イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Arsenal×Hull City】コシールニーなら諦めなかった…急造DF陣で2失点ガナーズ、痛恨のドロー!

試合開始から一方的に攻め続けたアーセナル。7分、ウェルベックの強烈なシュートをGKが弾くと、アレクシス・サンチェスがすかさずフォローするも、GKハーパーがここはブロック。9分にカソルラがきわどいミドルをゴール右隅へ。13分にはメルテザッカーのパスを右サイドで受けたアレクシス・サンチェスが、CBカーティス・デイヴィーズを簡単にかわしてクロスのシュートを左サイドネットに叩き込み、あっさり1-0。このサッカーが続けられれば、プレミアリーグ3勝めは間違いなし。快調だったガナーズが、昨季のFAカップ決勝で下したハル・シティ相手に勝ち点を落とす結末など、ここではまったく想像できませんでした。

しかし17分、アーセナルは手痛いミスからハル・シティに同点を許します。中盤でディアメがドリブルを始めたとき、彼の周囲にはアーセナルの選手が3人おり、シュートを打たれるとも思えませんでした。しかし、ディアメがするすると前に上がると、マークについたフラミニはペナルティエリア手前までカットできず。このときディアメがファール気味にフラミニの体を引っ張ったのは確かですが、問題はその後。体を入れてマイボールにしたフラミニが、中にいたメルテザッカーに無理にパスを出そうとして、再度ディアメにボールをプレゼントしてしまったのが致命的でした。

フラミニはファールを主張しますが、この期に及んで「さっき引っ張られた」といっても、笛が鳴るわけがありません。同時にレフェリーにアピールしたメルテザッカーもカバーに入らず、ディアメは足元に飛び込んだシュチェスニーの体を軽く超えるチップキックを、ふわっとゴールに落とします。もし、コシールニーがいれば、フラミニがかわされてもあきらめずにカバーに入り、シュートをブロックしてくれていたでしょう。

後半立ち上がり早々のハル・シティの逆転ゴールは、右サイドを抜けたハドルストーンをウィルシャーがチェックせず、楽な体勢でクロスを許したことと、アベル・エルナンデスのヘディングにメルテザッカーが後手を踏んだことが失点につながってしまいました。ここから反撃に出たアーセナルですが、中盤での連携ミスが多く、なかなかいい形に持ち込めません。

ヴェンゲル監督は、63分にフラミニをラムジー、69分にはウィルシャーをジョエル・キャンベルにスイッチ。同点に追いつくべく、ハル・シティの中盤に圧力をかけるものの、アレクシス・サンチェス、チェンバレン、ジョエル・キャンベル、カソルラと、ボールを持つ時間が長いプレイヤーが揃ったことでリズムを変えられず、フィニッシュ手前のパスをハル・シティのDFラインに簡単に弾かれてしまいます。もう1枚のカードでシンプルにさばけるロシツキを使えればよかったのですが、ヴェンゲル監督は、おそらくチェコ代表で痛めた筋肉の状態を懸念したのでしょう。彼が出せなければ、アーセナルには攻撃のためのカードは残っておりません。

それでも、追加タイムを入れたラスト10分の猛攻は惜しかった!結局、今のアーセナルは「アレクシス・サンチェスのチーム」です。86分、相手のパスをインターセプトしたモンレアルが上げたクロスにアレクシスがヘッドで飛び込んだのが、怒涛の攻撃開始の合図。このシュートをかろうじて上にクリアした途中出場GKヤクポヴィッチも、91分についにゴールを割られます。チェスターとハドルストーンを抜き去り、左から中央へ侵入したアレクシスは、左のウェルベックに最高のタイミングでラストパス。DFのタックルより一瞬早く、左足で丁寧に逆サイドを狙ったウェルベックのシュートは、GKを超えてサイドネットに届きます。

2-2となり、残り5分、アーセナルのチャンスが3発。カソルラのシュートをGKが弾いた後、こぼれ球を右サイドで受けたジョエル・キャンベルには、ニアでフリーになって出せと叫んでいたウェルベックは視界に入っていなかったのでしょう。わずかにゴール側にそれた高速グラウンダーは、必死に戻ったハル・シティDFにクリアされます。その2分後、またも中盤をかきまわしたアレクシスが左足でDFラインの裏に通したクロスは、ギブスが足を伸ばして当てるもGKがセーブ。最後のFKが右サイドに流れ、折り返しのクロスの落下点にフリーで立っていたモンレアルの左足ボレーが空を切ると、エミレーツにタイムアップの笛がこだまします。

遅すぎた反撃、痛恨のドロー。ホームで、プレミアリーグ中位のクラブ相手に2点も獲られてはいけません。コシールニー不在の代償を、勝ち点2のロストという形できっちり払わされたアーセナル。この日アウェイで勝ったチェルシーは、11勝ち点差とはるか遠く。エジルやジルー、ドビュッシーが復帰し、DFを補強できる1月まで、今のギャップを広げられずに踏ん張れるのでしょうか。守備に安定が戻らなければ、来週のプレミアリーグ、セインツに0-8で惨敗したサンダーランド戦にも、楽勝確実のハンコは捺せません。

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“【Arsenal×Hull City】コシールニーなら諦めなかった…急造DF陣で2失点ガナーズ、痛恨のドロー!” への7件のフィードバック

  1. サッカー小僧! より:

    更新ご苦労様です。

    昨日は、醜い試合を見せつけられました。
    自分は、負けたら、監督やめろ、とかいうのは思わないサポーターのつもりなんですが、
    流石に、昨日の試合は、もうちょっとどうにかなるだろ、と思わずにはいられませんでしたね。

    守備陣は人がいないので、あんなもんかも、って感じなんですが、攻撃陣のかみ合わなさが
    むしろ気になりましたね。
    昨日は、ダメな日のウィルシャーでしたし、チェンバレンもシュートミスが多く、あきらに
    ブレーキだったので、あそこをとっとと変えるべきだと思いました。
    現に、ラムジー、キャンベルになってから、明らかに連動性が良くなりましたしね。

    どうにも、監督は英国人系の選手に対して、こだわりがありすぎのように感じます。
    でも、今のチームで、一番頼りになるのはサンチェスなんですから、彼が一番やりやすい
    布陣で、試合に臨むべきだと思います。

  2. ko より:

    いつもアーセナルの記事ありがとうございます。
    ファンだと客観的に見れないので、楽しみにしています。

    しかし、本当に大丈夫か?という試合でした。
    けが人の波がいつもより早いので、どうにか1月まで粘って欲しいです。
    サッカー小僧さんの意見にも賛成ですね。
    どうもウィルシャーにはこだわりがあるように感じます。
    ウィルシャー中心ではなく、サンチェスやエジルに合わせた方がシンプルに勝てるのではないでしょうか。
    こだわるのが浪漫派ベンゲル監督なのかも知れませんが。

    また更新を楽しみに待っています。

  3. mol より:

    更新ご苦労様です。

    昨日はなんともフラストレーションの溜まる試合でした。

    やはり1番気になったのはウィルシャーでした。
    彼を中継するのも良いんですが、パスのテンポも一定でメリハリがなく、リスキーなところでドリブルで持ち込みロストするの繰り返しで、カウンターにはウェルベックがフォローに行くという始末。
    ケガをしたプレーも自業自得感が否めませんでした。

    ヴェンゲルさんはウィルシャーにこだわっていますが、代わりに入ったキャンベルのボールの持ち方も好きですし、コンディションが分かりませんがロシツキも使って欲しいと思うところです。

    守備陣はペジェリンが思ったより良かったのとあとは冬の補強に期待ですかね。

    いつも楽しみに拝見させていただいてます。今後もアーセナルの記事よろしくお願いします。
    駄文失礼しました。

  4. プレミアリーグ大好き! より:

    まともなアーセナルファンなら1年前からヴェンゲルやめろって思ってたけどな。
    いい選手揃えるんじゃなくていいスカッド揃えるべきってことに気付こうぜ

  5. makoto より:

    サッカー小僧!さん>
    パスミスが多かったですね。今はとにかく、アレクシス次第となっているので、カソルラやラムジーが奮起してくれるといいのですが…。

    koさん molさん プレミアリーグ大好き!さん>
    私も、エジルないしアレクシスを中心に据えて戦った方がいいと思います。ベジェリンはこれから楽しみですね!

  6. tomo より:

    更新ご苦労様です。

    今季はほぼ毎試合このレベルではないですか?現在のアーセナルでは全て似たような試合に
    なってしまうでしょう。たまには完勝もするでしょうけどそれは相手のレベルが著しく低い
    場合のみでしょう。それが現在のアーセナルの状況だと思います。

    ベンゲルが特定の選手に必要以上に固執するのは何も今に始まったことでもないですよね。
    ベンゲルがいる限り常に特定の選手に固執するでしょう。なぜならばベンゲルはローテなど
    出来ない監督だからです。心から残念ですが・・・ベンゲルは万能ではありません。

    チェルシーとの差はもはや挽回不可能でしょう。CLでグループリーグ首位の座を奪う姿は
    少なくても私には描けません。グループリーグで2位になれば明らかに格上の相手とまたも
    決勝トーナメントを戦わなければいけないでしょう。結果は・・・見えています。
    要するに今季も昨季までと全く同じシーズンだということですかね。寂しい限りです。

  7. makoto より:

    tomoさん>
    おっしゃるとおり、11勝ち点差は厳しいですが、昨季、一度落伍しかけたリヴァプールがあそこまで優勝争いに絡むとは誰にも想像できなかったわけでして。まだ8試合ですので、「挽回不可能」のハンコを捺すのは、年内は保留にしておいてもいいのでは?

makoto へ返信するコメントをキャンセル