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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Chelsea×Arsenal】チャンスは2回、ゴールは2発。退屈な試合に持ち込んだチェルシー完勝!

 2分にさっそく、アレクシス・サンチェスが挨拶代わりのミドルシュート。いつものプレミアリーグ上位対決に比べて、アーセナルの試合の入りは上々です。ウェルベック、エジル、アレクシス・サンチェス、カソルラ、ウィルシャーが並ぶ最前線と2列めは現状のベストメンバー。対するチェルシーもジエゴ・コスタにアザール、オスカル、マティッチ、セスクと、いつもの顔ぶれが揃っています。20分過ぎまでは、両者ともシュートを打てず、中盤のせめぎ合いが続きます。イヴァノヴィッチのサイドはアレクシス・サンチェスが押し、チャンバースのサイドをアザールやアスピリクエタが制圧。最初の事件は24分に起こります。アレクシス・サンチェスがGKクルトワと交錯すると、頭部にダメージを負ったベルギー代表GKはリタイア。交代で入ったのはチェフで、チェルシーに大きな戦力ダウンはありませんが、モウリーニョ監督は前半でカードを使いたくなかったでしょう。

両者、簡単にゴールが決まるとは思えない試合展開でしたが、27分、アザールの素晴らしい突破がスコアを動かします。中央でボールを受けた10番は、一瞬のうちにカソルラ、チャンバースを振り切り、ペナルティエリアの中で対応したコシールニーはたまらずファール!アザールのPKは、先に動いたシュチェスニーをあざ笑うようにゴール右隅に転がり、ホームのチェルシーが先制です。

反撃に出たいアーセナルでしたが、エジルとウェルベックへのチェックが厳しく、アレクシス・サンチェスやカソルラからのボールがなかなか前線につながりません。カウンターで追加点を奪いたいチェルシーのほうも、コシールニーにジエゴ・コスタが完封され、シュートレンジにいいパスが通りません。アーセナルは、前半終了間際に中央突破。エジルにシュートチャンスがありましたが、いい形に持ち直そうとしてボールを奪われ、同点ゴールはなりません。前半は1-0。シュートはチェルシー2本、アーセナル1本の神経戦。両者互角のゲームで、次の1点を奪うのはどちらでしょうか。

後半のアーセナルも、決して悪くはありませんでした。自信なさげなプレイに終始したエジルに代わって中盤を仕切ったのは、ジャック・ウィルシャー。49分、左からのアレクシス・サンチェスのグラウンダーをニアでスルーして、中のカソルラにシュートさせたプレイは見事。これを皮切りに、アーセナルが中盤を制圧し、チェルシーの逆襲はハーフラインを超えないうちに、ことごとくつぶされる時間が続きます。アーセナルは特にサイドでのつぶしが早く、残り15分までのカウンター対策は万全。ウィルシャーのドリブルを効果的に使ったゲームメイクも、ゴールの可能性が感じられるものだったと思います。彼らに足りなかったのは、シンプルさと精度。62分のウィルシャー、72分のチャンバースと、ミドルシュートは枠の上に外れるか、チェルシーDF陣がブロック。最終ライン手前で手数をかけすぎ、フィニッシュの前にチェルシーの守備網にボールを奪われてしまいます。

アーセナルの時間が続いた78分、一発の縦パスでチェルシーが勝利を決定的なものにします。中央で奪ったボールを右で受け、前線のジエゴ・コスタをロングパスで走らせたのは、セスク・ファブレガス。メルテザッカーをスピードで置き去りにしたジエゴ・コスタは一瞬でGKシュチェスニーと1対1になり、軽く浮かせたシュートが無人のゴールを陥れます。エジルを残したヴェンゲル采配はどうだったのでしょうか。交代で入ったチェンバレン、ロシツキ、ポドルスキに打開策はなく、チェルシーが2-0完勝。ホームチームの決定機はたったの2回、アーセナルの枠内シュートはゼロ。よくいえば玄人好み、悪くいえば両者攻めあぐんだゲームは、ヴェンゲル監督のチームに負けたことがないモウリーニョ監督の完勝に終わりました。

テリー、ケーヒル、マティッチにあれだけ引いて守られると、なかなか崩せませんね。ポストプレイでシンプルにさばけて、ヘディングの強さもアテにできるジルーがガナーズにいれば、劣勢になっても打ち手の幅を広げられたでしょう。アレクシス・サンチェス、ウィルシャー、カソルラ、ウェルベックは、いずれもドリブルで持ち込んでショートパスで狭いエリアを崩そうとするので、チェルシーは読みやすかったかもしれません。

2位マンチェスター・シティに勝ち点5差と、いよいよチェルシーが独走気配です。誰かがそろそろ止めないと…ありゃ、10月26日はマンチェスター・ユナイテッドじゃないですか!目立たないように、こっそりプレミアリーグ4位に滑り込んでいたのですが、ここでチェルシーに大負けしようものなら、またまたあれやこれやと突っ込まれそうです。まったく勝てる気はしませんが、ディ・マリア、ファン・ペルシといった大砲がぶっ放すラッキーパンチがうまく入れば、アーセナルやリヴァプールのようなショットガンよりも可能性はあるかもしれません。10月でプレミアリーグの灯を消さないよう、ファン・ハール監督に意地をみせてもらいたいものです。いや、しかし、こんな大事なゲームにルーニーがいないとは…。

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“【Chelsea×Arsenal】チャンスは2回、ゴールは2発。退屈な試合に持ち込んだチェルシー完勝!” への7件のフィードバック

  1. アーセナルファン より:

    フラストレーションのたまる試合でした。モウリーニョの望む試合展開になってしまいました。
    ウェルベックとエジルへのプレッシャーが本当に強く、ファールもとりすぎない方針だったので二人とも存在感を失っていました。その分ほかの選手が空くはずなので、攻略できなかったのは力負けですね。
    ユナイテッドは打ち合いの展開に持っていけると良いですが、モウリーニョはそうしないでしょうね。何かアクシデントでもない限り。

  2. makoto より:

    アーセナルファンさん>
    まさに「チェルシーのゲーム」でしたね。ウィルシャーはよかったのですが、とにかくシュートが枠にいきませんでした。

  3. サッカー小僧! より:

    更新ご苦労様です。

    昨日は、ぶっちゃけ完敗。組織力でも、個の力でもチェルシーの劣った、という感じでした。
    試合の入り方は、むやみやたら攻めに行かず悪くはなかった、と思いますが、ああいう我慢比べに
    なると、チェルシーの方が、1枚も2枚も上手でしたね。

    しかし、アーセナルは、スタメンメンバー、ベンチにいる選手のバランスが悪い・・・。
    既にわかりきったことではありますが、チェルシーのバランスの良さを目の当たりにして、
    今更ながら、昨日の試合で痛感させられました。
    2列目が多過ぎる、それゆえの、4-1-4-1だったんでしょうが、残念ながら今のところ
    機能していませんし、今のメンバーをフルに活かしきるのは難しそうです。
    エジルをどうしても生かしたいのなら、エジル中央で、サイドに突破力のある選手を並べて
    ショートカウンター気味に戦うほうが、能力を十分に生かせるのでは、と思うんですが・・・。
    勝ち点を着々と落とし続けているうちに、順位も下がってきており、もはやシステムを構築している
    場合じゃないので、チームのポテンシャルを一番発揮できる選択を監督にはお願いしたいです。

  4. Joe より:

    退屈? 両チームとも、強い気持ちの入った好ゲームでしたよ。

  5. londres nord より:

    2-0でも6-0以上の完敗です。
    ベンゲルさんは頑固ですね~。あの状況なら、後半開始から気の利いた守備でカウンターを潰せるロシツキでしょう。きっとエジルが怪我をしないは限り使い続けるのでしょう。

  6. makoto より:

    サッカー小僧!さん>
    そうですね。自陣に網を張って一気に攻めるドルトムントのような戦い方のほうが、エジルは活きるでしょうね。

    Joeさん>
    「両者、力の入ったゲーム」というのはそうだと思います。退屈と表現したのは、チェルシーが、攻め合うよりもアーセナルのよさつぶしに徹したこと、入るかどうかのシュートシーンが少なかったことを、こう表現しています。アーセナルが先制していれば、もっと好ゲームになったかもしれない、と思いました。

    londres nordさん>
    ロシツキを長い時間使えば、また違った展開にできたかもしれません。私も、完全に封じられているエジルにこだわりすぎたのではないか、と思いました。

  7. ムック より:

    はじめまして。いつも読ませていただいてます。
    中盤の攻防からアザールの個人技で先制。その後ラインを低くしてアーセナルの攻撃をいなしつつカウンターでの追加点をうかがう。正直、アーセナルには勝機が見えないチェルシーらしい試合でしたね。
    個人的には退屈ではなかったです!

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