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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Fulham×Chelsea】最悪の前半、怒涛の後半。シュールレハットトリックで、お得意様を一蹴!

試合終了後のインタビューでモウリーニョ監督は、「ハーフタイムには何も話さなかった。ひとたびしゃべり出せば、10分あっても20分あっても言い足りなかったから」と語っていたそうです。確かに、そんなことをしたくなるくらいひどい前半ではありましたが、それにしても相変わらず大胆なことをしますね。指揮官のこの振る舞いには、選手たちはさぞ危機感を高めたことでしょう。プレミアリーグ首位のチェルシーは、後半に効果的な速攻を次々と成功させ、「お得意様」フラムにアウェイで1-3と快勝。苦手クラブにつまづきを強いられたロンドンのライバル、アーセナルを突き放し、プレミアリーグ制覇に向けてまた一歩、前進しました。

ウィリアンがベンチスタートとなってシュールレが入った以外は、ラミレス、オスカル、マティッチ、アザールとベストメンバーといっていいチェルシーのフォーメーション。この日のトップはF.トーレスです。開始早々からチェルシーのペースで進むだろうと思って観始めたゲームは、ドタバタした展開で進みます。チャンピオンズリーグの疲れが残っているのか、チェルシーは細かいミスが多くてスピードもなく、アスピリクエタの左サイドを支配され、フラムに攻め込まれる場面が目立ちます。

一方のフラムも、プレミアリーグ最下位脱出のためにはホームで勝ち点ゼロに終わるわけにはいかない状況。ボールへの寄せの早さから、マガト監督の厳しい指導の成果と負けられないという気合いが伝わってきますが、いかんせんDFラインが落ち着きません。13分にはGKステケレンブルクがゴールキックを飛び込んできたF.トーレスに当ててしまい、F.トーレスも落ちてきたボールを空振りするという、なかなか観られないプレイが繰り広げられます。前半のチェルシーのめぼしいチャンスは、F.トーレスが終了間際に放った右からのシュートのみ。チーム全体としてはいい出来ではなかったものの、スペイン人ストライカーからは何とか結果を出したいという気持ちが伝わってきます。彼の強烈なシュートはステケレンブルクがいい反応で弾き出し、0-0のまま冒頭のハーフタイムに入ります。

掟破りの無言ビームを存分に浴びた若い選手たちは、相当奮い立ったのでしょう。後半、開始7分という早い時間にリードを奪えたことも手伝って、チェルシーは見違えるように変わり、得意のカウンターが次々とはまります。それにしても、フラムのラインの上げ方は無謀でした。52分のゴールは、右サイドのスローインから。アザールが中央でボールキープし、右サイドから中に走るシュールレを見て左足で裏に出すと、後半から入ったフラムSBダン・バーンはついていけません。シュールレのヘッドを使ったファーストタッチは絶妙でしたね。これ一発で、一気にゴール前までボールを運ぶと、あとはGKステケレンブルクの動きを確認して左足で流し込むだけ。前半は抑えていたチェルシー攻撃陣を自由にさせてしまったこの一撃は、プレミアリーグで最下位にあえぐホームチームにはあまりにも厳しいビハインドでした。

ここからは、「点を返すために前がかりになればなるほど、チェルシーにその裏を突かれる」という悪循環です。2点めは65分。オスカルからパスを受けたアザールが、ハイティンハをかわして左でボールをキープすると、右サイドから左に流れてきたシュールレにスルーパス。縦に抜けたシュールレへの対応が遅れたのは、またしてもダン・バーンです。ほとんどフリーになったドイツ人MFは、完璧なクロスのシュートをステケレンブルクの左脇に放ち、0-2。こうなると興味は、シュールレがハットトリックを達成するかに移りますが、この結論が出るまでには3分しかかかりませんでした。

68分、チェフのゴールキックを競ったF.トーレスが、右でフリーになっていたシュールレにインサイドでラストパス。14番から完全に目を離していたリチャードソンは、GKとの1対1を後ろから見送ることしかできず、冷静な右足シュートがゴール左に吸い込まれて0-3。この後、74分のCKからGKチェフの曖昧なプレイがあってハイティンハにゴールを許しますが、もはや焼け石に水。チェルシーは、先制点からたった15分でゲームに決着をつけ、クレイブン・コテージにアウェイゲームの難しさは存在しないことを証明しました。

この日のMVPを選ぶとすれば、シュールレ以外を指名する人はほとんどいないでしょう。しかし私は、彼に素晴らしいパスを2発通したアザールと、前線で体を張って攻撃の起点となり、ゴールはならなかったものの再三惜しいシュートを打っていたF.トーレスも、一緒に選んであげたいくらいよかったと思います。コンディションが悪い試合でも我慢して勝ち点3を奪えて、ターンオーバーで入った選手がちゃんと活躍するあたりは、「プレミアリーグ優勝資格の一次試験合格」といっていいのではないでしょうか。いやいや、久しぶりにスタメンに入ったシュールレはビビったでしょうね…ハーフタイム。

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“【Fulham×Chelsea】最悪の前半、怒涛の後半。シュールレハットトリックで、お得意様を一蹴!” への3件のフィードバック

  1. ko より:

    アーセナルの試合にはがっくりして、何も言えない今回ですが、チェルシーの試合は楽しかったです。ゲームの後にモウリーニョのコメントを聞き、試合を見直してしましました。
    ハーフタイムでの若い選手たちの恐怖を思うと…楽しい。
    モウリーニョ、ベンゲルのライバルですが、どうしても嫌いになれません。
    もっとやれ!と応援しています。プレミアに返してくれたマドリ-ありがとう。(エジルもくれたし、本当に感謝)

  2. チェルシー より:

    更新お疲れさまです

    モウリーニョは大胆な事をして成功するので凄いですよね
    アザール、ウィリアン、オスカルの二列目三人もテクニカルでいいですがみんな足元で受けるタイプなので、シュールレやサラーの様なタイプがいた方が幅が出るという意味ではいいかもしれません

    プレミアも残り10節ですが最後まで楽しみです

  3. makoto より:

    koさん チェルシーさん>
    アザールとシュールレが、モウリーニョ無言にいちばんビビったふたりかもしれません。前半との変化でいうと、彼らの変わり身が大きかったので(笑)。

    シュールレの後半のトラップ、キレキレでしたね。チェルシーさんがおっしゃるとおり、後ろが空きやすいアーセナルやマン・シティ相手には、サラーともども有効だと思います。

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