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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Leicester×Arsenal】打ち手が遅かったアーセナル。プレミアリーグ昇格組相手に、必然のドロー!

プレミアリーグ開幕戦では、エヴァートンに追いついて幸先いい勝ち点1をゲット。2戦めのチェルシー戦では、クルトワとシュマイケルのビッグゼーブ合戦のなか、後半に先制ゴールを奪うかという健闘をみせたレスター・シティ。コンディションが上がり切っていないアーセナルにとって、かなり手強い相手だと思っておりましたが、予想通りの大苦戦。1-1から勝ち越しゴールを決められないまま、ドロー決着となりました。

開始直後から、アーセナルがボールを持つとセントラルMFまでゴール前に下がり、中央に網を張るレスター。ラムジーやアレクシス・サンチェスがミドルシュートで打開を図るものの、強固な守備をなかなか崩せません。最初の決定機はレスター。17分、右からのパスを中に持ち込み、切り返しから放ったMFマレズのシュートがGKシュチェスニーの指先を越え、ポスト左を抜けていきます。19分、アーセナルの先制点は、プレミアリーグ初ゴールとなったアレクシス・サンチェス。カソルラの浮き球ラストパスにワントップのヤヤ・サノゴが抜け出し、シュートをGKにぶつけたところをアレクシス・サンチェスが抜け目なくフォローしてダイレクトで蹴り込みます。チャンピオンズリーグの決勝点に続く先制ゴールで、このときはアーセナルが順当に勝つと思ったのですが…。

このまましばらく、リードを保てればよかったのですが、ガナーズのリードはわずか3分でした。
22分、中盤から飛び出してきたMFシュルップに左サイドを突破され、フラミニはクロスをブロックできません。アーセナルの誤算は、相手とぶつかって頭を強打したコシールニーが、負傷の影響を引きずっていたこと。普段なら、最短距離でボールの落下点に入るヨミのいいCBがかぶってしまい、後ろにいたFWウジョアにヘッドを叩き込まれます。コシールニーは27分にリタイア。代わってチャンバースが入りますが、前半にカードを1枚失ったのは痛かったですね。ここから、グーナーのみなさんが大いにストレスを溜めこむ時間が始まります。

苦戦の原因は、「レスターにベタ引きされたこと」「ヤヤ・サノゴの度重なるミス」「とにかくスローでペースが変わらない攻撃」でしょうか。フリーのシュートをことごとく外し、オフサイドをとられてはいけないシーンで相手のラインを見極めずに飛び出すヤヤ・サノゴは、後半途中までで何回チャンスをつぶしたでしょうか。前半を1-1で終え、後半に入ると攻勢のアーセナル。50分にはカソルラとアレクシスのコンビから、最後はカソルラがシュート。55分のカソルラの浮き球パスは、ラムジーが完全にフリーで抜け出すものの、逆サイドでマークを外していたサノゴに気づかずシュートを打ってしまい、GKシュマイケルがキャッチ。最大のチャンスだった、56分のモンレアルのドリブルからの縦パスは、左から抜けたヤヤ・サノゴがGKと1対1になったシュートをシュマイケルにぶつけます。

レスターは、52分のカウンターをモノにしていれば、勝ち点3を奪えていたでしょう。自陣からの縦パス1本で3対3となり、チャンバースの裏を取った右からのパスに抜けたのは、同点ゴールのウジョア。追いついたチャンバースを切り返しでかわした背番号23は、目の前にいたGKシュチェスニーの脇を抜けばよかったシュートを、ゴール左に強く打って外してしまいます。

それにしても、遅かったですね、ヴェンゲル監督の打開策。サノゴの限界と、前への意識がいちばん高かったカソルラの疲労をみて、ポドルスキとチェンバレンを入れたのは、残り15分となってからでした。シュート力があるポドルスキが、まともにシュートを打てずに終わったのは、チーム全体がスピードを上げられなくなってしまった後の登場だったからではないでしょうか。

決して結果論ではなく、私は、後半頭からポドルスキを据えてもいいのではないかと思っていました。ラムジーにいつもの攻め上がりとパスの正確さがなく、エジルが消極的なプレイに終始するなか、アーセナルがゴールを奪えるとすれば、裏へのパスを再三成功させていたカソルラと、裏に入るのがサノゴより圧倒的にうまいアレクシスのコンビネーション。そして今ひとつは、ポドルスキのミドル一発でしょう。早い時間にアレクシス・サンチェスをトップに上げて、いいオーバーラップを見せていたモンレアルとポドルスキを組ませれば、アーセナルは勝ち点3をつかんでいたかもしれません。

かくして、最後の15分を、ニュージェントやバーディーにカウンターでいじめられながら、無為に過ごしたガナーズ。ヴェンゲル監督は、長いプレミアリーグの終盤戦まで見越してヤヤ・サノゴに我慢しているのだと思われますが、プレミアリーグ昇格組との勝ち点1はやはり激痛です。このうえは、ヴェンゲル監督の忍耐と長丁場を見越したチームづくりが、プレミアリーグ終盤戦のヤヤ・サノゴのブレイクという結果として返ってくることを願うほかはありません。ところで、ロシツキはなぜ、使われないのでしょうね。これもまた、指揮官のみぞ知る…。

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“【Leicester×Arsenal】打ち手が遅かったアーセナル。プレミアリーグ昇格組相手に、必然のドロー!” への4件のフィードバック

  1. ASAP より:

    サノゴはまだまだ成長に時間がかかりそうですね… 彼よりもキャンベルにもっとチャンスを与えた方が面白そうですね

    —–
    実際のシュート難度はケース・バイ・ケースですが、アシストに対するライトポジションに入っているだけに、Sanogoのプレーは歯がゆいですね。一皮むければ、かつてのKanuのようなプレイヤーに化けそうな、大器の片鱗を感じさせるものの、今はまだ文字通り「片鱗」にとどまっています。

    現実路線として、Podolskiをもう少し積極的に起用してもいいのではないかと個人的には思っています。昨年もCLでの負傷までは存在感を放っていましたし、チームのFW陣のなかでも、毛色の違う彼のプレーは良いアクセントになると思うのですが。コンディションがイマイチなのでしょうか?

  2. ガナ より:

    今季序盤はこういう苦しい試合が続くんでしょうね。
    このフォメになれるまでなんとか勝ち点拾って行って欲しいです。
    あとキャンベルとロシはもうちょっと使ってあげてほしい。

  3. londres nord より:

    サノゴはベンゲルにとってカヌー~アデバヨールの系譜かもしれませんが、全くその域に達していないです。ローンで出したがいいでしょう。
    ベンゲルさんは選手の序列をつける傾向がありますが、コンデションの悪いエジルよりパスを引き出す動きが出来、カソルラと相性がいいロシツキを、ミス連発のチャンバースよりイグナシ・ミケルを使ってもいいんじゃないかと思いました。
    全くもってイライラの募る試合でした。こんなんじゃPL優勝は夢のまた夢でしょう。

  4. makoto より:

    更新ご苦労様です。
    私にとっては怒りやイライラよりも不安が募る試合でした。大丈夫なのか?と・・・

    サノゴにはきっと素晴らしい未来が待っているのでしょう。しかしながら現時点での彼には
    ジルーの代役は無理でしょう。それどころかプレミアの頂点を目指すクラブでピッチに立つ
    レベルですらないのではないでしょうか?繰り返しますがあくまでも現時点の話です。
    いつか彼が大輪の花を咲かせる可能性はあります・・・それでも今はまずアーセナルよりも
    レベルの落ちるクラブで自らの『力』を証明すべきだと思います。

    さあ!デッドライン・デーです!!昨夏のエジルを超える驚きを期待しています。

    —–
    みなさん>
    みなさんがおっしゃるとおり、サノゴは昨日の相手チームのFWレベルで、アーセナルでトップを張るレベルではないですね。レンタルに出すか、リーグカップのみ出場とするかでいいと思います。私は、FWはアレクシス、ポドルスキ、キャンベルでもいいのではないかと思っておりました。新戦力を獲るなら後ろ優先か、と。

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