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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【MAN.UTD×STOKE】観たかったのはこれです!モイーズ監督。マンチェスター・ユナイテッド、魂の逆転劇!

冷静に評価すれば、決してほめられたゲームではありません。右サイドの守備はボロボロ。中盤はギクシャク。ファン・ペルシは、相手をかわす動きもシュートの正確さも本来の彼とは雲泥の差があります。香川真司はフル出場したものの、活躍したとはいえないでしょう。しかし今は、聖地オールド・トラフォードで見せてくれた、マンチェスター・ユナイテッドの「魂の逆転劇」にしばし酔いたいと思います。モイーズ監督が初めて披露した、前任者サー・アレックスでもやらないような攻撃的なサッカー。立て続けの2ゴールには、スタンドはもちろん、世界じゅうのサポーターが立ち上がったことでしょう。

前半4分のストークの先制点は、ホームチームのひどいプレイが引き金となりました。ストークの左サイドのドリブルで、一気に3人が抜かれるというまさかのミス。グラウンダーのクロスはゴール正面でクラウチの足元を捉え、最初のシュートはデ・ヘアが弾いたものの、エヴァンスのクリアをクラウチに触られ、あっという間の失点です。しかしこれは事故のようなもの。じっくり攻めれば、プレミアリーグ創設以来、一度もホームで負けていない下位チームなど、すぐにひっくり返せると思って観ていたのですが、ここからも一向によくなりません。

先日のチャンピオンズリーグに続いてスタメン入りした香川真司は、左サイドに縛られずに中に入り、攻撃の組み立てに積極的に絡みますが、クレヴァリーやナニとの連携が今ひとつ。彼らの判断が一拍遅れるので、一瞬フリーになったタイミングでうまくボールをもらえず、ストークのプレッシャーに苦しみます。サイドを固められ、中央でのコンビネーションも機能せず、ファン・ペルシは消え、攻撃はルーニーとナニのミドルシュートのみ。それどころか中盤で不用意に奪われたボールからストークに逆襲を喰らい、ナニとスモーリングはアルナウトヴィッチの突破を止められず、クラウチにあわや2点めというシュートを打たれます。さらに危なかったのは、27分。センターサークルやや左からのロングフィードをクラウチが胸で落とすと、走り込んだウォルタースがフリーで至近距離から左足シュート!デ・ヘアのビッグセーブがなければ、この段階で勝ち点3の芽がついえていたかもしれません。

「このままだと追加点を獲られる」という危機感が続くなか、ストークに転びそうだった流れを止めたのは、やはりウエイン・ルーニーです。43分、右からのナニのクロスをファーサイドで競り勝ち、ヘディングシュートを放つと、GKベコビッチは弾くのが精一杯。このこぼれをファン・ペルシが詰めて、ゲームは振り出しに戻ります。しかし前半は、これだけでは終わりませんでした。同点でハーフタイムか…と弛緩した空気は、直後のアルナウトヴィッチのFKで凍りつきます。ペナルティエリア外20メートル強、やや左から放たれた強いシュートは、デ・ヘアの指先を弾き、バーの下を叩いてゴールに突き刺さります。オールドトラフォードで1-2にされるという、最悪の展開。マンチェスター・ユナイテッドは残り45分に望みを託すしかありません。

後半も、状況は変わらず。49分に脅威だったアルナウトヴィッチが負傷交代したことだけが、マンチェスター・ユナイテッドの希望です。香川真司は積極的にボールにタッチしますが、肝心のゴール前でボールをもらえません。前半同様、中央突破はパスミスが目立ち、いいクロスも上がらず、時間だけが過ぎていきます。

しかしこの日は、今まで勝ち点を落としてきたマンチェスター・ユナイテッドとは、ひとつだけ大きく違うところがありました。それは、モイーズ監督の采配です。58分にナニをヤヌザイに代えたのはいつもどおりですが、68分、クレヴァリーをチチャリート!ファン・ペルシ、ルーニー、チチャリート、香川真司を並べる布陣など、サー・アレックス・ファーガソンはやったことがないでしょう。ここから残り20分は、マンチェスター・ユナイテッドの圧倒的なポゼッションサッカーです。前がかりになって後ろが薄くなるのがリスクなら、ボールを触らせなければいいという傲慢なスタイル。こんな強気なモイーズ采配は観たことがありません。さらに76分、右SBのスモーリングをバレンシア!ここにきて、極上の超攻撃的フォーメーションが完成です。そしてこれが、直後に始まる電光石火の逆転劇への明確なスイッチとなったのです。

78分、波状攻撃で得たCK。ルーニーが後ろに下がりながらの難しいヘディングシュートをGKの頭越しに決めて同点。さらに80分、左から縦に抜けたエヴラの高速クロスをチチャリートがヘディングで合わせて逆転!オールド・トラフォードは、今季最高の興奮に包まれました。どんな状況でも、絶対にあきらめない。これぞ、マンチェスター・ユナイテッドです!

ラスト10分は、セーフティーにパスをまわしてたたみ、3-2で久しぶりのホームでの勝ち点3です。上位が快調に勝ち点を重ねているため、追いつくのは大変ですが、先日のレアル・ソシエダ戦を含め、少しずつこのチームらしさが甦ってきています。香川真司は、ゴールシーンに絡めなかったので合格点はつけられませんが、運動量があり、バランサーとしてはまずまずでした。プレミアリーグの次々節では、首位アーセナルとの直接対決が待ち構えています。チームも香川も、ここでしっかり結果を出して、波に乗れればいいですね。…それにしても、疲れました。今季、快勝といえる試合は、プレミアリーグ開幕戦のスウォンジー戦と、チャンピオンズリーグのレヴァークーゼン戦だけなんですよね。昨季の「負ける気がしない」状態が、はるか遠い昔のようです。ふう。

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“【MAN.UTD×STOKE】観たかったのはこれです!モイーズ監督。マンチェスター・ユナイテッド、魂の逆転劇!” への3件のフィードバック

  1. makoto より:

    まずは結果です!
    アーセナル、リバプールも勝ちましたから引き離されずにすみましたね。
    モイーズの采配には驚きました!

    —–
    通りすがりさん>
    本当ですね。いきなりのアグレッシブすぎる采配で、一気にテンション上がりました。このチームは、下手に守るよりこのほうがいいですね。

  2. free slots play より:

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  3. This info is the cat’s pajamas!

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