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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Tottenham×Saints】ミスだらけの乱戦を制したのは、ラスト2分で決勝ゴールのトッテナム!

プレミアリーグ6位のトッテナムと9位のサウサンプトン。両者とも好不調の波が激しく、今ひとつ勝ち点を伸ばせないものの、攻撃のタレントが充実したチーム同士の戦いです。激しい攻め合いを期待したのですが、前半のゴールはすべて、DFの信じられないミス絡み。終了間際の大逆転で乱戦を制したのは、最後まで諦めなかったホームチームでした。

立ち上がりから積極的だったのはアウェイのセインツ。トッテナムの高いDFラインに、オフサイドを取られるシーンが多かったものの、ランバート、ジェイ・ロドリゲスが虎視眈々と裏を狙います。対するトッテナムの最初のチャンスは13分。エリクセンが前線に当て、落としたボールを受けた左サイドのシャドリがフリー。満を持して出したクロスにソルダードが合わず。見事なコンビネーションでしたが、先制はなりません。

18分、この日最初のとんでもないミスが出て、セインツが1点を先取します。GKボルツのゴールキックを、ワンバウンドさせてかぶってしまったのはカイル・ノートン。何もせずにゴール前でフリーになったジェイ・ロドリゲスが、GKロリスとの1対1からゴール右隅に流し込みます。これで勢いに乗ったセインツは、運動量の少ないトッテナムのMF陣を囲い込み、一方的に攻め立てます。23分、リッキー・リー・ランバートが右サイドを突破してグラウンダーを送ると、最後はララナが左足シュート。25分にもランバートの崩しからSBクラインが右サイドを抜け、中に入ったボールのこぼれをルーク・ショーが思い切ってミドルを放つも、DFがかろうじて足に当ててCK。トッテナムは左サイドのダニー・ローズが狙われ、高かったDFラインをペナルティエリアまで下げて応戦します。

27分、カイル・ノートンは、この日2回めのボーンヘッドを披露してしまいます。中盤からの苦し紛れのパスを、最終ラインでトラップミスしては、ランバートやララナを擁するセインツが黙っているわけがありません。簡単にこのボールを拾われると、右でフリーになったララナがGKロリスのポジションをみて左足でコントロールシュート。トッテナム、ホームで0‐2の大ピンチ。これといった攻め手がなく、エリクセンやレノンの個人技頼みでは2点を返せるイメージはありません。

しかし30分、今度はセインツにケアレスミス。右サイドでシャドリが落としたボールを、デンベレがファーサイドへクロス。これはSBクラインがクリアすれば何でもないボールでしたが、キックを空振りしてボールは弱々しく後ろにこぼれます。そこにいたのは、エリクセン。左足で容赦なくニアに蹴り込み、1-2と差を詰めます。

これでトッテナムが元気になり、残り15分は攻め合いです。37分、ララナが左から持ち込み、至近距離から打ったシュートはロリスがブロック。41分、右からのクロスをソルダードが絶妙のタッチで落とし、狭いスペースをエリクセンが抜け出しますが、これはGKボルツが鋭く飛び出し、ボールを懐に収めます。アウェイチームがリードしたまま、前半は1-2で終了。しかし、このままスコアが動かず試合が終わるイメージはありません。

後半に入り、たった1分でトッテナムが同点に追いつきます。右サイドでソルダードがCBデヤン・ロブレンを完全に抜き去り、ドリブルでゴールライン際を進むと、中に走り込んだエリクセンに完璧なラストパス。触るだけだったエリクセンが2点めを決め、これでようやくイーブンです。完全に息を吹き返したトッテナム。55分、シャドリのミドル。58分、縦に抜けたエリクセンがニアにシュート。60分を過ぎても、シャドリ、エリクセン、ソルダード、後半から入ったシグルズソンが、セインツのサイドを再三制してチャンスを創ります。セインツも時折反撃に転じるものの、前半のような有効なチャンスを創れません。ジェイ・ロドリゲスに代わって入ったガストン・ラミレスもトッテナムを慌てさせることはできず。ペースは明らかにトッテナムですが、シュートを枠に持っていくことができないまま、時計は90分をまわります。追加タイムは、4分。

このままドロー決着かと思われた92分。GKロリスがゴールキックをセインツのゴール前まで飛ばすと、CBフォンテのクリアが小さく、落下点に入ったシャドリがエリクセンにつなぎます。エリクセンが走り込んだシグルゾソンに落とすと、22番は迷わずグラウンダーのミドルシュート!これがボルツの右手の先を破り、トッテナム、ついに逆転!最後の最後でプレミアリーグ6位の意地を見せ、自らのミスで苦しくしてしまった試合を、自らの底力で勝ちゲームに変えました。

いやあ、マンチェスター・ユナイテッドサポーターとしては、最後の一発だけ余計だったのですが、後半のトッテナムの必死さが最後に実りましたね。相変わらず中盤の組み立てには難がありますが、ソルダード、シャドリ、エリクセンには何度かいいコンビネーションがあったので、彼らが近くでプレイする頻度が上がればチャンスは増えるのではないでしょうか。トッテナムは、これでプレミアリーグ暫定5位。エヴァートンやマンチェスター・ユナイテッドのプレッシャーを受けながらも、最近、急ブレーキがかかっている4位アーセナルの背中も、おぼろげながら見えています。チャンピオンズリーグか、欧州見送りか。どう転ぶにしても、トッテナムの未来には、天国と地獄のどちらかしかなさそうです。(ギルフィ・シグルゾスン 写真著作者/Andrzej Otrębski)

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“【Tottenham×Saints】ミスだらけの乱戦を制したのは、ラスト2分で決勝ゴールのトッテナム!” への3件のフィードバック

  1. スパサポ より:

    ノートンはあきらめた
    ローズもあきらめた

  2. ラフィー より:

    スパサポからすると、良くも悪くもスパーズ“らしい”試合運びだったかなと。

    トップ4に比べると、あまりにも攻守ともに稚拙ですよね。

  3. makoto より:

    スパサポさん ラフィーさん>
    シャドリが元気だったことと、エリクセン&ソルダードが近くでプレイすると、おもしろいチャンスが創れるとわかったことが収穫でしょうか。

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