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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Norwich×Liverpool】プレッシャーに思い切りが勝った19歳の2ゴール。リヴァプール、11連勝であと3つ!

リヴァプール、マンチェスター・ユナイテッド、チェルシー、アーセナル。プレミアリーグの残り4試合の対戦相手が強豪ばかりで、いまや降格予想1番人気のノリッジと、マンチェスター・シティとチェルシーがサンダーランドに足をすくわれて、絶対的な優位に立ったリヴァプール。プレミアリーグ首位チームのスタメンには、マンチェスター・シティ戦で退場になったヘンダーソンと、ケガを負ったスタリッジがいません。ただでさえ戦力がダウンしたリヴァプールに対して、「優勝経験がないので、堅くなって力が発揮できなくなるのではないか」という懸念の声もありましたが、不安を吹き飛ばしたのは、開始4分のスターリングのゴールでした。

左サイドからのコウチーニョのパスを受けた成長著しい19歳は、右にドリブルしながらシュートコースを伺うと、一瞬のスキをついて渾身の右足!DFに当たったボールはゴール左隅に伸び、GKルディは全く触れません。アウェイのリヴァプールが先制したことで、プレミアリーグ降格を逃れたいノリッジは攻めざるをえなくなり、リスクをとって全体を前に押し上げます。11分の追加点は、ノリッジDFラインの裏を左から突いたスターリングの絶妙なラストパスから生まれました。CBの背後からノーマークでゴール前に侵入し、ルディの前で右足インサイドに軽く当てたのは、ノリッジの天敵、ルイス・スアレス!エースの今季プレミアリーグ30ゴールめが、ゴール右隅に向かって転がっていきます。

これで、手負いのノリッジに火がつきました。15分過ぎからの厳しいフォアチェックと、グレン・ジョンソンのサイドを突いた波状攻撃は、追加タイムに1点を追うチームのような激しさです。サコとシュクルテルのCBコンビを中心としたリヴァプールの最終ラインは、「落ち着いて対応した」などといえるような状況ではありませんでしたが、鋭い出足でフリーのシュートだけは許さず。28分にはMFスノッドグラスがジョー・アレンを削ってイエローカード。このハードなチェックは、ゲーム終盤まで続くのでしょうか。30分には最終ラインでのパス回しを狙われ、CBサコがペナルティエリアの前でボールをロスト。スノッドグラスのクロスはシュクルテルが戻りながら左足でクリアし、リヴァプールはこのピンチも何とか抑えます。

33分、グレン・ジョンソンのパスミスを中盤でインターセプトしたレッドモンドのミドルはGKミニョレがセーブ。38分、またも左サイドからノリッジが攻め、きわどいクロスがリヴァプールのゴール前を横切ると、これを逆サイドで拾ったMFレッドモンドが角度のないところからシュート。43分、押される時間が長かったレッズも反撃に出て、左サイドからコウチーニョがカーブをかけたミドル。いずれも枠を外れますが、負けられない両者の気迫が伝わってきます。月並みな表現ですが、あっという間の45分。最後まで走り抜くのか、ノリッジ。守り抜けるのか、リヴァプール。

後半のキックオフから、さっそく殴り合いが再開です。48分、自陣でミニョレのパスを受けたスターリングが、「後ろにいたスアレス」に落とすと、スアレスは左サイド奥深くに素晴らしいロングパスをフィード。コウチーニョの落としを、フィニッシュに持ち込んだのは何とスターリング。ノリッジの怒涛のアタックに、守る時間が多いリヴァプールですが、相変わらずそのカウンターは脅威です。しかし、ノリッジはひるみません。諦めることなく繰り返したサイド攻撃が実ったのは、53分でした。ハイボールにゴールマウスを飛び出したミニョレが、シュクルテルと交錯してパンチングミス。このこぼれ球をフーパーが押し込み、ついに1-2。ますます勢いがついたノリッジは、1週間前のマンチェスター・シティのような強さです。

58分、リヴァプールもようやく反撃。スアレスがゴール前でDF2人を振り回して放った右足は、わずかに左ポストの外にそれていきます。すると61分、本日キレキレのサイドアタッカーが、3回めの大仕事を成し遂げました。自陣でパスカットしたボールを、そのまま50メートル、ドリブルで持ち込んだのはスターリング。右に流れたスアレスの逆にコースを取り、ペナルティエリア内で放った左足シュートは、ブラッドリー・ジョンソンに当たってルディの頭越しにゴールイン!リヴァプ―ルにとっては、大きな大きな3点め。あと一歩で同点というところまで迫っていたノリッジ、絶望的な2点差です。

それでも気落ちしないのが、何が何でもプレミアリーグに残りたいホームチームでした。失点直後にも、いちばん元気なスノッドグラスがすかさずミドル。70分にはオルソンの左からのシュートをシュクルテルがかろうじてヘッドでクリア。このCKからヘッドで狙ったマーティンの一発は、ゴールの上に外れていきます。残り15分、ロジャース監督はコウチーニョをモーゼスに代えて、前線の運動量を強化します。しかし、粘るノリッジは77分、ついに2点めをゲット。左からのハイクロスを、フラナガンの上からヘッドでたたいたのは、またもスノッドグラス。2-3、まだまだゲームはわかりません。ロジャース監督は、すかさずアッガー投入。後ろを固めて逃げ切るという戦術は、吉と出るのか、凶となるのか?82分、やはり左からのクロスに、途中出場のFWヴォルフスヴィンケルが完璧なヘッド。叩きつけられた難しい弾道をきっちりキャッチしたのはシモン・ミニョレ!

プレミアリーグ17位とは思えないアグレッシブなチェイシングを見せ続けたノリッジは、どうやら最後まで走りきれるようです。追加タイムは4分。スアレスの左足ミドルは枠の外。スノッドグラスへのパスはサコがチェック。リヴァプールの最終ラインは冷静です。92分、ノリッジの攻撃をカットしたシュクルテルが、左サイドのモーゼスにロングフィード。ドリブルで抜けたモーゼスがスアレスにつなぐと、中央で2人をかわしてフリーになったスアレスは、横にいたルーカスにラストパス。この絶好のチャンスに、ルーカスのシュートは右に外れ、追加点はなりません。…最後までプレミアリーグ首位を苦しめた、ノリッジのチャレンジはここまででした。リヴァプールが2-3で勝利を飾り、チェルシーに5点差、2試合消化が少ないとはいえマンチェスター・シティに9点差をつける勝ち点80到達です。

いや、すごい試合でした。リヴァプールの最大の勝因は、プレッシャーをものともしなかった、若いスターリングの思い切りのよさでしょう。スタリッジの穴を埋めた19歳のチャレンジ精神と、同点ゴールだけは許さなかったシュクルテル、ジェラードらの気持ちの強さに、心からの拍手を送りたいと思います。よくやった、リヴァプール!

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“【Norwich×Liverpool】プレッシャーに思い切りが勝った19歳の2ゴール。リヴァプール、11連勝であと3つ!” への10件のフィードバック

  1. クロップ より:

    始めてのコメントです!
    私は彼女が引くほどのユナイテッドファンです^ – ^笑
    始めてユナイテッドを知ったのは日韓ワールドカップでベッカムを知ってからです。
    その時からユナイテッドは常勝軍団でどんどんその魅力にのめり込んでいってます笑だから今シーズンは信じられない‥。
    だからこそユナイテッドの本当のライバルのリバプールには長い間待ち望んだ優勝を掴んでもらい、これからはユナイテッドとリバプール、素晴らしい歴史がある2チームがプレミアをさらに盛り上げていって欲しいですね^ – ^
    そのためには、ユナイテッドが低迷を今シーズンで終わらせるか、ですが。

    ちなみに、ルークショーとクロース獲得は信ぴょう性はありそうですかね^ – ^

  2. 緑黄色野菜 より:

    スターリングは19歳ですよ。

  3. あああ より:

    スターリングはチームプレイ覚えないと大成しないと思ってましたが大躍進の年になりましたね。
    リヴァプールは若手の勢いがあるのがいいですね。
    正直、今季スターリングやフラナガンの台頭がなければどうなっていたのか・・・
    スタリッジ、ヘンダーソン、コウチーニョなどを覚醒させられたのは見事でした。
    今季のローマやアトレティコ、リヴァプールなどを見てると、「金を投資してない」「怪我人が多い」「選手層が薄い」なんて言ってるアーセナルが言い訳っぽく聞こえますね。

  4. 菅楽 より:

    更新お疲れさまですー

    いやーはらはらさせられる試合でした!
    ネットのどこかで見ましたがシティ戦のあとにジェラードがノリッジ戦でも同じようにいくぞ!と言ったら同じスコアになったでござるというコメントに笑いました。

    〉〉あああさん
    アーセナルはCLもFAもやっているので仕方ないとは思うのですがねー

  5. makoto より:

    緑黄色野菜さん>
    ご指摘ありがとうございます。失礼しました。算数、間違えまして。訂正させていただきました。

  6. makoto より:

    あああさん>
    おっしゃるとおりですね。ロジャース監督が、若い選手のモチベーションと才能を引き出しました。リヴァプールも、一時期はサコ、ホセ・エンリケ、アッガー、G.ジョンソンと、「シュクルテル以外のレギュラーDF全滅状態」だったわけですもんね。

  7. makoto より:

    クロップさん>
    ルーク・ショーはロンドンの青、トニ・クロースは残留、が本線のようです。お金で口説くか、新監督と他の強化で優勝の期待値を上げて振り向かせるか、ですね。

  8. makoto より:

    菅楽さん>
    ノリッジ戦が、マン・シティ戦と同じスコアだったのには、私も観ながら「そういうこと!?」とツッコミを入れてしまいました(笑)。アーセナルが試合数が多く、ケガ人ののべ欠場試合数が尋常じゃなかったのは事実ですが、こと今季に関しては「スタリッジ、スアレス、アッガー、ジェラードなど、主力の不在に唯一崩れなかったロジャース監督とリヴァプール」をリスペクトしたい気分ではあります。アグエロ、ナスタシッチ、ヤヤ・トゥレ、アザール、ラムジー、エジル、ファン・ペルシ…。プレミアリーグ上位は、結局どこかで主力不在に泣きましたから。

  9. リバサポ より:

    とりあえず、clストレートイン勝ち取りました。本当にここまで、来るのに長く感じました。
    以前のコラムでサーアレックスファーガソンの後継者は、ロジャースなのではという記事がありましたが。最近、本当にそう感じてきました。アプローチ方法は違うまでも、戦える集団、一つの方向にむくチーム、そして、チームより偉大な選手はいないというところと類似してると感じました。

  10. makoto より:

    リバサポさん>
    チーム戦略の徹底度の高さ、絶対に負けないというマインドの強さは、サー・アレックスを彷彿とさせます。

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