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【MAN.UTD×Norwich】多彩なクロスとつなぐサッカー。ギグス監督のデビュー戦は、想像以上の4発快勝!

サッカーは大きくは変わらずとも、危機感と集中力、積極性は高まっていたのではないでしょうか。 ギグス監督の初陣となったノリッジ戦は、結果的には4-0の圧勝。残留争いの渦中で必死に戦うアウェイチームを枠内シュート2本に抑え、プレミアリーグ6位争いに望みをつなげました。

注目されたスタメンですが、前線はルーニーとウェルベック。両サイドに香川真司とバレンシアが入り、センターMFはクレヴァリーとキャリックという布陣です。驚きは、マタが外れたことと、クレヴァリーの起用。サイドには違うタイプを置きたかった、中盤でしっかりパスをつなぐサッカーをしたかった、という狙いなのでしょう。

ところが前半は、モイーズ監督時代の最終盤によく見られた、中央が渋滞してしまい、効果的な崩しができない状態。監督交代初戦ですので、大きな変化は望むべくもありませんが、相手はプレミアリーグ降格候補筆頭。リヴァプールに善戦しているとはいえ、このチーム相手に勝ち点を落としている場合ではありません。終始、ボールは支配しているものの、ウェルベックとバレンシアは持ちすぎが目立ち、香川真司もボールを受けてから出す相手を探しています。最初の45分では、21分に左サイドを突破しにいったシーンと、23分の左足シュート以外に、香川真司に特筆すべきプレイはありませんでした。

このまま両者スコアレスで後半突入かと思われた40分、マンチェスター・ユナイテッドにラッキーな先制点が転がり込みます。右からのフィル・ジョーンズのクロスが競り合った両チームの選手の間を抜け、逆サイドに届くと、ウィテカーともつれたウェルベックが転倒し、ジャッジはPK。右隅に決めたのは、もちろんルーニーです。イギリスメディアの試合後のアナライズで、何度もVTRが繰り返された微妙なシーンでしたが、今季のプレミアリーグでホームでの敗戦を繰り返してきていたマンチェスター・ユナイテッドにとっては、最高の時間帯でのリードでした。前半はこのまま1-0。ボール支配は、7割方マンチェスター・ユナイテッド。先に点を獲れてしまえば、攻撃の糸口がつかめていないこの日のノリッジにひっくり返される恐れはないでしょう。

心理的に楽になったホームチームは、後半に入ってたった3分でゲームを決めます。左に流れて香川真司のパスを受けたのは、ウエイン・ルーニー。中に切り込んだルーニーは、左45度からカーブをかけて右隅を狙う、デル・ピエロのような美しい弾道のシュートを右ポストの内側にぶつけます。2-0は、間違いなくセーフティリード。ここから先のマンチェスター・ユナイテッドはよかったのではないでしょうか。ルーニーやウェルベックが左サイドをうまく使うことで中盤の混雑が解消され、余裕を持ったビルドアップから中央に入った香川真司やクレヴァリーが前を向いてパスを出せるシーンが増えました。相変わらず、香川真司が裏に入ったときにウェルベックがこれを使わず、強引なドリブルでチャンスを逸していたのは気になりましたが…。

このゲームを快勝から圧勝に変えたのは、60分に投入されたファン・マタでした。入って3分後の63分、エヴラの折り返しからルーニーがシュートを放ち、こぼれ球を逆サイドのバレンシア、フィル・ジョーンズとつないだところを、最後に決めたのが背番号8のスペイン代表MFです。3-0となった後も、マンチェスター・ユナイテッドは攻撃の手を緩めません。69分にもルーニー、マタとつなげてチャンスを創ると、73分の4点めはエヴラのクロスから。ファーサイドにいたバレンシアが、角度のないところからフリーでボレーを放つと、中にいたマタがヘディングでコースを変えてゴールイン。カーブをかけたプラスのアーリークロス、ゴールライン際からの折り返しと、外からのボールが多様で質が高いマンチェスター・ユナイテッドを久しぶりに見たような気がします。

ノリッジの反撃は、あまりに遅すぎました。リヴァプール戦で活躍したスノッドグラスは、この日は完全に沈黙。代わって奮闘したブラッドリー・ジョンソンが、きわどいミドルを2発打ち込みますが、1本はGKデ・ヘアのビッグセーブ、もう1本は動けなかったデ・ヘアの脇を抜けて、左ゴールポストのすぐ外。追加タイムには、マタの見事なスルーパスからチチャリートがGKと1対1になりますが、クロスのシュートは左に外れ、5点めはなりません。結局、4-0。点差や内容よりも、とにかく勝ちきることが重要だったギグス監督にとっては、想像以上の成果でしょう。

ここまできたら、あと3つ全部勝って、来季ヨーロッパにいってください、というよりほかはありません。もし、それが実現したら、「来季もこのままギグス監督で…」なんていう話になったりするのでしょうか。ギルCEOがいなくなってから、その場しのぎの舵取りが増えている今のフロントならやりかねませんね。お願いですから、まずまずいい采配をとってくれた扱いやすそうな青年監督で・・・という決め方ではなく、先を見据えた監督選びをしてくださいね。今季になってから、余計な心配をするクセがついてしまいました。ふう。

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“【MAN.UTD×Norwich】多彩なクロスとつなぐサッカー。ギグス監督のデビュー戦は、想像以上の4発快勝!” への2件のフィードバック

  1. リバサポ より:

    ギグス監督かっこよかったですね。
    自分は、前半しか見ていませんが、後半の修正はどうでした?
    前半からは、ボールが周りはするものの、スペースを作るランやスペースへのスプリントが少ないかなぁとおもっていました。ノーリッチもカウンターが上手くいっておらず、試合そのものがグダグダ感が否めませんでした。
    しかし、守備の集中力は最初の15分で激しさを見せつけ、往年のユナイテッドのようでした。

  2. makoto より:

    圧勝でしたね~。夜中なのにゴール挙げる度に雄叫びあげちゃいました。
    攻撃面はルーニー、マタ、香川以外での連携も見られて、改善の兆しも感じられました。
    守備も一所懸命にやっているのが後半30分までは伝わってきました。選手間の距離もコンパクトでノリッジじゃゴールは無理だなと思いましたね。後半30分を越えた辺りから気が緩んだような感じもありましたが、とりあえず残り3連勝を期待したいところです。

    —–
    リバサポさん Uボマーさん>
    後半は、前半の交通渋滞は一定、クリアできていたと思います。ラスト3試合、全勝できれば何とかELまではいけるかもしれませんね。

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