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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【MAN.UTD×Chelsea】 2011年仕様のマンチェスター・ユナイテッドVS近未来チェルシーは大熱戦!両者譲らず

決してコミュニティシールドではありません。プレミアリーグ開幕直後、8月にまさか当たるとは…マンチェスター・ユナイテッドとチェルシー、ここまで無敗の優勝候補同士の対決です。まずはスタメンを紹介しましょう。開幕前に、F.トーレスやマタ、デンバ・バが放出候補と報道されたチェルシーと、若手のテストを重ねてきたマンチェスター・ユナイテッド。この日のメンバーが、現在のファーストチョイスであることは間違いありません。

■マンチェスター・ユナイテッド
GK:デ・ヘア
DF:エヴラ、フィル・ジョーンズ、リオ・ファーディナンド、ヴィディッチ
MF:キャリック、ウェルベック、クレヴァリー、バレンシア
FW:ファン・ペルシ、ルーニー

■チェルシー
GK:チェフ
DF:イヴァノヴィッチ、アシュリー・コール、ケイヒル、テリー
MF:ラミレス、ランパード、オスカル、シュールレ、デブライネ
FW:アザール

どちらも、びっくりです。サー・アレックス・ファーガソンが引退し、モイーズ監督にバトンタッチしたマンチェスター・ユナイテッドは、ファン・ペルシをベルバトフに代えれば、何と2011-12シーズンのメンバーです。あまりにも見事なタイムスリップ、堂々のオールドファッション。ベンチをみても、香川真司とビュットナー以外はみな、2011年と同じ顔ぶれ。これはこれで凄いことですが、それにしてもモイーズ監督、手堅い…。

そしてチェルシーは、これまたびっくりのアザールのトップ起用。試合が始まると、アザールも最前線に張り付いているわけではなく、サイドに流れ、後ろに下がり、時折オスカルが飛び出すなど、ゼロトップ状態で戦っていました。やはり、シーズン前の放出候補の話は、ガセネタとも言い切れなかったのですね。本職FWのF.トーレスもデンバ・バもスタメンに入れず、マタに至ってはピッチに顔を出すことなくゲームを終えたので。

さて、試合のほうは、前半から終始、マンチェスター・ユナイテッドがボールを支配します。DFラインでゆっくりボールを回し、サイドに張ったエヴラやフィル・ジョーンズに展開すると、バレンシアやウェルベックが縦に突破するという昔の4-4-2。ルーニーは中盤から前線まで自由に動いておしゃれなパスを連発しますが、それでも主体はサイド攻撃。中央に鋭いパスを供給するのはキャリックのみです。

これに対してチェルシーは、自分たちのサッカーができません。ホームチームとの差は「経験」「運動量」でしょう。マンチェスター・ユナイテッドの選手はボールをもらいやすい位置に頻繁にポジションを変え、余裕を持ってプレイするのに対し、若手中心のチェルシーはボールをもらう動きが少なく、マイボールになっても出しどころがありません。特に前半は苦しい攻めが多く、敵のDFが密集する中央にムリめに出しては獲られる、といったシーンが目立ちます。

それでもシュートが多かったのはチェルシー。単発かつデ・ヘアの正面ではあるものの、オスカルとケーヒルのミドルシュートが枠に飛び、マン・ユナイテッドの警戒心を煽ります。一方、優位に立っているはずのホームチームは、なかなかシュートが打てません。チェルシーの守備が深く、サイドからクロスを入れても、ゴール前には5~6人の青いユニフォームが立ちはだかっているのです。前半は0-0。後半に入ってしばらくは、この流れが変わりません。

こうなると「両監督の打ち手に注目」ですが、先に動いたのはモウリーニョ監督。60分、デブライネを下げ、F.トーレス。先に点を獲り、勝ち点3を奪いにいく姿勢を明確にします。その6分後、モイーズ監督は、バレンシアを諦め…何と、アシュリー・ヤング!香川真司じゃないんですか!?

プレシーズンで1回も使っていないケガ明けの選手を出し、7月に日本ツアーで得点したトップ下を使わない。これが今、香川真司の置かれている立場です。おそらく、「守備が不安」というのが最大の理由なのでしょう。両者の交代策は、モウリーニョ監督、優勢です。F.トーレスが入ってから、前線で彼がキープすることでチャンスを作り始めたチェルシーに対し、アシュリー・ヤングが機能したのは決定的な右クロスを上げた1回のみ。とはいえ赤も青もまだまだゴールの匂いはしません。ルーニーのミドルシュートはチェフが弾き出し、F.トーレスはシュート態勢にまでは持ち込めず。0-0のまま、ゲームは膠着します。

こうなるとますます、守備が重要。78分、ウェルベックの交代相手はやはり香川真司ではなく、ギグスです。モイーズ監督はとにかく安全運転。結局、3枚めの交代枠は使いませんでした。モイーズさん、エヴァートンと違って選手はいっぱいいますから、目いっぱい使っていいんですよ、といいたくなります。87分、モウリーニョ監督はアザールをミケルにチェンジ。チェルシーの新監督は、目標の勝ち点を3から1に減らしました。90分が経過します。追加タイムは3分。マンチェスター・ユナイテッドはホームです。ドローでいいわけがありません。しかし…。

最後の最後にCKを獲得し、攻め立てたものの、結果はスコアレス・ドロー。うーん、微妙。モウリーニョ監督は、満足とはいかずとも納得でしょう。モイーズ監督にしてみれば、オールドトラフォードでの勝ち点1は「無念」のひとこと。しかし、悔しがっている暇はありません。何しろ次週は、アウェイでアンフィールド。そう、2連勝を決めたロジャース監督のリヴァプールです。…やっぱりひどいな、今年のスケジュール。

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“【MAN.UTD×Chelsea】 2011年仕様のマンチェスター・ユナイテッドVS近未来チェルシーは大熱戦!両者譲らず” への2件のフィードバック

  1. トーレス下さい。あ、赤い方ね より:

    0-0で終わった時、「ですよね・・」と思いました。やはり8月のビッグマッチで勝ち点3をもぎ取りに行く大熱戦を期待するのは、勝手な外野のすることなんでしょう。それにしてもラスト5分で点が入らないところ、手堅い交代策を見ると、モイーズの「中堅のメンタリティ」がユナイテッドに染み込み始めた気がして・・レッズサポの自分としてはニヤけてきます。
    後半30分過ぎくらいにルーニーが左スミにミドルを撃った場面、ペルシへのパスコースが空いてましたよね。あそこ出してりゃ確率半々以上で1点入ってた気がします。ルーニーが見逃すわけ無いコースでした。それ以外にもルーニーは終始積極的で、「俺がエースなんじゃ!」とスタジアム中の人間にアピールしていたような姿が印象的でした。移籍直前のナスリやトーレスもこんな感じだった気がします。

  2. プレミア大好き! より:

    トーレス下さい。あ、赤い方ね さん>
    サー・アレックスなら、間違いなく勝ちにいっていたでしょうね。この日のチェルシーには縦への鋭さと速いパスワークがなく、ロングボールからのカウンターさえケアしておけば、やられるイメージはあまりありませんでした。日本人びいきでなく、コンディション面と、サイド攻撃に対するチェルシーDFの強さを考えれば、A.ヤングじゃなかったんじゃないかな、と思います。中央からの崩しのほうが、明らかに効果的だったので。

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