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【MAN.UTD×Aston Villa】完璧アシスト、スルーパス!香川真司がマンチェスター・ユナイテッドを救う!

「Wrong one,Moyes out」…オールド・トラフォードの上空に、マンチェスター・ユナイテッドのサポーターが共同でお金を出し合った飛行船が舞っています。プレミアリーグ開幕当初から、スタジアムに大々的に飾られたバナーに「The Chosen One(選ばれし男)」と書かれ、期待を一身に受けていたモイーズ監督は、今や「間違った男、出て行け」と公然と批判される存在になってしまいました。

この日のマンチェスター・ユナイテッドのスタメンは、ルーニーがトップ、マタがその直下で香川真司とアシュリー・ヤングがサイド。中央にはフェライニとフレッチャーというフォーメーションですが、立ち上がりからピリッとしません。中盤でボールをカットしても、ルーニーやマタにいいボールが入らず、アストン・ヴィラに簡単に奪い返されて押される時間が続きます。不用意にボールを獲られるシーンが目立つなかで、13分に先制されたのは、当然の帰結といってもいいでしょう。裏に一発で抜かれそうになったラファエウが、ペナルティエリアのすぐ外でファールを犯し、イエローカード。直接FKを右足でカーブをかけて決めたのはMFウエストウッドでした。またもや、オールド・トラフォードで1点のビハインド。0-1となってからも、マンチェスター・ユナイテッドは攻撃の糸口をつかめず、膠着状態が続きます。

このピンチを一発のパスで変えたのは、香川真司でした。19分、左サイドでボールを受けた26番は、中へ切り返してドリブルで進むと、中央で空いていたルーニーに完璧なクロス。ドンピシャのボールをルーニーが軽くヘッドで角度を変えると、ボールは右ポストの内側を叩いてゴールに吸い込まれます。マンチェスター・ユナイテッド、同点!これで落ち着きを取り戻したホームチームは、20分のルーニーのミドル、22分のビュットナーの突破とペナルティエリア付近でチャンスを創れるようになります。26分には、左サイドで香川真司が倒され、FKをルーニーがヴィディッチに合わせるなど完全に優勢。開始当初はアグボンラホルやヴァイマンのチャンスメイクでゴール前を脅かしていたアストン・ヴィラは、30分にMFデルフがクロスをベンテケに合わせるものの、ボールはゴールラインを越えてしまいシュートにつなげることができません。

勝ち越し点を狙うマンチェスター・ユナイテッドは、香川真司がDFラインの裏に入ると、マタやフレッチャーから点の匂いがするパスが出るようになります。32分には、マタの長いパスが前線の香川に入りますが、これはDFに先に触られてGKがキャッチ。しかし44分、ようやくマンチェスター・ユナイテッドの必死の攻撃が実ります。中央をドリブルで上がり、左を走るマタに長いスルーパスを通したのは再び香川真司!ゴール前でフリーで受けたマタは、バクーナに足を引っかけられてジャッジはPK。これをルーニーが右隅に決めて、2-1逆転という最高の形で前半を折り返しました。

後半、先にチャンスを創ったのはアストン・ヴィラでした。ヴァイマンのミドルや左右からのクロスがゴール前を襲い、48分にはゴール前でどフリーになったベンテケのボレーが空振り。53分にも、右クロスをピタリと捉えたベンテケのヘッドがわずかにゴールの上に外れていきます。ここをしのいだのは大きかったですね。57分、反撃に転じたマンチェスター・ユナイテッドは、ゴール前に入ったボールのクリアを拾ったビュットナーのヘッドから、オフサイド気味にDFラインの裏に殺到したフェライニとマタが混戦となり、最後はマタが右足でゲット!1月に移籍してきたスペイン代表MFは、これがマンチェスター・ユナイテッドにおけるプレミアリーグ初ゴールです。3-1とリードを奪ったホームチームは、68分、おそらくチャンピオンズリーグのバイエルン・ミュンヘン戦でもスタメンを張るであろう香川真司がお役御免。ヤヌザイとハイタッチしてピッチを後にすると、サポーターから大きな拍手で称えられます。

この日は、最後まで安心して観ていられました。70分を過ぎても、マンチェスター・ユナイテッドペースは変わりません。71分には、後方からのロングパスを足元にピタリと収めたルーニーがDFをかわし、フリーで強いシュートを放ちますが、これはGKグザンがブロックしてハットトリックならず。75分、大活躍のエースもバイエルン戦に向けて体力温存、チチャリートとチェンジします。2点を追いかけるアストン・ヴィラの攻撃はロングボールと強引なカウンター頼み。プレミアリーグ上位対決ではあれだけ不安定だったマンチェスター・ユナイテッド守備陣も、これではゴールを割られる心配はありません。

91分、最後のチャンスはヤヌザイのドリブル突破。フェライニのパスから左サイドを完全に崩した19歳の速いクロスに、中で反応したのはチチャリートです。ワンタッチゴールを得意とする小柄なメキシコ代表FWは、ボレーをきっちり枠に押し込み4-1。マンチェスター・ユナイテッドは、プレミアリーグでは開幕戦以来の4得点で、ダービーの屈辱を晴らす大勝。トッテナム次第ではあるものの、欧州行きへ望みをつなぎました。

いやー、アグレッシブでよかったです、香川真司。できればこんなゲームでこそ、待望のプレミアリーグ今季初ゴールがほしかったですね。マタに先を越されてしまいましたが、この調子をキープできれば、ノーゴールでシーズンを終えることはないでしょう。さあ、次は火曜日、チャンピオンズリーグのバイエルン・ミュンヘン戦です。厳しい戦いですが、ドルトムント時代、彼らに5戦5勝と相性抜群の香川真司の活躍に期待したいと思います。

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“【MAN.UTD×Aston Villa】完璧アシスト、スルーパス!香川真司がマンチェスター・ユナイテッドを救う!” への6件のフィードバック

  1. Uボマー より:

    面白いゲームでした。前半は特にバランスが良かった。
    左サイドはビュットナーとのコンビでの崩しが効いていて、香川は狭い所を抜けるパスが上手くて視野の広さも光ってました。ビュットナーはエブラよりも裏に抜ける動きができるスタミナが武器になってました。
    ショートパスのサッカーばかりが目立った結果になりましたが、右サイドもラファエウがいる間は良い攻撃を見せてました。ラファエウが裏に抜けられる足の速い選手なので、ヤングがフリーでプレイできるシーンが多くありました。
    後半はラファエウが抜けて右サイドの攻撃が単調になってバランスが崩れました。守備の不安定さは前半から変わりなく、右サイドの圧力が下がった分、ロングボールで押し込まれる場面が多くなりましたね。全体的にはまだまだなんでしょうけれども、とりあえずバイエルン戦が楽しみになりました。

  2. makoto より:

    Uボマーさん>
    香川、マタ、フレッチャーが、意志をもって裏をみていて、ゴールに近い位置でいい形に持ち込めたと思います。ディフェンスは不安ですが、バイエルン戦は意地をみせてほしいですね。

  3. ダプ より:

    やっと香川にアシストがついてほっとしています。できればゴールも欲しかったのですが、チームに勝利をもたらす貢献ができていたのでよかったです。
    あと試合を見ていて、香川はウエストハム戦でもそうでしたがマタと一緒のときはマタが出し手になれるので意識的にスプリントや裏を狙う動きをしていたように感じました。
    前半戦でもCL等で良い動きをしていましたが、どちらかというと出し手、組み立てがメインでなかなかゴールに直結した働きを見せられなかったのですが、フレッチャーが香川をよく見てくれるし、フェライニがフイットしてきたこともあって、高い位置で攻撃に絡めるようになってきました。
    この調子であとは香川にPA付近で動き出しに合わせてパスが出ればゴールも量産できると信じています。

  4. makoto より:

    ダプさん>
    そうですね。あとは、シュートとゴールですね!

  5. ぷーがそん より:

    やっとアシスト1。長かった〜。

    ルーニーワントップの香川、マタが2列目4-3-2-1 クリスマスツリーフォーメーションはどうでしょうか?

  6. makoto より:

    ぷーがそんさん>
    それは賛成です!マタ、香川真司、ルーニー、ファン・ペルシ、ウェルベックと中央に役者が揃っているので、特段レベルが高いわけでもないサイドにこだわるより、4-3-1-2や4-3-2-1にすればどうか、と以前から思っておりました。センターMFをどうするか、という課題は残りますが、底にキャリックかP.ジョーンズ、脇のふたりをフェライニ、フレッチャー、バレンシア、ギグスでまわせばいけそうですよね。3人で中盤、ということであれば、クレヴァリーももうちょっと機能するかもしれません。

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