆえ、安心はできませんが、大本命の出鼻をくじく貴重なアウェイ勝利。最終ラインを上げてくるチームに速攻を喰らわせる展開に強いマンチェスター・ユナイテッドらしい勝ち方でした。トゥアンゼベ、アレックス・テレス、フレッジらプレミアリーグで出番が少ない選手が活躍したことで、チェルシーをオールド・トラフォードに迎える週末のプレミアリーグは、いい雰囲気で戦えるのではないでしょうか。デ・ヘア、ラシュフォード…素晴らしい!


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