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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【New Castle×MAN.CITY】最後の一線は譲らなかったマンチェスター・シティは開幕戦唯一の2点差勝利!

ここ3年のプレミアリーグで、ニューカッスルはマンチェスター・シティにすべて2点以上差をつけられて負けています。ただでさえホームチームにとって相性が悪い対戦なのに、リヴィエール、カベラなど前線の顔ぶれが変わり、サッカーを変えようとしているニューカッスルと、昨季からの積み上げで戦えるマンチェスター・シティでは、プレミアリーグ王者の優位は動かないのではないでしょうか。試合が始まると、3分にヨヴェティッチの浮き球パスからジェコがGKと1対1となり、フリーのボレーはGKクルルが何とかブロック。私の予感は、大量得点差という形で現実のものとなるのではないかと思われました。

10分のヨヴェティッチの突破は、クルルが間一髪で先にキャッチ。11分、中央でフリーになったナスリの強烈なミドルも、オランダ人GKが横っ飛びでクリアします。GKの忙しさばかりが目立つニューカッスルでしたが、しかしここから20分以上の間は、昨季王者を苦しめることとなります。

コラロフの左からの突破でチャンスを創ろうとするマンチェスター・シティは、ジェコに入るボールを狙われ、ニューカッスルの新しい顔であるリヴィエールとカベラのカウンターをたびたび喰らいます。15分、カベラが左から斬り込んで放ったループ気味のシュートはわずかにジョー・ハートの頭上を越え、22分にはリヴィエールが単独突破からロングシュート。30分にも、最終ラインの裏を突いたリヴィエールが、マークを引きずりながらも左足シュート。他の選手のフォローがなく、攻撃に厚みがないニューカッスルですが、マンチェスター・シティのボールのいい位置で奪えば、一気にゴール前に運べるスピードがあります。ジェコが消えがちで、ヨヴェティッチがひとり気を吐いていたプレミアリーグ王者は、それでも38分、ワンチャンスを活かして先制します。

ヤヤ・トゥレの長いパスに、左に流れたジェコがDF2人を引きつけ、絶妙なヒールパス。走り込んだダヴィド・シルヴァは完全にフリーで、至近距離からのクロスのシュートは、GKクルルが左に飛んだときには既にその指先を越え、ゴール右に向かっていました。この後は両者ともシュートに持ち込むシーンはなく、マンチェスター・シティのリードのまま前半は終了。残り45分、プレミアリーグ王者はカウンターをケアしてくるでしょう。ニューカッスルに、ロングパスやドリブル突破以外の攻略のアイデアがなければ、同点に追いつくことさえ難しそうです。

ところが、後半が始まってすぐの49分、ニューカッスルが大チャンスを迎えます。右CKがファーサイドに流れ、マークを外したMFグフランが2度に渡るシュート。いずれもマンチェスター・シティ守備陣が体を張ってブロックし、同点ゴールにはならなかったものの、ペジェグリーニ監督はヒヤリとさせられたでしょう。直後にも、中央のシソコから左に走り込んだカベラにラストパスが通り、カベラが左足シュート。対応が遅れたマンチェスター・シティはコースを切るのがせいいっぱいで、こちらもゴールを割られてもおかしくないシーンでした。57分のFKは、GKハートの飛び出しが遅れてデュメが先に頭でヒット。無人のゴールに飛んだボールはわずかに上に外れ、ハートは翌日のタブロイド紙の非難を逃れました。

ペジェグリーニ監督は、チームのコンディションが上がっていないのを織り込み済みだったのでしょう。58分に素晴らしいトラップから縦に抜け出し、GKクルルを慌てさせるシュートを放っていたヨヴェティッチを73分に下げ、フェルナンジーニョを投入。スタメンだったヤヤ・トゥレ、フェルナンドと合わせて中盤に3枚、守備力のあるMFを揃え、1点のリードを守り抜く構えです。78分には運動量が落ちたナスリをミルナー。83分、ジェコに代わって入ったのは、まだ90分をまかせられる状態にないアグエロ。ニューカッスルの攻撃をしっかり抑えきり、あわよくばカウンターから追加点を奪おうという布陣です。

80分を過ぎてからは、一方的なホームチームのペース。82分には中央からのFKがゴール左に出たところに3人が飛び込むものの、あと一歩で誰も触れず。83分、ニューカッスル最大のチャンスは、交代出場のアジョゼ。左サイドからDFを切り返しでかわし、コントロールショットを放つもボールはわずかにそれ、サイドネット脇を抜けていきます。90分にカベラが左サイドを完全に切り裂き、グラウンダーの優しいパスが中央でマークを外したシソコに通ったとき、セント・ジェームズ・パークの熱いサポーターは、今度こそゴール!と思ったでしょう。しかし、力んだシソコのシュートはゴールの上。そしてその1分後、待望のゴールを決めたのは、マンチェスター・シティのほうでした。

カウンターから左サイドを抜けたのはアグエロ。アルゼンチン代表の抜け目ないアタッカーは、左足シュートをクルルにぶつけた後、素早くこぼれ球をフォローして、2発めは文句なしの右足!ニューカッスル、またもや2点差、万事休す。リヴァプール、アーセナル、マンチェスター・ユナイテッド同様、プレミアリーグ開幕戦の独特の緊張感に支配されたマンチェスター・シティでしたが、ペジェグリーニ監督の明快な采配とコンパニ、デミチェリスを中心とした落ち着いた守備で、接戦が多かった第1節唯一の2点差で幸先のいいスタートを切りました。

次週、リヴァプールと戦うプレミアリーグ王者には、サバレタ、ヘスス・ナバスらが戻ってくるでしょう。隣町のライバルの独走を黙って見ているわけにもいかず、心情的にはリヴァプールにがんばってほしいところですが、エティハドでマンチェスター・シティがあっさり負けるシーンはどうしても想像できません。

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“【New Castle×MAN.CITY】最後の一線は譲らなかったマンチェスター・シティは開幕戦唯一の2点差勝利!” への1件のコメント

  1. makoto より:

    シティもまだまだコンディションが低いですね
    決定機はニューキャッスルにも多くありました
    最期は決定力が違いました
    アグエロは83分から出てきて1ゴール
    次の試合はリバプール戦
    この2チームの試合はいつも好ゲームで期待してます

    —–
    ぷれみあふぁんさん>
    ニューカッスルは、昨季のレミーのような純粋な点取り屋タイプがいれば、また違ったでしょうね。リヴィエールやカベラは、スピードは魅力でしたが、フィニッシュの精度が今ひとつという印象を受けました。マン・シティVSリヴァプール、楽しみです。

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