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【Arsenal×MAN.CITY】執念のアーセナルと抜け目ないマン・シティは、両者とも痛いドロー決着!

ジルーが負傷リタイア、ヤヤ・トゥレも不在と舞台が整い、いよいよウェルベックとランパードの登場です。コンディションが上がりきっていないプレミアリーグ4節で当たるのはもったいないカード。アーセナルVSマンチェスター・シティの一戦は、キックオフ直後からホームのアーセナルペースでゲームが進みます。

6分にアレクシス・サンチェスが右からシュートを放ったのを合図に、ガナーズが中盤を支配。9分、アグエロが左から突破を図るも、中のダヴィド・シルヴァにラストパスが合いません。10分には再度、アーセナルのチャンス。左サイドからエジルがきれいなクロスをニアのウェルベックに通すも、ダイレクトのシュートは左に外れます。14分、アーセナルに絶好の先制機。ダヴィド・シルヴァのミスを敵陣でインターセプトし、右から抜けたウェルベックがGKジョー・ハートと1対1。完璧だと思われたループシュートは右のポストに弾かれ、先制はなりません。ここまではアーセナルの出足がよく、マンチェスター・シティは前線への楔のパスをことごとくさらわれ、先にゴールを奪う予感が漂うのはヴェンゲル監督のチームでした。

しかし、20分を過ぎると、マンチェスター・シティがウェルベックとアレクシス・サンチェスへのチェックを強め、形勢は逆転し始めます。25分にミルナーとダヴィド・シルヴァのワンツーでミルナーに惜しいシュートを打たれると、直後の27分、アーセナルはついにゴールを許してしまいます。中盤で、フラミニのスライディングのこぼれ球をヘスス・ナバスが拾うと、彼はそのまま右サイドでドリブルを開始。このとき、フラミニから10メートル以上後方にいたアグエロは、3秒後にヘスス・ナバスがラストパスを入れたときには、敵の動きをまったく見ていなかったフラミニの裏をとり、完全にフリーになっていました。グラウンダーのクロスは、アグエロの足元へぴったり。今季もプレミアリーグ得点王候補のアグエロがこれを外すわけがありません。

マンチェスター・シティがリードすると、アーセナルは完全に攻め手を失います。ゴールの後は、両者ともこれといったチャンスはなく、0-1のまま前半を終了。こんなにチームにフィットしていないランパードを観るのは初めて。ウェルベックも、マークが厳しくなるとボールをもらえなくなり、シュートを打てる場面はありません。ハーフタイムにランパードはピッチを去り、代わって入ったのはウォームアップをするだけでブーイングの嵐に包まれるサミル・ナスリ。後半が始まってすぐの47分、さっそくエジルとのコンビからアレクシス・サンチェスが右サイドを抜け、走り込んだウェルベックに合わせるもシュートは打てず。ゲームのペースを握るのはアーセナルですが、エジルもラムジーも手数が多く、シンプルにゴール前にボールを送るマンチェスター・シティとチャンスの数は変わりません。

いかにも苦しかったガナーズでしたが、63分、前線の執拗なプレスから同点に追いつきます。敵陣でボールを奪うと、アレクシス・サンチェスがラムジーへつなぎ、最後は右から裏に走ったウィルシャーへ。背番号10は、マーカーのクリシーを軽くかわして右足で浮かしたシュートでGKジョー・ハートの左を破ります。1-1となって勢いがついたアーセナルは、66分にウェルベックのダイレクトパスからエジルが中央でコンパニと1対1になりますが、コンディションが上がらないドイツのゲームメーカーは勝負を避け、右のドビュッシーへパス。このシュートがゴール右に大きく外れると、グーナーのため息がエミレーツに響きわたります。69分には、マン・シティにミス。最終ラインの気の緩みをついて、ウェルベックがジョー・ハートより先にボールにさわりますが、イングランド代表GKは体を張ってこれをブロック。ホームチームに勝ち越しの期待が高まるなか、勝ち越しゴールを決めたのは、アレクシス・サンチェスでした。

73分、ラムジーの右からの突破はDFにクリアされるものの、浮いたボールの落下点にいたウィルシャーが、左のアレクシスにラストパス。チリ代表のエースは、後ろからのボールを見事なボレーでゴール中央に突き刺し、いよいよアーセナルが勝ち越しです。残り15分、このまま攻勢をキープできればプレミアリーグ王者を沈められるでしょう。しかし、敵もさる者でした。リードされるとギアを攻撃モードにきっちり切り替え、83分のCKをヘッドで合わせたのはデミチェリス!2-2となった後は、ジェコとコラロフがフィニッシャーとなったマンチェスター・シティの逆転のチャンスを、2度にわたってゴールポストに助けてもらう綱渡り。アーセナルは、かろうじて勝ち点1を分け合うにとどまりました。

ホームのアーセナルが押しているようにみえて、実際に決定機が多かったのはプレミアリーグ王者のほうでした。ガナーズが苦戦した要因は、左のモンレアルがマッチアップするヘスス・ナバスに完璧にやられたことと、マークが甘くてパスの出しどころもシュートレンジも抑えきれず、最終ラインを危険にさらしたフラミニの対応のまずさでしょう。攻撃陣は、過去3戦と比べて改善していただけに、守備の綻びが余計に気になるゲームでした。それにしても、ドビュッシーのリタイアは激痛ですね。チャンバースを右で使うとなると、センターの2人は負傷も退場も、ちょっとした不調でさえも許されません。

ヤヤ・トゥレの留守を預かりきれなかったランパードは、フィットするまでに時間がかかりそう。運動量と粘り強さで奮闘したウェルベックは、近いうちに移籍後初ゴールを奪えるはずです。おもしろいゲームでしたが、まさに両者痛み分け。この結果をいちばん喜んでいるのは、この後のゲームでスウォンジーをボコボコにしてプレミアリーグ4連勝を飾ったモウリーニョ監督でしょう。ガナーズとチェルシーの勝ち点差は、たった4試合で6に広がりました。(ジャック・ウィルシャー 写真著作者/Kieran Clarke)

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“【Arsenal×MAN.CITY】執念のアーセナルと抜け目ないマン・シティは、両者とも痛いドロー決着!” への5件のフィードバック

  1. せお より:

    更新お疲れ様です。

    シティ戦はここ数試合と比べるとポジティブな要素が多かったと思います。ウェルベックのポストとセットプレーでの失点ら残念でしたが久々に面白い試合でした。
    ドュビシーは多分かなり離脱するでしょうからもしかしたらベジェリンが観れるかも!?

    チェルシーは強いですね。すでに今季は独走する気配が…他の上位チームで2.3.4位争いになるかもしれませんね(ー ー;)

  2. makoto より:

    更新お疲れ様です。

    サンチェスは化け物レベルですね。超献身的で、点までとって泣けてきます。喋れなくてチームにまだ馴染めてないのか写真で隅っこにいるのを見てたから尚更かっこよかった…

    ウィルしゃーは何でゴール前であんなに上手いんでしょう!マルセイユ戦のゴールを思い出しました。

    ドゥビシーのけが、ラムジーの調子の悪さ、メルテのやる気のなさ、エジルは不満無いのか、等々悪いことは一杯あるけど辞めときます( ̄ー ̄)

    —–
    せおさん グナさん>
    ケガがあったラムジーとエジルは、コンディションがよくなかったようにみえました。2-1としたときに、エジルに代えてカソルラでもう1点、という勝負の仕方もあったかと思いますが、ヴェンゲル監督はチャンピオンズリーグとの兼ね合いを気にしたのでしょうか。

    ドビュッシー、痛いですね!とはいえ、実は私も、ベジェリン登場を期待しています。

  3. londres nord より:

    この試合を勝ちの持っていけたら、ラッキーだと思ったのですが、やはりダメでした。冬の移籍シーズンまで我慢の日々だと思います。
    ベンゲルさんは頑固爺です。コンデションの上がらないエジルよりカソルラやロシツキだと思いますが、昨季同様頑なに使いますね。

  4. tomo より:

    更新ご苦労様です。

    う~ん・・・何だか微妙な試合でした。良い面とそうでもない面が両方とも見えましたね。
    まだまだ時間が必要でしょう。

    それよりも何よりもドビュッシーの故障離脱がもう・・激痛どころの騒ぎではなく致命傷に
    なるだろうと私は思います。チェンバースが大覚醒してその穴を埋めたとしてもCBを含めて
    余りにも守備陣は層の部分に不安がありますよ。ベジェリンがいる?もし本当にそうならば
    同時にアーセナルはタイトルを諦めるべきでしょう。プレミアどころかプロとしての実績が
    皆無な若手に頼らなければいけない選手層では・・・それが現実ではないでしょうか?

    ただし・・・私にとってアーセナルのタイトル奪取は応援する上で最大の要素ではないので
    無冠でも当然の様に応援しますけどね。クラブの魅力とは必ずしも獲得したタイトルの数と
    イコールではないと私は思うんですけどね~

  5. makoto より:

    tomoさん>
    ベジェリンとヘイデンを計算に入れないとすると、プレシーズンでやっていたようにモンレアルを中のバックアッパーとするか、フリーの選手を獲得するかですね。いずれにしても、補強がうまくいかなかったということになりますが…。

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