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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【MAN.CITY×Chelsea】今季プレミアリーグのベストゲーム!チェルシー、ついにエティハド攻略!

アーセナルを含めた三つ巴の争いとなった、今季のプレミアリーグ。マンチェスター・シティにとっては、プレミアリーグ上位クラブとの今季最後のホームゲームとなります。10月に本拠地スタンフォード・ブリッジで、試合終了直前にGKハートのミスをついたF.トーレスのゴールで勝っているチェルシーは、最強のライバル相手にダブルを決めるチャンス。両者にとって、相手の勝ち点3を削れる「極上のシックスポインター」は、試合開始直後からマンチェスター・シティが展開する凄まじい攻撃で幕を開けました。

開始1分には、早くもチェルシーGKチェフがペナルティエリアを飛び出してルーズボールをクリアしている状態。2分、ネグレドがペナルティエリア左を縦に突破して、そのまま左足シュート。コラロフとダヴィド・シルヴァ、ヘスス・ナバスとサバレタがコンビネーションで両サイドを攻めてくるマンチェスター・シティの波状攻撃に、チェルシーの後ろの4枚はゴール前に張り付きっぱなしです。

9分、ヤヤ・トゥレから中央のダヴィド・シルヴァにパスが出て、シルヴァはこれを左のコラロフに展開。コラロフのドリブルからの高速クロスはチェルシーゴール前を横切り、スライディングしたネグレドは惜しくもこれに触れず。15分にはヘスス・ナバスの落としをヤヤ・トゥレがインフロントでミドルシュート。17分のマン・シティの攻撃は、この日いちばんの決定機です。サイドでボールを受けたヘスス・ナバスが縦に走るヤヤ・トゥレを使い、ゴールライン際からの丁寧なグラウンダーの折り返しをインサイドで狙ったのはダヴィド・シルヴァ!これがわずかに左にそれ、マン・シティはゴールを奪えません。それにしても怖ろしい攻撃です。この出来ならホームチームの先制は時間の問題、と思ったのですが…。

開始からしばらくは受けにまわったチェルシーでしたが、彼らがおとなしく攻めさせていたのは25分まででした。7分にウィリアンが突破したとき、コンパニとナスタシッチのCBコンビが交錯するなど、カウンターが効果的なのはわかっています。26分、中盤でウィリアンがパスカットして縦に走ると、ラミレス、エトー、アザールが疾走。あっという間に4対1になり、ウィリアンはフリーの3人の中からラミレスをチョイスしてラストパスを送りますが、ラミレスがシュートをGKハートに当ててチャンスを活かせません。このシーンは、ウィリアンがボールを大事にしすぎましたね。もっと早く、周囲を走らせるようなパスを出していれば、受けた選手が間違いなくゴールを陥れていたでしょう。

このプレイ以降、キレキレのアザールがマン・シティDF陣を翻弄し、チェルシーのカウンターが冴えわたります。30分過ぎにはアザールが中盤を突破。右サイドからのラストパスを、フリーで待つラミレスが合わせたシュートはDFがブロック。しかしそのこぼれをもらった後ろの選手が、強烈な左足ミドルをゴール左隅に叩き込みます。

32分、ブラニスラフ・イヴァノヴィッチ、スーパーゴール!

猛攻を耐えたチェルシー、ついに先制です。これで勢いにのったモウリーニョ軍団は、立て続けに決定的なチャンスを創ります。35分、アザールのスルーパスに抜けたエトーがウィリアンにつなぎ、最後はアザールがシュート。43分にもアザールが完全に左サイドを崩し、グラウンダーのラストパスに走り込んだのはエトー。無人のゴールに入れるだけの大チャンスでしたが、焦ったのでしょうか、背番号29のシュートは無念のポスト!両チームのシュートが飛び交うエキサイティングな前半は、0-1とチェルシーリードで終わりました。

後半に入っても、ゲームの主導権を握るのはチェルシーです。中盤にアザール、ウィリアン、ラミレスと走れる選手を並べ、ダヴィド・ルイスとマティッチのセンターでマン・シティの攻撃をチェックさせたモウリーニョ監督のスタメンは大当たりでしたね。ボール奪取力の高い選手が多いチェルシーは、中盤で幾度となくマン・シティの緩いつなぎを引っかけ、カウンターへと持ち込みます。

48分には、アザールがハーフライン過ぎから3人抜きを見せ、右サイドのイヴァノヴィッチにつないでクロス。1度めはクリアされるものの、敵陣でダヴィド・ルイスがボールを奪って再度右からクロスを上げると、ウィリアンがシュート!これはCKに逃れられはしたものの、チェルシーらしいショートカウンターが続き、何度となく追加点寸前の場面を創ります。52分、マティッチのミドルはポスト直撃。66分、ウィリアンのCKを合わせたガリー・ケイヒルのヘッドもポスト。ここで1点でも獲っておけば、その後は楽にゲームをたためたでしょう。しかし、スコアは動かず0-1。ラスト20分を過ぎると、これまで本拠地エティハドで、数々のチームから大量得点を奪ってきたマン・シティの逆襲が始まります。しかし…。

この試合のMVPを選べといわれれば、大半の方がアザール、ウィリアン、唯一のゴールを挙げたイヴァノヴィッチを推すのではないでしょうか。しかし、私はガリー・ケイヒルも捨てがたいと思います。両サイドのアスピリクエタ、イヴァノヴィッチは体を張ってがんばっていましたが、世界で3本の指に入るであろうサイドの連携力を誇るマン・シティの崩しは、簡単には止まりません。コラロフ、サバレタの最強SBと、ヘスス・ナバス、ヨベティッチの仕掛けを受けたチェルシーの守備は、サイドでの優位は許しながらも、テリーとケーヒルの冷静さとポジショニングで最後まで中央は明け渡しませんでした。モウリーニョ監督は、エトーをオスカル、アザールをデンバ・バとセーフティな交代で時間を使い、93分のヨヴェティッチのシュートが外れるのを見届け、タイムアップです。

マンチェスター・シティ、3年4ヵ月ぶりのエティハド無得点!プレミアリーグ上位クラブがどこもなしえなかったクリーンシートでの勝利をチェルシーが決め、今季ダブルを達成しました!

…いやあ、興奮しました。マンチェスター・シティにとっては、アグエロとフェルナンジーニョの不在が痛かったのは間違いありませんが、彼らがいたとしても、この日のチェルシーから勝ち点3を奪うのは難しかったでしょう。スタメンでの駆け引き、狙いがはっきりした両チームの迫力ある攻撃、CBとGKの奮闘。どれをとっても、今季プレミアリーグで最高のゲーム。チャンピオンズリーグの優勝クラブがプレミアリーグから出てもおかしくないと再認識させられた、質の高い一戦でした。え?どちらを応援してたかって?それは愚問でしょう。イヴァノヴィッチの先制ゴールには、当然のガッツポーズ&シャウトです!(ガリー・ケーヒル 写真著作者/Ben Sutherland)

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“【MAN.CITY×Chelsea】今季プレミアリーグのベストゲーム!チェルシー、ついにエティハド攻略!” への5件のフィードバック

  1. チェルシー より:

    更新お疲れさまです

    要塞エティハドで無失点勝利なんて上出来すぎですね(^^)
    不満を言うなら相変わらず決定力がないところですかね
    ポストに3回も当てるとは…w

    マティッチ、ルイス&前線4人のチェックに4バックの守備は固く、さらにその後ろに守護神チェフは鉄壁でしたね
    カウンターも鋭くこれぞモウリーニョのチームっていう試合で見ていて楽しかったです(^^)

    先制点の場面もそうでしたがシルバが自由に動く代わりにシルバサイドの守備が緩くなり、数的有利を作りやすいのでそこを突いて得点したのはさすがだなと思いました

  2. ウィルシェア より:

    更新お疲れさまです

    モウリーニョのこの勝負強さは何なのでしょうか。
    ペジェグリーニさんはモウリーニョに勝ったことあるのでしょうか。言葉にできない悔しさでしょうね。
    これだから彼は何を言っても許されるのでしょう笑

  3. makoto より:

    チェルシーさん ウィルシェアさん>
    チェルシー、堅かったですねぇ…。中盤の構成も大成功でした。アーセナルとチェルシーのサッカーは、「誰が出てもモウリーニョスタイル・ヴェンゲルスタイルで戦える」のが素晴らしいですね。(昨季まで、マン・ユナイテッドもそうでしたが)

    対するマン・シティは、出る選手によってサッカーが変わり、クオリティも落ちることがあります。今日の勝負は、チームとしての総合的なクオリティ(選手の値段ではなく)の差が出た一戦だと思いました。ちなみにウィルシェアさん、アザールやエトーが再三、突いていた「コラロフの裏、ナスタシッチの脇」のスペースは狙い目ですね。あそこにカソルラやサニャ、ロシツキが入ってこられれば、いけると思います。

  4. ちくちく より:

    ミスター1ー0真骨頂ですね!グーナー的には引き分けて欲しかったですが、マンチェスターシティが勝つよりはマシ(笑)!モウリーニョはさすがとしか言いようがないですね。相変わらず大事な試合にいやらしいくらい結果を残しますね。このメンタリティー。今季エティハドでクリーンシートは偉業というかあきれるくらいモウリーニョですね。

  5. makoto より:

    ちくちくさん>
    チェルシーは、攻めも守りも狙いが明確でした。何人か、主力を欠いていたものの、決して悪くはなかったマン・シティ相手の勝利だけに価値があります。

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