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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Chelsea×MAN.CITY】勝負はDFとGKの差!チェルシー、モウリーニョ無敗伝説は続く!

プレミアリーグ第9節で、最も注目すべきゲームがこのチェルシーVSマンチェスター・シティ。ちなみにモウリーニョ監督は、スタンフォード・ブリッジでは、この試合の前まで50勝14分と無敗だそうです。マンチェスター・シティはコンパニを欠き、獲得後初出場となるデミチェリスをスタメン起用する苦しい状況ですが、ポルトガル人監督のホームで初めて土をつけるチームになれるのでしょうか。チェルシーはベストメンバー。CBはテリーとケイヒルのコンビで、CFはF.トーレスです。

ゲーム開始から、相手のストロングポイントをつぶし合う、渋い試合展開が続きます。マンチェスター・シティはマイボールをしっかりキープしながら攻め込むものの、センターをハビ・ガルシアとフェルナンジーニョにまかせて攻撃的なポジションに入ったヤヤ・トゥレは抑えられ、開始からしばらくはワントップのアグエロにいいボールが入りません。チェルシーも、アザールとオスカルがいい形で前を向けず、中盤でのせめぎ合いに終始しながら時間が過ぎていきます。

最初の決定的なチャンスは、29分のチェルシー。右サイドにいたラミレスからのクロスに、オフサイドをかいくぐったF.トーレスがどフリーとなって合わせますが、GKハートの飛び出しを気にし過ぎたのかシュートはバーの上を越え、モウリーニョ監督は天を仰ぎます。プレミアリーグ開幕からずっと、FWのゴール欠乏症に悩まされてきたブルーズのサポーターは、「またか」という思いでこのシーンを見つめていたことでしょう。

しかし33分、F.トーレスは、このミスを帳消しにするファンタスティックなプレイでチェルシーの先制点をお膳立てします。右サイドに流れてパスを受けた彼は、対峙したSBクリシーなど眼中にないかのように一気にトップスピードでドリブルを始め、完全に敵を振り切ると、ゴール正面に走り込んだシュールレに「触ればOK」のラストパス。きれいなゴールで1-0とリードすると、さらにF.トーレスは勢いに乗り、37分には左45度のいわゆる「デルピエロ・ゾーン」から、バーをたたく惜しいシュート!2点めはなりませんでしたが、今夜のF.トーレスは要注意です。前半終了直前には、マンチェスター・シティもアグエロが右から強烈なシュートを放ちますが、これはチェフの正面。細かいパスワークでゲームを掌握しているのはマンチェスター・シティですが、先にリードしたのはチェルシー。後半は、どちらが先に次のゴールを決められるのでしょうか?

「ここからの45分は、マン・シティがチェルシーの最終ラインを崩せるかどうかがポイント」と考えていると、49分にあっけなく同点ゴールが入ります。最終ラインに張り付き、裏を伺うアグエロの動きを見てナスリが最高のタイミングでスルーパスを出すと、抜け出したアグエロがチェフの右肩の上を抜くシュートを決め、1-1。「シュートはニアの上か逆サイドの下」という教科書どおりの一発を、トップスピードに入っていても正確に打ってくるのが彼の凄いところです。これで完全に試合はわからなくなりました。

この後は両者譲らず、一進一退の展開です。モウリーニョ監督は、ボールに絡まなくなったシュールレをウィリアンに、疲れが見え始めたランパードをミケルにスイッチ。ペジェグリーニ監督も、攻撃の起点を作るべくナスリをヘスス・ナバスに代え、イヴァノヴィッチやF.トーレスにボロボロにされていたクリシーのポジションをサポートさせるべく、コラロフを投入。しかし双方とも、相手の戦術変更にもしっかり対応し、なかなかスキを見せません。ダヴィド・シルヴァの左足シュートをチェフが足で止めたシーンと、ウィリアンのFK以外に、これといって点の匂いがするプレイもなく、淡々と時間がなくなっていきます。決勝点をもくろみ、最後にピッチに放たれたエトー、ネグレドはシュートすら打てず、ゲームはタイムアップを迎えようとしていました。

90分、チェルシーCBテリーのクリアが相手に当たり、こぼれたボールをウィリアンが縦に大きく蹴り出しますが、これはパスというより、セーフティなエリアにボールを出そうとしたプレイ。当然、前線にはつながらず、先に追いついたナスタシッチがヘッドでGKにバックパスしようとします。ところがなぜかGKハートは、ナスタシッチが触ろうとしているボールを自らヘッドでクリアしようと飛び出し、このパスをキャッチできません。倒れ込むふたりを尻目に、ボールはゴールの方向に転がっていきます。何という連携ミス!これに反応したのが、本日好調のF.トーレス。ゴール前3メートルでボールに追いつき、無人のゴールに右足でプッシュ。チェルシー、あまりにもラッキーなゴールでついに2-1です!

思わぬ形で入った決勝点に、スタンドに乱入してサポーターと抱き合うモウリーニョ。呆然と立ち尽くすペジェグリーニ。五分五分だったゲームのラストシーンとしては、残酷すぎるコントラスト。結局、勝負を分けたのは「DFとGKにミスがあったかどうか」でしたね。クリシーとジョー・ハートのミスは、勝利の女神にそっぽを向かせるには充分な軽いプレイでした。

プレミアリーグ第8節まで、勝ち点1差でぴったりついていた両チームは、勝ったチェルシーが2位、負けたマンチェスター・シティは7位と明暗が分かれました。個人的には、よりやっかいなモウリーニョ軍団に、ドローで足踏みしてほしかったのですが…。チェルシーはこれで5連勝。同じく好調のアーセナルと戦うキャピタルワンカップは、いよいよ火曜日です。このゲームもまた、目が離せませんね。

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“【Chelsea×MAN.CITY】勝負はDFとGKの差!チェルシー、モウリーニョ無敗伝説は続く!” への2件のフィードバック

  1. makoto より:

    トーレスがフリーで外した時はまたか…と思いましたが1G1Aなので許すしかないですね(笑)

    モウリーニョが率いるチームは引き分けの試合で勝てたり、負け試合で引き分けたりと運がつきますよね(^^)

    とりあえず勝てて良かったです。

    —–
    チェルシーさん>
    昨日のゲームでは、選手交代だけをとればペジェグリーニ監督のほうが論理的で機能していた印象でしたが、最後にウィリアンがあのボールを出したのをみて「モウリーニョは”持ってる”な」と思いました。ゲームとしてはドローが妥当でしたね。あれを勝ちにするんですから、いや、手ごわい。

  2. I’m really into it, thanks for this great stuff!

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