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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Chelsea×Tottenham】4発すべて信じられないミス…トッテナムの自滅でチェルシー、望外の大勝!

5時間前に、アーセナルがFAカップで4発快勝!というべき試合をしましたが、同じ4発でも、今日のチェルシーに快勝のハンコは押せないでしょう。55分までは緊張感の高いいい勝負でしたが、トッテナムのひとつのミスからゲームは一気に壊れ、終わってみれば一方的なスコアでした。プレミアリーグ第29節、チェルシーVSトッテナムは4-0でチェルシーが大勝。ゴールはすべてトッテナムの自滅です。チェルシーは、3試合消化が少ないマンチェスター・シティに対して得失点差を詰め、モウリーニョ政権初年度のプレミアリーグ制覇に向けてまた一歩前進しました。

開始早々、4分にエトーのスルーパスからアザールがGKロリスまでかわし、無人のゴールにシュートを放ちますが、態勢を崩しながらの右足は枠を捉えることができません。これをしのいだ前半は、運動量が多くエトー、アザールを封じたトッテナムのゲームだったといっていいでしょう。14分に浮き球をヘッドでコントロールしたアデバヨルからのパスを受けたベンタレブが抜け出し、フリーで打った左足シュートは惜しくもゴール右脇。24分にフェルトンゲンのクロスのこぼれ球をペナルティエリア外から狙ったMFサンドロのダイレクトボレーは、GKチェフが右に飛んでセーブします。

チェルシーは、中盤高い位置でボールを奪って少人数でショートカウンター。トッテナムは、大きくサイドに展開してアーロン・レノンや両SBからの突破。攻撃のスタイルは違えど、相手のいいところを早期につぶすハードなチェックには共通するものがあります。29分に、敵陣でのボール奪取からエトーが右に持ち込んで打ったシュートを最後に、前半は決定機はなし。シュート数は3対4。枠内シュートは、両軍合わせてもサンドロのボレー1本のみ!チェルシーは前線に3人入るシーンがほとんどなく、チャンピオンズリーグで敗れたバーゼル戦のような細い攻撃です。今日こそ、モウリーニョ政権のスタンフォード・ブリッジでのプレミアリーグ不敗伝説が崩れるシーンが観られるのではないかと、テンションが上がるトッテナムの健闘ぶり。後半開始直後にも、CKからカブールがジャストミートのヘディングシュート。これはGKチェフの正面でしたが、50分を過ぎても出足のよさと運動量は変わりません。

ところが55分、勝ち点が奪えそうな試合展開を、トッテナムは自らの信じられないミスで台無しにしてしまいます。左SBのフェルトンゲンが、自陣でボールキープして切り返しを入れると、痛恨のスリップ。ボールを奪われそうになったベルギー代表は、中のカブールとドーソンめがけて倒れながら苦し紛れにパスを出します。しかし、カブールはボールに集中できておらず、ドーソンより先に反応したのは抜け目のないエトーでした。極上のプレゼントを受けて迎えた1対1のチャンスに、エトーはGKロリスの右脇を破り、1-0。何とこれがチェルシー初めての枠内シュート。トッテナムにとってはあまりにも痛い失点でしたが、これは序章にすぎません。もっと厳しかったのは、4分後の2点めのほうでしょう。

58分、失点の後からラインを上げてきたトッテナムの裏を突き、縦パス1本で左からアザールが抜け出すと、ゴール前ではエトーがフリー。パスが出たのをみてあわててマークに着こうとしたカブールは、エトーに体をぶつけ、倒してしまいます。おそらく足はかかっていませんでしたが、不利な態勢から接触したため、PKを獲られても仕方がないシーン。しかし、ジャッジはさらに残酷でした。「決定機阻止で、一発退場」!アザールに簡単にPKを沈められ、CBを失ったトッテナムの戦いは、30分を残して終わってしまいました。

69分には、さらにドーソンが足を痛めて退場。10人のトッテナムは、サンドロを最終ラインに回すという急造DFラインを強いられます。76分、モウリーニョ監督は、エトーをデンバ・バにスイッチ。フェルナンド・トーレスが試合前の練習でケガをしたためチャンスが回ってきたエトーといい、相手から「ごちそうさま」の大チャンスを2回ももらったデンバ・バといい、今日のチェルシーFWはラッキーでしたね。ひと足早い、最高の「ホワイトデー」。87分からのデンバ・バの2連発も、白いユニフォームからの贈り物でした。

87分、右サイドでアザールに預けたオスカルが縦に入ると、アザールがDFの裏に通すスルーパス。フリーで攻め上がったオスカルのラストパスはデンバ・バに合わず、サンドロが手前でカットしますが、これも無理な態勢だったためにサンドロは倒れ込み、労せず奪取したデンバ・バがゴール前5メートルからロリスの股間を抜いて3点め。88分には、デンバ・バに詰められて厳しい体勢から蹴ったロリスのゴールキックを、カイル・ウォーカーが残っているデンバ・バに気づかずヘッドでバックパスしてしまい、これを脇からさらわれて4-0。この日のチェルシーは、枠内シュートがたった4本。PKが1本、相手のミスパスをそのままシュートしたものが2本。ほとんど自らまともなシュートを打ってないのに、4点も獲れるとは…。サッカーの神様の気まぐれぶりには、唖然とするばかりです。

結果的には大荒れの試合となってしまいましたが、チェルシーのディフェンスが安定していたからこそ、先に点が獲れたのだと思います。攻撃面では、ほとんどアザールとエトーふたりで攻めていたようなものでしたが、マティッチがとにかくよかったですね。一発で前線を優位に立たせる縦パス、相手の薄いサイドを的確に突くロングフィードは絶品でした。トッテナムは、ハンドルが滑って大クラッシュして、ポールトゥウィンを逃しましたが、前半のサッカーができればプレミアリーグ上位相手でも簡単には負けないと思います。

トッテナムが敗れたことで、1試合消化が少ないマンチェスター・ユナイテッドと、2試合少ないエヴァートンが勝ち点5差まで迫ってきました。キャピタルワンカップに優勝したマンチェスター・シティがプレミアリーグ4位以内に入ることがほぼ当確のため、キャピタルワンカップ優勝クラブのヨーロッパリーグ出場権は消滅。今のところ、5位と6位が来季の欧州で戦う権利を得ていますが、強敵との対戦を多く残しているトッテナムは7位転落まである状況です。プレミアリーグ優勝争いも白熱していますが、来季のヨーロッパリーグ出場権争いもまた、地味ながら熾烈です。まだ、実質7位か…昨季は独走優勝だったのに。

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“【Chelsea×Tottenham】4発すべて信じられないミス…トッテナムの自滅でチェルシー、望外の大勝!” への5件のフィードバック

  1. プレミア大好き! より:

    今季の敗戦を象徴するような試合でしたね
    とにかくミスから失点し、そうなってしまうとあきらめてしまうのかはわからないがズルズルと大量失点
    ある意味スパーズファンとしては怒りを通り越して笑うしかない
    こんなんじゃCL権とれるわけないです
    負けるのは仕方ないとしても気持ちだけは最後まで見せてくれ!
    前半は悪くなかったわけだし

  2. makoto より:

    プレミア大好き!さん>
    退場者が出て、テンション下がって失点を重ねるという、今季トッテナムのプレミアリーグ上位対決・大敗パターンにはまってしまいました。集中力さえ続けば、アーセナルやマンチェスター・ユナイテッドをつぶすポテンシャルはあるので、いま一度立て直してほしいですね。

  3. チェルシー より:

    更新お疲れさまです

    前半はスパーズのチェックが良かったのもありましたがフラム戦同様ピリッとしませんでしたね
    シュールレは裏への抜け出しなどはいいですが技術的な部分がまだ荒削りですね
    433にするなら右にウィリアン、4231でもシュールレを使うならオスカルかウィリアンが必要かなと思いました

    後半オスカルが入ってギアが上がってスパーズがファールで止める場面が増えてきてさあこれからって時に自滅だったので、嬉しい勝ち方ではないですが…

    とりあえず三試合消化の少ないシティにはプレッシャーかけれますね
    次のマンチェスターダービーは赤い悪魔に期待してます

  4. たか より:

    またやってしまったスパーズ。さすがのチェルシーですし、敗北は覚悟してましたが。
    今季の上位相手の戦績はひどいもんですね
    シャーウッドに変わったんで良くなったかなと思いましたけど、燃料切れの癖は治らないですね。メンタルの問題なのか。
    アデバヨールの魔法も解けはじめたようですし、是が非でもELはとってくれないとロリス、フェルトンゲンあたりは出ていってしまいそうです
    ファンとしては胃が痛いところですが、頑張れ!!

    それにしても今日はソルダードが見たかった

    —–
    得点前もチェルシーが後半盛り返してる中で中盤を止めるためにトットナムはイエロー連発でしたしあのままいけば誰かの退場は必然だった気もしますね。

  5. makoto より:

    チェルシーさん たかさん ソルダードだドンさん>
    サンドロは、退場がなかったとしてそのまま中盤に残っていたら、2枚め、危なかったかもしれませんね。カブールの判定は厳しかった(=今のルールではやむなしで、レフェリーに異論はありませんがイエローですます方もいたのでは、という意味で)と思いますが、イエローだったとしてもリスクとってラインを上げていたので、結局何らかの形で追加点は入っていたことでしょう。

    とにもかくにもフェルトンゲンの「判断ミス」が痛かったですね。スリップはしょうがないとしても、その後の中へのキック。さらにいえば、決して結果論ではなく、ああいう形で諦めてしまって2点獲られるくらいなら、ソルダードを入れて点獲りにいく、という判断もありだったかと思います。守るなら徹底して守る、点差を詰めにいくなら必死に攻める、のどちらかをはっきりさせないと、サポーターもモヤモヤしますよね。

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